起承転結ってよく聞くけど、あなたは上手く説明できますか?
そして、動画シナリオにも応用できるのが、この『起承転結』。
たとえば
●起は、何をどう書けば良いのか?
●承は、どこからどこまで書けば良いのか?
●転は、どう言う役割を果たすのか?
●結は、どうまとめたら良いのか?
ってよく分からないですよね?
そういえば起承転結って、なんとなくしか知らない…
はい。でもちゃんと定義づけて覚えておくと作文力もアップしますよ
というわけで、今回の記事は
●動画のシナリオを書きたい
●文章の基本を理解しておきたい
●ちょっと作文が苦手なので、上手くなりたい
と思っているあなたのための記事です。
『動画制作の品質を決める7つのチェックポイント|読むだけで役に立つ動画制作ノウハウ』の3回目は、シナリオについてのお話。
観たあとで、ちゃんと記憶に残せるような、そんな動画のシナリオの書き方を学びます。
読むだけで作文のコツがわかる、ので、どうぞ最後までご高覧ください。
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動画シナリオの基本『起承転結』はなぜ必要?
まずは、なんで『起承転結』が必要なのか?という話しから、です。その理由は
文章の基本=人にわかりやすく伝えるための文章術だから
この見出しでは、動画シナリオを書く前のマインドセットをお伝えします。
①人に伝える文章には基本がある
②動画シナリオは、動画の設計図
③記憶に残す動画にするためには『テーマ』が必要
一つずつ見ていきましょう。
①人に伝える文章には基本がある
古今東西、昔から、たくさんの先人たちが、他人に伝わる文章術の基本を残してきました。
その基本が「起承転結」とか「序破急」だね
はい。文章を書くのが得意な人は、ちゃんと理解しているもの、ですね
なので、シナリオを習ったことがあったり、文章を書くのが得意な人はこの先、読まなくても大丈夫です。
でも、ちょっと「自分の文章に不安がある」という方は、もう少しこの記事とお付き合いください。
②動画シナリオは、動画の設計図
ものには、伝える順番があります。
もっと正確に言うと
『理解してもらいやすくなる順番』
です。起承転結は、それを覚えて使っただけで、自然に理解してもらえるシナリオが作れるいわば『文章の方程式』。
なので、動画シナリオも、文章の方程式を使った、動画の設計図でもあります。
③記憶に残す動画にするためには『テーマ』が必要
映像はキレイだけど、心に残らない動画ってあるよね?
はい。「伝えたいはずのものが伝わってこない」動画ですね
それは、どうしてか?というと
動画にテーマがないから
です。
そういう動画は、見ている人の感情を動かすことができます。
つまり『記憶に残らない』ということ
では、次に、動画のストーリーにとって、軸となる『テーマ』の作り方について、お伝えしましょう。
「愛」「恋」「青春」はテーマじゃない。その理由は?
動画のシナリオでは、伝えるべき『テーマ』を考える必要があります。
では、あなたはテーマとは?という問いに、正確に答えられるでしょうか?
❶「愛」だけではテーマにならない
❷「愛とは美しいものである」ならテーマになる
起承転結の具体論に進む前に、これだけは覚えてほしいので、もう少しお付き合いください。
❶愛だけではテーマにならない
よく、動画を作っているフリーランスの方から、動画のURLをサンプルで送ってもらうことがあります。
その動画を観たあとで「テーマはなんですか?」って質問をすると、「この作品のテーマは『愛』です」みたいな答えが返ってくることがあります。
残念ながら、その人は、テーマを理解していません。なぜなら
『愛』という単語自体はテーマにならないから
です。
じゃあ『愛』ってなんですか?っていう、まるで禅問答みたいな話になってきちゃいますけど、どうしたら『愛』がテーマになるのでしょうか?
答えは簡単
その答えは『方向性があるか?ないか?』です。
❷「愛とは美しいものである」ならテーマになる
そう、テーマには方向性が必要なのです。
たとえば
●『愛とは美しいものである』
●『愛とは醜いものである』
は、テーマと成立します。
なぜなら、方向性があるから、です。
でもOKです。
次の章では、そのテーマを『起承転結』で表現するノウハウをお伝えします。
起承転結?序破急?すべての始まりはアンチテーゼから
ここでは、仮に『愛とは美しいものである』というテーマを掲げて、ご説明しましょう。
この『愛とは美しいものである』というテーマを作文や動画シナリオで表現するための、最初のスタート地点はどう設定したら良いでしょうか?
というわけで、ようやく起承転結を説明できるスタート地点に立ちました。
(1)動画の最後に視聴者に理解させる
(2)起の役割
(3)結論から一番遠いところから文章はスタートさせる
(1)動画の最後に視聴者に理解させる
動画のテーマは、最初から『愛とは美しいものである』というプラカードを掲げて、それを見せることではありません。
が必要だから、です。
なので、動画に限らず、作文でも、テーマは文章では語ることはせず、見る人や、読む人に、最後に感じてもらうか?が大切です。
(2)起の役割
では、動画の最後に『愛とは美しいものである』というテーマを感じてもらうためには、どういう展開が一番わかりやすいか?というと…。
もうわかりますよね?
そうです。
が、構成術のセオリーになります。
(3)結論から一番遠いところから文章はスタートさせる
では、『愛とは美しいものである』というテーマの正反対の部分とは、どういうものか?というと、
●愛とは美しくないもの
●愛とはきたないもの
です。簡単ですよね?
なので、この『愛とは美しいものである』というテーマの文章を出発させる『起』では、テーマと正反対のことをいうところからスタートします。それを
テーマの反対=『アンチテーゼ』
って言います。
少し整理すると、文章の順番とは
という流れになります。
動画や文章を観た人々が、テーマを納得する。という構成を作っていくのです。
繰り返しますが
起承転結の『起』がアンチテーゼ
起承転結の『結』がテーマ
です。
でも、スタートからゴールに、きちんとたどり着くのも大変そうだよね?
はい。なので、途中で「言いたいことが迷子にならないようにする」必要があります。
「迷子になりそうだ」と思った方、どうぞご安心ください。
動画でも文章でも、あらかじめ設計図を作っておけば問題ありません。
その方法が『ハコ書き』という手法です
次の項目では、このハコ書きについて、詳しくお話ししましょう。
物語の設計図、ハコ書きを作ろう
作文を書くのが苦手な人は、十中八九、設計図がありません。
というかテーマもないまま、なんとなく書き出して、途中で迷子になり、結局、何が言いたかったかわからない。という状態で終わります。
作詞とか、ほかの分野でも同じですけど、自分が言いたいことを他人にちゃんと伝えるためには『伝えるための技術』というものが、ちゃんと存在します。
作文を書くのが苦手な人は、能力の問題ではなくて、単純にそれを知らないだけ、です。
<1>物語の設計図=ハコ書きとは?
<2>ハコの中に何をどう入れる?
<3>クライマックス『転』はどこ?
<4>残りのハコは全部『承』
<5>この物語はこういう構成になる
<1>物語の設計図=ハコ書きとは?
さあ、では実際に、作文や、動画のシナリオを作ると仮定して、物語の設計図を作ってみましょう。これまで
起承転結の『起』がアンチテーゼ
起承転結の『結』がテーマ
と書きました。
なので、これをわかりやすく、起承転結を8つに分割します。
1〜8の数字のひとつひとつに、箱(ハコ)をおいてみましょう。↓こんな感じです。
<2>ハコの中に何をどう入れる?
次に、それぞれの箱の中に、必要な要素を入れて行きます。
このストーリーを組み立てる箱に、ストーリー要素を入れていく作業なので『ハコ書き』と言います。
1がスタートで、8がゴールです。なので
になりますね。
<3>クライマックス『転』はどこ?
そして物語には、クライマックスシーンと呼ばれる、一番大きな見せ場があります。
起承転結でいえば、『転』にあたる部分。
さて、物語のクライマックスは、この8つのハコのどの部分にあたるでしょうか?
正解は、、、
7番です。
そう7番、ひとつだけなんです。
1の『起』から始まって、徐々に物語が進行していき、7の『転』でクライマックスを迎えて、8の『結』で終わる。
という構成が、動画でも文章でも、ストーリー作成の基本です。
<4>残りのハコは全部『承』
起承転結の『起』『転』『結』の3つを箱に入れました。
じゃあ、残りの『承』は、どこに入るのか?
もう分かりますよね?
ちょっと意外な感じですよね?
物語や作文の全体ボリュームは、
●『起』『転』『結』が、それぞれ1コマずつ
●その間の『承』が、物語のほとんどを占める
ということです。
<5>この物語はこういう構成になる
というわけで、この物語の構成の組み立ては、以下のようになります。
起=「愛とはきたないものである」と思っていた主人公がいる
承=いろんな経験・あれやこれやのエピソードを経て
転=テーマに近づくエピソードがあり
結=「愛とは美しいものである」という結論にたどり着く
テーマさえ決めてしまえば、その反対のアンチテーゼは、すぐに思いつきます。
なので、あとは、途中の数々のエピソードにあたる物語の大部分の箱(2〜6)になる『承』の部分を考えていけばOK。
だいぶ、シナリオや作文に対するアレルギーが減ったのではないでしょうか?
記憶に残る動画制作に必要なものは?
ここでは、記憶に残るにはどうしたら良いのか?と、シナリオの基本について、お話ししましょう。
[1]どんな動画が記憶に残るのか?
[2]記憶に残る例は?
[3]感情を動かす動画が記憶に残る
一つずつご紹介します。
[1]どんな動画が記憶に残るのか?
その答えは「感情を動かす」動画であることです。
なんとなく「面白かった」程度では、ダメ。そうではなくて、本当に
●面白かった
●楽しかった
●悲しかった
って思わせること。
です。
[2]記憶に残る例は?
たとえば、自分は、英単語とか覚えるのが苦手でした。
でもたまに「えっ〜?これってこんな意味だったんだ〜」とか「これって、英語だとこんな単語なんだ〜」とかって、心のなかに引っかかったものは、かならず覚えていました。
そのときは「なんで変な言葉だけはちゃんと覚えられるなぁ、自分…」とか思っていましたけど、それにはちゃんと意味があったわけです。
●意外過ぎて、驚いてしまったこと
●それまで知識がなくて、知らなかったこと
●自分の感情を揺り動かすような出来事
あなたにも似たような記憶があると思います。
[3]感情を動かす動画が記憶に残る
不思議と、感動したり、びっくりしたりしているものは覚えているよね?
はい。間違いなく、そのとき『感情が動いていた』というわけです
というわけで、ちゃんと心に根付く動画を作りたいなら、感情を動かす必要がある。と覚えておきましょう。
そして、そのためには、今回お伝えした「伝えるための技術が必要」という訳ですね。
動画制作❸【シナリオ編】起承転結の意味を理解・作文力をアップ!まとめ
動画制作のシナリオを作るためには、伝える技術が必要。
ストーリーが破綻しないように、1から8に向かっていくシナリオの設計図(ハコ書き)を作りましょう。
●どうして「愛とはきたないものである」と思っていた主人公が
●『愛とは美しいものである』という結論に至ったのか?
最後に結論に至るまでの、エピソードを順序良く、あらかじめ2〜6の中の箱に入れておき、それから筆を走らせるようにすれば、物語が途中で迷子になることは絶対にない、です。
ちょっと長くなってしまいましたが、『ストーリー』の優劣は、動画の成否に関わってくる問題です。
テーマと、それを説得させる起承転結の展開力で、他社に負けない、あなたの会社だけの動画を作りましょう。
\2万円〜の動画制作をプランニングしてご提案/
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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