シーケンスとは、シークエンスという呼び方もしますが、同じものです。要は『まとまり』って意味です。
では、動画でのシーケンスは、どのような『まとまり』を作っていくのが正解でしょうか?
というわけで、今回は
●動画のシーケンスとは?
●どのようなまとまりにするのか?
●まとまり毎の考え方とは?
について、お伝えする記事です。
できるだけ短く、簡単にまとめました。どうぞ最後までご高覧ください。
動画のシーケンスは4つのまとまりで考える
動画のシーケンスは、大きく4つのまとまりに分けて考えます。
ここでいう4つのシーケンスとは『導入』『解説』『共感/感動』『余韻』です。
①オープニング(導入部)
②ビルトアップ(解説)
③クライマックス(共感/感動)
④エンディング(余韻)
それぞれを詳しく見ていきましょう。
①オープニング(導入部)
ファーストシーン(導入部)のシーケンスで大切なことは、この先の動画に興味を持ってもらうことです。
雑誌の記事や広告が、最初の一行が、大事なように、動画でもオープニングがダメだと、観る気をなくします。
(1)最初の1行で気持ちを揺さぶるのと同じ
文章の最初に入るキャッチコピーや見出しのように
「これはなんだ?」
「この人、かっこいいなぁ」
とと疑問を投げかけたり、「おっ」と思わせる内容でも構いません。
要するに、心地良かったり、逆に心配になったり、視聴者の気持ちを揺さぶる必要があるのです。
(2)観る人を現実から動画に引き込む
ファーストシーンには、特別な意味があります。それは、
観る人を現実の世界から、動画の世界へ引き込む必要があるから
です。
現実世界の意識を動画の世界観へと切り替えさせる。
それには、先ほどもお話しした「これはなんだ?」と疑問を投げるなどで、動画に意識を引き込む作業が有効です。
そして、その謎が解かれる頃には、視聴者は、すっかり動画の世界に入っている、という作戦です。
(3)何を映しているのか?わからないカットも意味がある
そのほかにも、現実から動画へと引き込む手法は、たくさん存在します。
たとえば、俯瞰を使った上からのアングルでカットです。
はじめは何を映しているのか?分かりません。
でも、長い俯瞰の映像の後で、カメラポジションが徐々に下がり、渋谷道玄坂の映像に導かれたとすると、ここで視聴者には「東京という大都市の片隅で何かある」というコンセプトが与えられる訳です。
俯瞰を使った
上からのカット
→
カメラポジションが下がる
→
渋谷道玄坂の映像に導く
視聴者に謎を与えて、徐々に気づかせる動線を作る
クローズアップのカットからスタートして「これはなんだ?」と思わせておいて、徐々に引いて「あ〜」と気づかせるという、逆の手法でも同じ効果が得られます。
(4)「かっこいい」から導入する方法もある
そのほかにも「かっこいいなぁ」という感動から、動画の世界観へ導入する方法もあります。
要は、普段過ごしている現実の世界から、動画が表現する世界へ引き込んで行くやり方が基本です。
現実世界→動画の世界への引き込み。それが実現できれば、なんでもアリ
映画やテレビドラもでも、たくさんの手法が使われているので、ちょっとそういう目で見てみてください。
YouTubeでも企業動画でも通用する、基本的な手法がたくさん発見できるはず、です。
②ビルトアップ(解説)
解説部のシークエンスでは、導入部の疑問や心地良さに対する回答をします。
起承転結でいえば『承』です。
全体の構成でみれば、この動画の中心部分に当たります。
編集では、時間や空間をコントロールして、動画のテンポやリズム感を意識しながら編集を進行します。
(1)説明的になってはいけない
ここで注意することは、回答とは言っても、決して説明的にならないことです。
アクセントになるカットを効果的に配置して、分かりやすく、かつ説明的にならないようにしましょう。
(2)動画の展開は抑揚が必要
動画の展開には、抑揚が必要です。
ずっと静かな動画は飽きてしまう
常に盛り上がっている動画は疲れてしまう
抑揚のない動画展開は、そもそも伝えたいテーマが伝わりづらいし、最後まで見てもらえない可能性が低くなるので、メリハリのついた動画構成が必要です。
(3)クライマックスへの準備
なので、途中の中盤(解説)のシークエンスでは、あえて観ている人に不満を感じさせるような編集も、ときには必要です。
その反動で、クライマックスを盛り上げることができます。
不満が解決されて、視聴者の溜飲が下りる
そのためにクライマックスに向けた布石をヒント的に編集で仕掛けておくことが効果的です。
③クライマックス(共感/感動)
動画は、観る人の感情に直接訴えかける特性があるとお話ししました。
このクライマックス(共感/感動)のシークエンスでは、その特性を存分に生かします。
(1)視聴者の感覚に訴える技
視聴者の感覚に音楽(BGM)や効果音(SE)を使って、訴えかけます。
ここでは、動画素材と音声の力を活用して、説明的な要素はできるだけ切り詰めて、感覚的に処理することがポイントになります。
説明的な要素はできるだけ切り詰めて感覚的に処理するとGood
共感/感動のシークエンスは、いわばクライマックスです。
(2)テーマに対して納得してもらえる構成と演出
テーマになる部分を視聴者に納得してもらい、満足してもらえるような構成と演出をしていきます。
中盤(解説)のシークエンスで、さりげなく暗示として打っておいた布石を回収させることで、観ている人の「?」を納得させます。
(3)それは謎解きに似た面白さ
視聴者から見れば、布石の回収は、謎解きと同じです。
謎解きの面白さ=『動画表現の特性』と相性がいい
制作意図やテーマによって、さまざまな編集で、クライマックスを作っていく工夫をしましょう。
④エンディング(余韻)
このシークエンスは、起承転結でいえば『結』にあたる部分です。
クライマックスで、多くの人に結論を提示した後なので、ここでは、その余韻を残しつつ、ダラダラせずに、動画を締めくくりましょう。
(1)簡潔に終わらせるロングショット
たとえば、美しいカットを数カット、オーバーラップしたり、カットを長回しで使ったりするのもアリです。
特にロングショットは、客観性のあるショットなので、このシークエンスでは、効果的です。
ロングショット=客観性を表現しやすい
(2)クライマックスの余韻と興奮を残すために
クライマックス(共感/感動)のシークエンスでの興奮を抑えつつ、余韻を残して終わる演出を心がけます。
(3)ラストシーンで大切なのは客観性
ラストシーンでは、客観的なカットで、現実に引き戻す手法がよく使われる一般的な手法です。
たとえばキレイな夕日のシーンとか、観たことありますよね?このとき、ロングショットにズームバックしたりします。
ブランディング動画でもラストシーンで大切なのは『客観性』
それぞれの顔のカットから全体のロングショットに引いていき、最後に会社のロゴへつなげて行くようなラストを演出してもいいでしょう。
動画の世界から心地よい現実への誘導がキーポイントです。
動画でのシーケンス・4つのまとまりとは?
以上、動画でのシーケンスについて、お伝えしました。
①オープニング(導入部)
②ビルトアップ(解説)
③クライマックス(共感/感動)
④エンディング(余韻)
ファーストシーンと同様に、観たあとで、余韻とともに記憶に残るような工夫をしましょう。
逆にいえば、記憶に残るのはファーストシーンとラストーシーンだけです。印象的なカットを選んで、シーンを作る必要があるということでもあります。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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