営業に動画を使う企業が急増中です。
「わかりやすく伝わる」「営業工数が減る」「成約率が上がる」──その言葉を聞いて興味を持った方も多いのではないでしょうか。
でも実際には、「営業動画って何をどう作ればいいの?」「どの場面で使えば効果が出るの?」といった疑問が多く、ただ“作って終わり”になってしまうケースも少なくありません。
そこで今回の記事では
この記事でわかること
- 営業動画の知識
- 活用方法
- 成功事例
- 制作コストの相場
を解説します。
「ただの映像」ではなく「売上に直結する営業ツール」として動画を活かすために、ぜひ参考にしてください。

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。
1. 営業動画とは?まず理解しておきたい基本知識
営業動画は「便利そう」や「トレンドだから」といった理由で導入されがちです。
でも実際には、営業の本質に深く関わる手段であり、取り入れる意味や設計次第で成果がまったく変わってきます。
この章では、営業動画の定義とその使いどころ、そしてなぜ今の時代にそれが注目されているのか?その背景までを、営業現場のリアルと照らし合わせながら深掘りしていきます。
①営業動画ってそもそも何?
営業動画とは、営業担当者が本来伝えるべきものを代弁するもの、です。
たとえば「価値の伝達」「課題への共感」「解決策の提示」です。これらを映像という形で再現したコンテンツです。つまり、「動画で営業の本質を代行する」ツールと言い換えても良いでしょう。
そのために、必要なのが
- 顧客の課題に寄り添う視点
- 信頼を得るストーリーテリング
- 意思決定を後押しする論理と感情
です。
この3つが動画の中にきちんと織り込まれているかどうか?それが、成果を分けるカギです。
たとえば、プロダクトの使い方をただ映すだけのデモ動画と、「この機能でこんな悩みが解決できます」と顧客のシーンに寄り添った構成では、同じ動画でも伝わり方はまるで違います。だからこそ、営業動画は「営業がやるべきことを、動画にどう落とし込むか」が設計のすべてです。
②どんなシーンで使われている?営業動画の活用事例
営業動画は「動画で売る」ための手段です。
が、実際の現場では驚くほど幅広く使われています。たとえば
営業動画事例
- 商談前に送る「事前説明動画」
- 初回アプローチで使う「興味喚起動画」
- サービスの導入プロセスを説明する「導入支援動画」
など、それぞれの営業フェーズに合わせた使い方が進んでいます。
たとえば「営業同行が難しい業界」では、動画が“営業の分身”として活躍します。
中でも効果が高いのは、アポ取り後、商談前に見せる「事前説明動画」。
これは、商談の中で口頭で説明していた内容をあらかじめ伝えることで、当日の話を一段深いレベルに持っていけるようにする目的で使われます。
③なぜ、営業動画が注目されるのか?
営業動画が注目される理由は、大きな2つの変化が関係しています。
背景❶:顧客の購買行動が変化
- BtoBでも、営業マンに会う前に自分で調べるのが主流に
- 顧客が判断する前に「信頼される情報」を届ける必要がある
- 営業動画は、その“空白の時間”に商品の価値を伝えるツールとして機能する
背景❷:営業リソースの限界
- 人手不足やリモート化により、営業の訪問数や対応数に限界がある
- 物理的な制約がある中で、“複製可能な営業マン”として動画が活躍
- 数百人、数千人に同時に情報を届けるスケールメリットがある
今、多くの企業が「動画で営業の非対面化・自動化」を模索しています。
そのなかで、営業動画は、信頼の構築から購入決定までをリードする“営業の分身”です。
2. 営業動画の導入メリットと効果
ここでは、営業動画を「なぜ取り入れるべきなのか?」という本質に迫ります。
よくある“メリットだけ並べました”的な内容ではなく、実際の現場感、裏側にある営業の課題まで含めて深掘りしていきます。
①見込み顧客へのアプローチ効率が劇的に上がる
営業活動で最も時間がかかるのが、初回接触から顧客が関心を示すまでのフェーズ。
つまり、温度感の低い「見込み顧客」をどれだけ効率よくナーチャリングできるかが、営業成績を左右します。
ここで動画の出番です
- まず、営業が「話すべきこと」を動画で先回りして伝えられる
- 顧客の理解と関心が一気に進む
- 対面で30分かかっていた説明が動画再生5分で完了する
さらに、動画は見た・見ない、どこまで見たか、という視聴データも取れます。そのため、「この人は本気度が高い」と判断する材料にもなります。
②営業担当者の負担軽減と質の平準化
どんなに優秀な営業マンでも、1日で訪問できる件数には限界があります。
さらに、体調やモチベーションにも左右されるでしょう。一方で、営業動画は休まない、忘れない、文句を言わない。そして、誰が送っても、同じ内容を同じテンションで伝えてくれます。
特に「営業力にバラつきがある」と悩む企業には効果的。トップセールスのトークを動画に落とし込めば、誰でもそのクオリティで提案できるようになります。
また、新人教育の面でも営業動画は力を発揮します。
③商談の成約率が向上する理由
「動画を使うと成約率が上がる」とよく言われます。
営業現場では、
- 顧客が本当に知りたいことにうまく答えられない
- 説明がまわりくどくて理解されない、
という場面が多々あります。そこで、動画を使えば、
- ロジックを整理されている
- 視覚的に理解しやすい
- 言い間違いがない
- 資料の順番も完璧
- 余計な情報もない
- 伝えることが最短で届く

だから、相手の納得感が違う
④顧客が持ち帰った後、社内共有しやすい
前述した成約率の向上には、もう一つ理由があります。
それは、「社内での共有がしやすい」ことです。
BtoBの商談では、提案内容を他の関係者に説明する場面が必ずあります。でも、営業が帰ったあと、顧客はどうやってその情報を社内に伝えるのか?
商談後のあるある
- 口頭だとニュアンスが伝わらない
- 資料だけだと弱い
そんなときに動画があると、それを見せるだけで「営業と同じ説明」が再現できます。
⑤実際のデータや事例から見る効果の証明
では実際、営業動画を導入した企業ではどんな成果が出ているのでしょうか?
以下の表をご覧ください。
導入企業例 | 導入前の課題 | 導入後の成果 |
---|---|---|
IT企業 | 営業マンによる説明の質にバラつき | 成約率が25%→38%に向上 |
スタートUP企業 | 初回商談の離脱率が高い | 事前動画配布で商談継続率が1.7倍に上昇 |
製造業 | 展示会フォローが弱かった | 動画送付で反応率が3倍に(見込み顧客数大幅増) |
このように、具体的な数値で成果が証明されているケースは多いです。
特に高い評価の3点
- 営業効率化
- 顧客理解の促進
- 社内共有のしやすさ
3. 営業動画の種類とその使い分け
営業動画と一口に言っても、実は種類が多いです。
そこで、この章では、それぞれの動画が持つ役割と、どんな場面で使い分けるべきかを深掘りします。
①商品・サービス紹介動画
まず、商品・サービスの魅力を端的に伝える動画です。
このサービス紹介動画は、もっともベーシックな営業動画です。言ってしまえば「うちのサービスって、こういうものです」を一気に伝えるための映像。でもここで重要なのは、ただ機能や特徴を並べるだけでは意味がない、ということです。
サービス紹介動画の本質は、「これ、今まさに自分が求めていたものだ」と顧客に感じてもらうことです。つまり、顧客の頭の中にある“問題意識”と動画の内容がリンクして、はじめて意味を持ちます。
成功している動画の多くは、冒頭で「こんなお悩みありませんか?」と問題提起をしてから、それに対する解決策としてサービスを紹介しています。PREP法を活用することで、論理の流れがクリアになり、視聴者の理解度もぐっと高まります。
また、動画の長さは重要です。だらだら3分も4分も語られると、視聴者は離脱します。理想は90秒前後。要点を絞って、印象的に伝えることが大事です。
②FAQ動画
つぎに、よくある質問の疑問を解消する動画です。
FAQ動画は、サービス紹介の後に出てくる疑問をあらかじめ解消する役割を持ちます。特にBtoBの商談では「気になっているけど、聞きにくい」「確認しておきたいけど面倒」といった“もやもや”が意思決定の妨げになることが多いです。
この動画があることで、営業担当者の対応時間も短縮されますし、何より顧客が安心できます。たとえば「契約期間は?」「途中解約できる?」「実際に導入するとどれくらいコストがかかる?」といった質問に、リアルなトーンで答えることで、心理的なハードルが一つひとつ下がっていきます。
注意点としては、台本を作りすぎて“説明っぽさ”が出てしまうと逆効果という点です。FAQ動画では、むしろ「実際の営業マンがそのまましゃべっている」ようなナチュラルさが信頼感を生みます。
③事例インタビュー動画
インタビュー動画は、保証を担保するときに使います。そのことで、信頼性を高める効果があります。
サービスの信頼性を高めたいフェーズで有効なのが、事例インタビューです。これはいわば、顧客の声を使った“営業代弁者”。第三者のリアルな言葉だからこそ、説得力が生まれます。
ポイントは、ただ「満足しています」と言ってもらうのではなく、「導入前の課題」「なぜ選んだか」「どう変わったか」のストーリー構成にすること。特に「導入前の困っていた状況」をしっかり語ってもらうと、視聴者の共感を呼びやすくなります。
また、語るのは担当者本人が望ましいです。顔が出る、名前が出る、会社名が出る。それだけで信ぴょう性は段違いに上がります。一方で、社内調整や承諾が必要なケースも多いため、無理に動画にするのではなく、文章インタビューとの併用も現実的な選択肢です。
④デモンストレーション動画
最後に紹介するのが、デモンストレーション動画。
これは商品やサービスの「使い方」「導入の流れ」を視覚的に見せることで、顧客の不安や誤解を減らすタイプの動画です。
人は「よくわからないもの」に対してお金を払いたくないものです。機能は理解しているけど、「実際にどうやって使うの?」「うちの環境でもいける?」という疑問を持っている段階で、動画を見せられると理解が一気に進みます。
ここで大事なのは、細かい仕様や操作画面に走りすぎないことです。見せるべきは「ユーザーがどう使うか」「その先にどんなメリットがあるか」。つまり“未来の姿”をイメージさせることです。
そしてもう一つ、ナレーションや解説のトーンも重要です。機械的な読み上げではなく、人間味のある、感情に寄り添うような語りが理想的です。デモ動画もまた、“営業トークの延長”として設計することが求められます。
4. 営業動画の制作手順とポイント
営業動画は「とりあえず作ってみるか」では、確実に失敗します。
なぜなら、営業動画は“動画制作”であると同時に、“営業設計”でもあるからです。つまり、営業活動そのものを映像化するという高度な再構成作業なのです。
この章では
- 何から始めればいいのか?
- 台本・シナリオの作り方
- 撮影・編集時の注意点
といったリアルな疑問に答えます。
①何から始めればいいのか?まずは目的を明確化
たとえば、リード獲得か?商談支援か?
なにを目的にするか?自社の課題に合った「目的設定」から始めるべきです。
目的 | 適した動画の内容 | 使用タイミング |
---|---|---|
リード獲得 | 興味を引くストーリー・問題提起型 | メールマーケティング、SNS広告など |
商談支援 | 商品説明・顧客事例・FAQ動画 | 初回商談前〜商談中 |
導入促進 | 導入後の流れ・成功事例・カスタマーサポート | 商談後・導入検討フェーズ |
動画の目的が不明確だと、つい、たくさんの要素をいれたくなります。
②台本・シナリオの作り方(PREP法や視聴者目線を活用)
良いシナリオを作るためには、以下の要素を意識することが重要です。これは動画の骨格づくりにあたります。
動画シナリオ構成の基本(PREP法)
- Point(主張):動画冒頭で結論や価値を提示
- Reason(理由):なぜそれが重要か、根拠を解説
- Example(例):事例や具体的なシーンで補強
- Point(再主張):最後にもう一度、主張を確認
視聴者目線で作るためのコツ
- 社内都合の話ではなく、「視聴者が一番気になっていること」から話し始める
- 書き言葉ではなく、話し言葉ベースで構成する
- 「知らない前提」で丁寧に説明する
PREP構造+顧客視点で作られた台本は、自然と伝わる動画になります。
③撮影・編集時の注意点
撮影と編集では、細かい配慮が視聴者の信頼に直結します。
以下は、最低限守るべき品質ラインと、その理由をまとめたものです。
項目 | 具体的なチェックポイント | 理由・効果 |
---|---|---|
映像 | 明るさ・画角・手ブレの有無 | 印象が「素人臭く」なる |
音声 | ノイズ除去・マイク品質・声の張り | 音割れや聞き取りづらさは、問題外 |
編集構成 | 無駄な間をカット・図解やテロップの活用 | テンポよく見せ、理解を助ける |
出演者の態度 | カメラ目線・表情・トーン・言い回しの自然さ | 信頼感・親近感を左右する要素 |
また、視聴者が離脱しないように、動画はできれば1~2分以内に収め、視覚的にも「飽きない工夫」が必要です。
5. 営業動画の費用感とコスパの考え方
動画制作は「高い」というイメージが先行しがち。
ですが、実は費用の捉え方次第で“高い投資”にも“安い浪費”にもなり得ます。
この章では
- 制作費の相場感
- 安く作る方法は?
- 費用対効果を最大化する
を、解説します。
①制作費の相場感
営業動画の制作費用は、一律ではありません。動画の目的・長さ・クオリティによって、価格は大きく変わります。
以下は、一般的な制作会社での費用感をまとめたものです。
動画のタイプ | 制作費用目安 | 内容・特徴 |
---|---|---|
シンプルなスライド中心 | 10〜30万円 | テキストと画像を中心に構成。ナレーションあり |
実写インタビュー | 30〜80万円 | 撮影・インタビュー・編集を含む。社員や顧客の出演 |
アニメーション説明 | 50〜100万円 | 図解・モーションが豊富で、内容の難易度により変動 |
高品質ブランディング | 100万円超 | ストーリーテリングや映画的な構成。CMのような演出 |
このように価格は幅広いです。が、営業用途に限れば「目的に応じた内容」であれば中価格帯でも十分に成果は出せます。見た目の派手さより、“使えるかどうか”が重要です。
安く作る方法は?
「費用がネックで踏み出せない…」
その場合は、自社制作という選択肢があります。最近では、テンプレートを使った動画編集サービスも進化しており、社内で一定レベルの動画を作ることも可能です。
低コストで営業動画を作るなら
- PowerPointを活用する:資料をもとに動画スライドを作成。ナレーションで資料説明
- CanvaやVYONDを使う:デザインやアニメが苦手でも、テンプレートでプロっぽく仕上がる
- スマホ撮影+テロップ編集:自然なトークを録音し、CapCutなどで編集してもOK
方法 | 初期費用 | 難易度 | おすすめ度(社内でやるなら) |
---|---|---|---|
PPT+録音 | ほぼ0円 | 低 | ★★★★☆ |
テンプレ編集ツール | 数千円〜 | 中 | ★★★☆☆ |
スマホ撮影+アプリ編集 | 0円〜1万円 | 中 | ★★★★☆ |
ただし、安く作れる=効果が出るではありません。
目的と構成が曖昧なままだと、どんなに編集がうまくいっても“自己満足動画”に終わるので注意が必要です。
③費用対効果を最大化する
動画制作は「投資」です。
しかし、そうなるためには、リターンが得られる設計が必要です。つまり、成果が見えなければ“高くついたな…”となり、明確に成果が見えれば“むしろ安かった”という評価に変わります。
コスパを最大化するチェックポイント
- 目的とゴールが明確になっているか?
- 営業のフローに動画が自然に組み込まれているか?
- 使い回せる設計になっているか?(メール・展示会・商談前など)
- 成果指標(視聴率・反応率・成約率)を測定できる体制か?
たとえば、50万円かけて動画を制作し、1本あたりの商談で5%成約率が上がり、月に10件以上が成約に至るなら、1〜2ヶ月で元が取れる計算です。営業動画は、**一度作れば何度でも使える“資産”**になり得ます。
費用だけを見てためらうのではなく、「この動画は何人の営業マンの代わりになるのか?」という視点で考えると、導入の判断軸が大きく変わります。
6. 営業動画の活用方法と配信チャネル
営業動画は、ただ「作っただけ」では効果は出ません。
この章では、営業現場での活用方法、効果的な配信チャネル、そして導入後の改善の回し方について、本質的に押さえるべきポイントを解説していきます。
営業活動にどう組み込む?実践的な運用方法
営業動画の成果を最大化するためには、動画を“いつ・誰に・どう見せるか”を明確に設計する必要があります。以下のように、営業の各フェーズに対応した使い方が効果的です。
営業フェーズ | 活用する動画の種類 | 使用目的 |
---|---|---|
初回接触(アウトバウンド) | 興味喚起・ブランディング動画 | まずは認知と関心を引く |
商談前(インバウンド) | サービス紹介・FAQ動画 | 商談準備として理解を促進 |
商談中 | デモ動画・事例インタビュー | 導入の具体性・信頼感を高める |
商談後 | フォロー・リマインド動画 | 意思決定を後押し、検討離脱を防ぐ |
多くの企業が「作ったら営業が勝手に使ってくれるだろう」と考えがちですが、実際には“動画を使う場面とタイミング”をあらかじめ営業チームとすり合わせておくことが、運用の成功を分けます。
配信先はどこがベスト?メール・YouTube・LPなど
営業動画の価値は、「見てもらえる」ことで初めて発揮されます。だからこそ、どこで動画を届けるか=配信チャネルの選択は非常に重要です。以下に、代表的なチャネルとその特徴をまとめました。
配信チャネル | 向いている動画 | 特徴・活用ポイント |
---|---|---|
メール(営業メール・ステップメール) | サービス紹介・FAQ | 開封後すぐに再生できる。反応率の測定も可能 |
YouTube(限定公開) | フル尺の営業動画 | アクセス制限で“知ってる人だけに届ける”設計が可能 |
自社LP(ランディングページ) | セールス用プレゼン動画 | コンテンツの一部として配置することで滞在時間を伸ばせる |
営業チャットツール(Slack, Chatworkなど) | インタビュー・補足説明 | カジュアルに共有でき、スムーズな社内連携にも活用できる |
チャネル選定で迷ったら、「動画を見る人の導線はどうなっているか?」から逆算して考えるのが基本です。
視聴データの分析と改善のPDCAサイクル
営業動画の真価は、「運用しながら改善する」ことです。
分析できる主な視聴データ
- 再生回数:どれくらい視聴されたか(興味の有無の指標)
- 平均視聴時間:どこまで見られているか(構成の適正チェック)
- 離脱ポイント:どこで離脱されているか(改善余地の明確化)
- 視聴完了率:最後まで見られた割合(説得力・構成力の評価)
これらのデータを元に、内容の見直しや長さの調整、説明パートの順序変更などを行っていきます。たとえば、30秒で大きく離脱されているなら、冒頭のインパクトが弱い可能性が高いです。
PDCAを回すためには、動画ごとにKPI(再生回数・反応率・成約率など)を設定しておくことが大切です。成果を数値で追える状態にしておけば、「何となく良さそう」ではなく、「具体的にどこが強化ポイントか」が見えてきます。
7. 成果が出ている企業の成功事例紹介
営業動画は「本当に成果につながるのか?」という不安はあるものです。
特に経営層や営業マネージャーにとっては、導入後の成果が見込めなければ、そもそも社内稟議すら通らないというケースも多いでしょう。
というわけで、この章では、実際に営業動画を導入した企業の成功事例をご紹介します。
導入前と導入後の違いが明確なBtoB企業の事例
とあるSaaS系企業では、「サービスの説明が難しく、営業トークに差が出てしまう」という課題を抱えていました。営業資料や口頭説明だけでは顧客の理解が追いつかず、商談の途中で離脱するケースが多発していたのです。
そこで導入したのが、サービスの概要と活用イメージをまとめた90秒の営業動画。営業マンは初回商談前にこの動画を送付し、顧客が基本理解を済ませた状態で商談に入れるよう設計しました。
結果、導入後3ヶ月で初回商談からの継続率が約1.5倍に増加。しかも、「サービスのことがすでに伝わっている」状態から話がスタートするため、深い提案や課題解決の話に時間を割けるようになり、営業満足度も向上しました。
導入前の課題 | 導入後の成果 |
---|---|
営業トークにバラつきがある | 商談継続率アップ、提案力の強化 |
サービスの説明に10分以上かかっていた | 動画で事前理解が進み、商談がスムーズに |
成果が見える!営業工数削減&売上増加の実績
製造業のA社では、展示会や資料請求の後、営業がフォローアップの電話をしていました。
しかり、商談につながる割合が非常に低く、営業効率に大きな課題がありました。そこで、送付と同時に「紹介動画」と「導入事例インタビュー動画」の2本を自動配信する仕組みに切り替えました。
これにより、営業がアプローチする前に顧客の温度感を判断できるようになり、受注率が約20%改善。さらに、動画を見た顧客の方が商談化率・契約率ともに高く、営業の“狙い撃ち”が可能になったのです。
工数としては、1人あたり月30時間程度の作業削減に成功。その分、見込みの高い顧客へのアプローチに集中できるようになりました。
動画が社員の営業スタイルを変えたインパクト
つぎの注目事例は、飲食業界向けシステムを提供するベンチャー企業です。
ここでは、営業メンバーが少なく、全国の顧客に対応しきれないという課題を抱えていました。
その解決策として、営業マンの“プレゼン内容”をそのまま動画化。1人の営業マンが訪問できる件数には限界がありますが、動画なら同じトークを何百人にも届けられるため、「1人営業が10人分働く」状態を実現しました。
さらに、導入後は新人営業の教育にもそのまま活用。営業動画を見ることで、入社数日で提案ができるレベルにまで引き上げることが可能になり、育成コストと時間が大幅に短縮されました。
インパクト | 解決された課題 |
---|---|
動画で営業の分身を複製 → リーチ数拡大 | 営業人員が不足し、全国対応ができなかった |
動画でトーク内容を共有 → 教育効果UP | 教育に時間がかかり、即戦力化が難しかった |
「うちでも効果が出るのか?」という問いには、「設計と運用を間違えなければ、間違いなく武器になる」と答えられます。
成功事例に共通しているのは、「何を伝えるか」「誰に届けるか」「どう組み込むか」が徹底的に整理されているという点です。
営業動画|成果を生む動画の作り方・使い方・費用を解説!まとめ
営業動画は、営業活動の補完ではなく「進化のカタチ」です。
営業マンが話すべきことを代わりに伝え、顧客の理解と信頼を深めてくれる“営業の分身”として活躍します。
しかし、動画の効果は「ただ作る」だけでは生まれません。「誰に・何を・どう伝えるか」という設計と、「どのタイミングで・どのチャネルで使うか」という運用の工夫が不可欠です。
今回ご紹介した内容が、あなたの営業活動を加速させるヒントになれば幸いです。今こそ、“動画で売る時代”への第一歩を踏み出してみませんか?
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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