動画制作・撮影編【ホワイト バランス】シロ=ホワイトバランスをミスらない4つの設定方法

動画制作・撮影編【ホワイト バランス】

ミスの許されない撮影現場でなぜプロのカメラマンは失敗しないのか?あなたが知っておくべき7つのチェックポイント。それは

『シロ・シ・ア・ゲ・ブレ・ピン ND』

です。

今日はこの内のシロ=ホワイトバランスについてのお話しです。

目次

ホワイトバランスとは?

ホワイトバランスとは『白』を『白』に見せる機能です。

もう少し深く言うと「撮影した映像の色味と実際に目で見た色が違う色にならないように調整する機能」のことです。

動画でも詳しく解説しています。ぜひご高覧ください。

設定が悪いとどうなるか?

「あなたも普通に写真を撮って、いざプリントしてみたら、撮影時に感じた色と写真の色が違っ ていて「あれ?」と思った経験ってありませんか?

「思ったより赤かった」
「青かった」

これはホワイトバランスの設定が適切でなかった場合におこる現象です。

明るさの数値『ケルビン』という単位を理解する

ホワイトバランスについて、お話しする前に、明るさの数値『ケルビン』という単位を覚えてしまいましょう。
光の色は温度で変化します。『ケルビン』は、その色の絶対温度表示です。

下の表を見てください。

色温度とケルビンの関係

一番暗いのがローソクで、一番明るいのが青空です。

ちなみにローソクの灯の下では、色温度は2000ケルビン。赤みが強く強調されます。逆に、青空の下では、色温度は9000ケルビン。こちらは青みが強調されます。なので、カメラ側のホワイトバランスをこれらを考慮して設定します。

ホワイトバランスはオートじゃダメなの?

人間の目は、無意識のうちに、これらを処理していますが、機械はそうではありません。なにも設定をしないと、仕上がりに先ほどお話ししたような違和感が出てしまう場合があります。カメラにはホワイトバランスをオートで設定できる装備があります。

でもプロは必ずマニュア ルで撮影します。なぜでしょうか?

理由1:カメラ側で白を判断するのが難しい

これはテクニカル的な理由です。人間の目は非常に優秀にできています。どんなシュチュエー ションでも白を白として認識できます。でもカメラにはまだそれが難しいのです。オート設定にしたとき、その被写体に対して合っていたホワイトバランスも、カメラを急に別の被写体に向けると、ホワイトバランスが狂ってしまい、きちんと撮影することができないのです。

理由2:狙い通りのイメージ通りにしたい

同じものをずっと撮影する場合には、オートに設定でも色のバランスをカメラが自動的に整えてくれます。でも「朝焼けの静かな青さを撮りたい」とか「夕焼けの赤さを強調したい」など、撮りたいシーンのイメージがある場合には、オート設定にしてしまうと、肝心の青さや赤さが抑えられてしまい、狙い通りの映像が撮れません。あくまでも白を基準とした映像になってしまうからです。狙いどおりの映像を撮影したいのであれば、マニュアルに設定しましょう。

理由3:あとで色味を調整するのが大変だから

静止画ならどのような状態で撮影しても、あとで写真加工ソフトを使って、簡単に加工するこ とができます。でも動画ではいきません。動画の撮影をする際には、あとから困らないように 最初に設定をしておく必要があります。

以上のような理由から、プロはホワイトバランスをマニュアルで設定します。

どうしてもオートで撮りたい方へのアドバイス

この作業が面倒くさい、難しいという方は、カメラについているオートで撮影しても構いませんが、その際には以下のポイントに注意しましょう。たとえば広角の撮影で、画面内に色の偏りが少ない場合には(いろんな色がある)オートでもある程度、ホワイトバランスを取れます。でも、広角の映像からズームアップした時、画面内に映る色がある一定の色に偏ってしまうと、思い通りの色味に撮れない可能性が出てくるので、注意しましょう。

ホワイトバランスはどうやって設定するの?

それでは、実際のホワイトバランス設定について、お話ししていきましょう。ホワイトバランスを設定するには、次の4つのやり方があります。

ホワイトバランスの4つの設定方法

(1)オートホワイトバランス
(2)ワンプッシュホワイトバランス
(3)プリセットホワイトバランス
(4)マニュアルホワイトバランス

ひとつずつご説明しましょう。

(1)オートホワイトバランス

先ほど、お話しした引きの場面を映す際に、比較的、被写体の色に偏りが少ない場合に使います。

カメラの中で画面内の色全体を分析して、その平均値をグレー(無彩色)となるように設定します。R-GAIN、B-GAIN を自動で設定します。でも被写体の色にある一定の偏りが出た場合 には、ホワイトバランスの精度が落ちてしまいます。

なので、色の再現性を重視する場合には、次のワンプッシュホワイトバランスがオススメです。

(2)ワンプッシュホワイトバランス

ホワイトバランス設定では、基本になるやり方です。撮影する前に、カメラに「白色」を強制 的に覚えさせる。

それがワンプッシュホワイトバランスという方法です。私もほとんどの場合、 この設定方法で対応しています。

やり方は簡単。カメラにたとえば画用紙などの白い被写体を 用意して、ホワイトバランスのスイッチを押すだけ。これだけで、かなり正確なホワイトバラ ンスが取れます。でも、撮影場所が『部屋から部屋』『室内から屋外』などに変わるたびに、 やり直す必要があります。

(3)プリセットホワイトバランス

手元に白い紙がない場合や、かつ特殊な照明の下で撮影する場合などに使う設定方法です。

たとえば夕焼けの下で、ワンプッシュホワイトバランスのように白を取ると、まるで昼間のよう な映像になってしまいます。 こういった場合に使うのがプリセットホワイトバランスという設定方法です。

事前に取得して 保存しておいたホワイトバランスを使用したり、カメラに内蔵されている「昼光・蛍光灯用」 「屋内白熱灯用」などのモードを使用します。これはカメラにもよりますが、かなり細かい設定を内蔵している場合もあるようです。それらを使って、夕焼けをもっと夕焼けらしくなど、イメージに合わせて選択することでイメージに近づけていきます。

(4)マニュアルホワイトバランス

カメラに装備されている機能で、好みの色を自分で作り出すことができます。

R-GAIN、B-GAIN などの調整を手動で行うホワイトバランスオフセット機能を使えば、ホワイトバランスを取った後、色をコントロールすることで、より好みのイメージに近づけることも可能です。

実際の効果は?

では、どのような効果があるのか?を見てみましょう。ビデオカメラでホワイトバランスの違いを撮った動画があるので、ご覧ください。

こちらのアドレスから見ることができます。

ホワイトバランス1 電球色設定で屋外を撮った場合

ホワイトバランス2 強制的に夕暮れ色にするには

ホワイトバランス3 Ach・Bch切り替え例

だいぶ、難しかったですかね。

でもここまでを基本として覚えたら、ホワイトバランスに関しては 初心者卒業です。あなたも狙った映像の撮影に挑戦してみましょう。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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