オフライン編集とは、事前に作った動画の構成台本や、演出コンテを設計図として、撮影素材を編集していく作業です。
オンとオフの編集の違いは、簡単にいうと以下のようなものです。
オフライン編集=
不要な部分をカットして台本に沿って繋ぐ
オンライン編集=
テロップ入れ・色調整などの動画演出
最近はパソコンで編集できるようになって、その区分けが曖昧だよね?
はい。マスターテープを作っていた頃の名残で名前だけが残っていて、オフライン=動画編集ですね。
というわけで、今回は、動画のオフライン編集について
●オフライン編集の概要について
●オフライン編集のワークフロー
●観てもらえる動画にするための考え方
について、まとめた記事です。
どうぞ最後まで、ご高覧ください。
動画制作オフライン編集とは?
撮影は、使えるショットばかりが撮れるわけではなく、むしろ失敗の連続。
正直にいえば、使えないショットがたくさん出てきます。
そこでオフライン編集の出番。
オフライン編集は、NGを省くところから始まります。
①動画素材のほとんどはNGカット
②編集は創造的な作業
③編集は終わりのない作業
④動画編集の基本はカット編集
まずは、オフライン編集の概要です。
①動画素材のほとんどはNGカット
動画は、動いているものを「次はどう動くか?」を予測しながら撮影します。
ゆえに、カットの前後には、不要な部分が撮影されてしまいます。
未編集の不要なカットがある動画は見ていて苦痛だよね?
はい。友人の子供の運動会ビデオとか、地面とか空とか映ってますよね?
身内は見ていられても、そうでない人が見たら拷問のような時間
というわけで、
という前提を知っておいてください。
②オフライン編集は創造的な作業
オフライン編集は、NGショットを省く作業が大半ですが、決してネガティブな作業ではありません。
むしろ創造的で楽しい
動画は企画→撮影→編集と続く、作業の集大成です。
そして、オフライン編集の出来不出来は、動画の質を左右する、大きな役割を持っています。
③動画編集は終わりなき作業
動画編集作業は、とても奥行きの深い作業で、終わりがありません。
正直、やればやるほど直したいところが出てこない?
そうなんです。今日は「完璧」って思っても、次の日は「もっとこうしたい」ってなります
なので、締め切り日を編集作業の終了日にしないと、終わらない
オフライン編集は、楽しい反面、終わりのない作業。でも、そこがまさにクリエイティブな点といえます。
④動画編集の基本はカット編集
動画の基本は『カット編集』です。
オフラインのカット編集は、その名のとおり、動画の時間軸に沿って、必要なカットを配置する作業です。
カット編集は、以下の3つに集約される作業です。
(1)素材の前後をカット→必要なカットの抜き出し
(2)時間軸(タイムライン)に沿って動画素材のカットを移動
(3)クリップをコピペする
オフライン編集の概要は、以上ですが、次に具体的なワークフローを見てみましょう。
オフライン編集の5つのワークフロー
ここから、オフライン編集の基本的なワークフローについて、お伝えします。
<1>ストーリーボード編集で骨組みを作る
<2>カットの長さはこうして決める
<3>タイムラインでカット編集の修正(トリミングとクリップの移動)
<4>テロップ・タイトルを加える
<5>BGMやナレーションを加えよう
一つずつ見ていきましょう。
<1>ストーリーボード編集で骨組みを作る
パソコンに取り込んだ撮影素材を、あらかじめ作っておいた構成に合わせて、順番に並べます。
①カットとカットをつないで、ひとつのシーンにする
②シーンとシーンを合わせ、一つのシーケンスにする
シーンの起承転結+全体の『起承転結』を作る
ポイントは
ロングショットで全体を説明し、5W1Hがわかるようにつなぐこと
です。このとき、このあとの項目で説明する同ポジが続かないように意識しておくとグッド!
ロングショット、アップショットなど、同じサイズのカットを続けないこと
<2>カットの長さの決め方は?
使用するカットのイン点、アウト点を決めていきます。
カットの長さは、内容が伝わる長さにすることが基本です。
基本的な考え方を表にしてみました
撮影素材 | 時間 | |
ロングショット | 長め | 引きの絵は情報量が多いから |
アップショット | 短め | 情報量が少ないから |
テロップを入れるカット | 長め | 文字を読ませる必要があるから |
どこで入り、どこで切るか?は微妙なタイミングになることが多いです。
なので、プレビューしながら、繊細にかつ大胆に編集点を探していきましょう。そのほか
も面白いので試してみましょう。
基本的な考え方はあるけど「こうでないとダメ」というルールはありません。
自分のセンスで編集をしていきましょう。
<3>タイムラインでカット編集を修正
編集の格言に
●似たカットはつながない
●ロングショットはアップショットを要求し、アップショットはロングショットを要求する
というものがあります。
とくに、『同ポジ』は、極力避けるようにしましょう。
同ポジ=アングルや画角が同じカットが続くこと
YouTube動画では『ジャンプカット』って言って、セリフの言い間違いとかをカットしただけの同ポジ動画は多いよね?
はい。狙いでやるのなら良いですが、安っぽくなる可能性もあるので、ブランディング動画には不向きです。
似たカットをつないでしまうと、カットの変化が弱くなり、つながりが悪くなります。
また、ロングショットの次は、細部を見たくなるし、逆にアップショットの次は、全体が見たくなる心理状況があるので、これを巧みに使うのがコツです。
☑︎カット同士の連続性を保っているか?
☑︎そのシーンは自然なつながりで再生されているか?
☑︎異なる場所で撮影されたカットも、自然なつながりに見えて再生されているか?
☑︎つながりに違和感がないか?
<4>字幕テロップ・タイトルを加える
PC編集が普及する前は、オフライン編集の範疇ではありませんでしたが、現在では、テロップも合わせて作業をするので、こちらに加えます。
カット編集で、不要な部分を削除したら、その後、字幕テロップを加えます。
字幕テロップに関しては、こちらの記事が参考になります。
<5>BGMやナレーションを加えよう
BGMやナレーションについても、本来はオフライン編集の範疇ではありません。
が、現在では、合わせて作業することが多いので、こちらに参考項目として、加えさせてください。
オフライン編集は、何度もやってみることで、確実に上達します。
失敗を恐れず、挑戦してみましょう。
観てもらえる動画にする動画編集の考え方
最初から動画の再生時間が10分ってなってたら、引きますよね?
そもそも「そんな時間ないよ」って、再生ボタンを押してもらえない可能性もあります。
ここでは、観てもらえる動画にするための最低限のお話しです。
<1>動画の再生時間は90秒〜120秒以内に
<2>最初の3秒にこだわろう
<3>ナレーションやテロップは必須
<1>動画の再生時間は90秒〜120秒以内に
動画を観てくれる方が必要としているのは『情報』です。
セールスレターの教材に「女性のミニスカートは、できるだけ短い方が嬉しい」という例え話がありますが、それと同じで、
「大切な部分はちゃんと隠れないといけないが、短いほど嬉しい!」
ともいえます。(←男目線でしかないです。すみません)
なので、多くの情報を、できるだけ短い動画で、伝えられるように心がけましょう。
<2>最初の3秒にこだわろう
その動画を観るか?観ないか?は、3秒以内に決まります。
誰だって「面白そう」って思わなければ、それ以上観ませんよね?
一番大事なのは、動画に見る価値があるか?を感じさせること
本当に価値があれば一番ですが、ポイントは『価値があると感じさせられれば良い』という点。
インパクトがある映像とかでも良いですが、素材として用意できない場合も多いので、ここでは、一番使いやすいものとして『ファーストクエスチョン』をお勧めします。
どういうこと?
質問をすると人の脳みそが起きて、頭の中で答えてしまう性質を利用したやり方です
たとえば「あなたは○○してみたいと思いませんか?」って言われたら「えっ?」って思いますよね。
それを利用するのです。
<3>ナレーションやテロップは必須
動画には、映像以外の情報がたくさん入ります。
映像以外の『ナレーション』や『テロップ』『BGM』が、動画をフォローして、情報を伝えやすくするから、です。
動画を使って、価値ある情報をわかりやすく伝えることが、動画制作の1番の極意です。
動画制作❺【編集編-1】オフラインってなんだ?まとめ
今回は、オフラインについて、長々とお話ししてきました。
いつもお話しする通り、どんなものでも『最初に作ったものが、一番下手くそな作品』です。
作れば作るほど、上達します。どんどん、作って行きましょう。
そしてわからないことがあれば、どしどしご質問ください。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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