動画のシーケンスとは、なに?
動画編集を始めたばかりの方が、最初に戸惑う言葉のひとつが“シーケンス”です。操作画面に出てくるけれど、意味が分からず、なんとなく使ってしまっている人も多いのではないでしょうか?
そこで、今回の記事では
今回の記事で分かること
- 動画のシーケンスとは?
- 基本操作と設定ポイント
- 失敗しないためのシーケンス設定のコツ
- 実践に役立つ構成パターンとプロの事例
- 編集構成としての“4つの感情ブロック”の活用法
など、動画編集の土台となる「シーケンス」について、分かりやすく解説します。
また、一部、Premiere Proを例に、編集の流れや設定のコツ、さらにはプロの活用法まで、段階的に学べます。

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。
1.動画のシーケンスとは?
動画編集を始めると、最初に出会う言葉の一つが「シーケンス」です。
特にPremiere Proなどの本格的な編集ソフトを使うと、必ずこの言葉が出てきます。でも、初めて聞いたときは「何それ?」と思う人がほとんどです。正直、映像制作の現場でも人によってニュアンスが違ったりするので、混乱しやすい言葉でもあります。
しかし、シーケンスは「編集の土台」です。ここでしっかりとその概念と必要性を押さえておきましょう。
①動画のシーケンスの定義と役割とは?
結論から言えば、シーケンスとは「動画編集のタイムライン全体を構成する編集の場」です。
Premiere Proでは、このタイムライン上に動画や音声、テキストなどの素材を並べて編集していきます。シーケンスはその編集空間を定義する枠組みです。
たとえば、料理に例えると「まな板」のような存在です。素材(動画クリップ)は具材で、ツール(エフェクトやカット)は包丁。まな板=シーケンスがないと、具材を切る場所がないのです。
しかもシーケンスは、解像度やフレームレートといった作品全体の品質にも直結します。プロジェクト全体の基準を決める重要な役割を担っているため、最初に設定を誤ると、後々やり直しが効かなくなることもあります。
つまり、「編集を始めるなら、まずはシーケンスを制すべし」。これは動画編集の鉄則です。
②動画のシーケンスとクリップの違い
シーケンスとよく混同されるのが「クリップ」です。
Premiere Proの画面上では、どちらもタイムライン上に表示されるため、最初は違いが分かりにくいです。
クリップは、撮影された動画素材そのもの。言ってしまえば「素材の切り身」です。一方で、シーケンスはそのクリップをどの順番で、どの長さで、どんな効果を加えて見せるかを設計する「編集の設計図」です。
下の比較表をご覧ください。
用語 | 役割 | 例えるなら |
---|---|---|
クリップ | 編集前の動画・音声素材 | 生の食材 |
シーケンス | クリップを組み合わせる編集空間 | 料理を盛りつけるお皿 |
つまり、クリップは何もしなければただの素材でしかありません。が、シーケンスに配置して初めて「作品」になります。
初心者がよくやるミスとして、「クリップを並べるだけで編集完了」と思いがちです。
が、それはシーケンスを十分に活用できていない状態です。
③なぜ、動画にシーケンスが必要なの?
「そもそも、どうしてシーケンスなんてものがあるの?」と思う方もいるでしょう。
確かに、スマホアプリの簡易編集ツールには「シーケンス」という概念は出てこないこともあります。
でも、プロ仕様の編集環境では、シーケンスがなければ成り立ちません。その理由は、「複数の編集工程を管理・統合できる」からです。
たとえば、YouTubeの動画を作る場合でも、「オープニング」「本編」「エンディング」の3つに分けて編集する人もいます。それぞれを個別のシーケンスとして作っておくと、あとから一つの完成シーケンスに統合できるため、作業効率が飛躍的に向上します。
結果的に、これを理解して使いこなせるかどうかで、編集者としてのレベルが大きく変わってきます。
2. Premiere Proでの動画シーケンスの使い方
動画編集におけるシーケンスは、ただの編集スペースではありません。
Premiere Proでは、映像の見せ方を決める「編集の設計図」として機能します。タイムラインの構造や設定の意味が分かっていないと、思い通りに編集できません。
この章では、基本から丁寧に押さえていきます。
① Premiere Proにおけるシーケンスの構造:タイムライン・トラックの理解
まず、Premiere Proのタイムラインは2本に分かれています。
「ビデオトラック」と「オーディオトラック」です。この2つを重ねて使うことで、複雑な編集が可能になります。たとえば、上のトラックにテロップ、下に本編動画、その下にBGM。このように、階層的にレイヤーを重ねるような感覚です。
ただ、トラックを意識せずに編集を始めると、順番や配置がグチャグチャになります。映像が見えなくなったり、音が重なってうるさくなったり。こういったトラブルは、タイムラインの構造を理解していないことが原因です。
逆に言えば、トラックの役割さえ分かれば、編集の自由度が一気に広がります。無駄な操作も減るため、作業効率も上がります。
② 新規動画のシーケンスの作成方法:基本手順とポイント
シーケンスの作成方法は、意外とシンプルです。
「ファイル」→「新規」→「シーケンス」。ここから始めます。ただし、選ぶ設定によって、編集結果は大きく変わります。
特に重要なのが「プリセットの選択」です。これは動画の解像度やフレームレートなどをあらかじめ設定してあるテンプレートです。もし、素材と違う設定を選ぶと、映像がカクついたり、伸びたりします。
初心者にありがちなのが、「とりあえず何でもいいや」でプリセットを選ぶことです。そのまま進めると、あとで映像がガタガタになったり、再出力のときに失敗します。
一番安全なのは、動画素材を直接タイムラインにドラッグする方法です。このとき、「クリップに合わせてシーケンスを変更しますか?」と出ます。「はい」を選べば、素材に合った設定でシーケンスが作られます。
最初の一歩でつまずくと、後が面倒です。だからこそ、作成手順とポイントはしっかり押さえておきましょう。
③ 動画のシーケンスの設定項目
シーケンス作成時には、たくさんの設定項目があります。
パッと見て難しく感じるかもしれません。でも、意味が分かれば、どれも実はシンプルです。
たとえば「解像度」は画面の大きさです。1920×1080(フルHD)が定番です。「フレームレート」は1秒間のコマ数。30fpsや60fpsがよく使われます。「ピクセル縦横比」は画面の形。通常は「正方形ピクセル(1.0)」を選びます。
以下に主要項目をまとめます。
項目名 | 意味 | 注意点 |
---|---|---|
解像度 | 映像の大きさ(例:1920×1080) | SNSや用途で最適サイズが異なる |
フレームレート | 1秒あたりのコマ数(例:30fps) | 映像の滑らかさに関係 |
ピクセル比 | 画面の比率(例:1.0) | 間違えると映像が歪む |
色域 | 色の幅(例:Rec.709) | 鮮やかさや色味に影響 |
特に、解像度とフレームレートは後から変更すると不具合が起きやすいです。最初にきちんと確認しておくことが大切です。
④ プリセット vs カスタム設定:どちらを選ぶべきか?
Premiere Proには、多くのプリセットが用意されています。
「AVCHD 1080p30」「DSLR 720p24」など、カメラや用途別に分類されています。初心者なら、まずはプリセットを使うのが安心です。
ただし、自分で細かく調整したい場合は「カスタム設定」を選びます。たとえば、シネマっぽい演出にしたい場合は24fps。縦型動画を作るなら1080×1920。こういった場合にはカスタムが必要です。
正直、どっちを使っても大事故にはなりません。でも、完成後に「なんかおかしい」と感じる原因の多くは、設定のミスです。
最初はプリセットで十分です。慣れてきたら、カスタムも試してみると良いでしょう。
⑤ 複数シーケンスの運用術
動画が長くなると、1つのシーケンスでは管理が大変です。
そこで使えるのが「複数シーケンス」の運用です。
たとえば、オープニング、本編、エンディング。これらを別々のシーケンスで作っておきます。編集しやすくなり、見直しも簡単です。そして、すべてをまとめた「マスターシーケンス」を作ります。これが最終出力用のシーケンスになります。
さらに便利なのが「ネスト」機能です。シーケンスを1つのクリップとして扱えるため、再利用やエフェクトの一括適用にも役立ちます。
プロの現場では、このやり方が当たり前です。特にチームで作業する場合、パーツごとに分けることで作業分担もしやすくなります。
少し手間に感じるかもしれません。でも、あとで確実に楽になります。ぜひ使ってほしいテクニックです。
3. 失敗しない動画のシーケンス設定
シーケンスの設定は、動画編集の“最初のつまずきポイント”です。
ここを間違えると、後から修正が効かず、編集データがすべて無駄になることもあります。特に初心者にとっては、意味のわからない項目ばかりで不安になるでしょう。
でも安心してください。よくあるミスのパターンを知っておけば、失敗は防げます。この章では、具体的な設定のコツを、目的別にわかりやすく解説します。
① YouTube向けなど目的別プリセットの選び方
まず最初に迷うのが「どのプリセットを選べばいいのか?」という点です。
結論から言えば、「作る動画の目的」に合わせて選びましょう。たとえば、YouTube動画であれば「AVCHD 1080p30」または「DSLR 1080p24」が一般的です。
SNS投稿なら、InstagramのリールやTikTokなど縦型動画を想定して「1080×1920」の設定が最適です。横向きの設定(1920×1080)のままだと、投稿時に上下が切れてしまうこともあります。
また、企業案件や広告動画など、高画質が求められるケースでは「4K(3840×2160)」が選ばれることもあります。ただし、PCのスペックが低いと編集時にカクつくので注意が必要です。
つまり、「どこで誰に見せる動画なのか?」を明確にしてから、プリセットを選ぶのが正解です。これを意識するだけで、編集後のトラブルが激減します。
② 画質・容量に影響する設定項目の理解と注意点
シーケンスの設定は、画質と容量にも大きく関わります。
高解像度・高フレームレートで設定すれば、映像はきれいになります。でも、そのぶんファイルサイズも重くなり、PCへの負荷も大きくなります。
たとえば、以下の比較を見てください。
設定 | 見た目の違い | ファイル容量 | 編集負荷 |
---|---|---|---|
1920×1080 / 30fps | 通常のフルHD | 中 | 低〜中 |
3840×2160 / 60fps | 超高精細で滑らか | 非常に大 | 高 |
1280×720 / 24fps | 少し荒め・軽量 | 小 | 非常に低 |
画質が良ければ、それでOKというわけではありません。再生環境や、編集に使うPCスペック、書き出し時間なども含めて考える必要があります。
初心者なら、まずは「1920×1080」「30fps」が無難です。これで困るケースはほとんどありません。
③ 再編集や書き出しを見越した設定にするには
動画編集は、完成して終わりではありません。
あとで再編集が必要になることもあります。そのため、初期設定の段階で「再編集しやすいシーケンス」にしておくと安心です。
ポイントは、素材のスペックとシーケンスの設定を一致させることです。たとえば、素材が60fpsなのに、シーケンスを30fpsにすると、動きが不自然になります。逆も同じです。
また、書き出し形式も意識しましょう。YouTube用なら、YouTubeに最適化されたプリセットで書き出す必要があります。ここでシーケンス設定と食い違っていると、映像がぼやけたり、音ズレが起きたりします。
「とりあえず編集できればいいや」と思って適当に設定すると、後から地獄を見ます。最悪、最初からやり直しになることもあります。
4. プロの現場ではこう使う!動画シーケンスの活用実例
シーケンスは、動画編集ソフトの中でも“地味だけど超重要”な存在です。
正直、使い方次第で仕上がりの質も、作業スピードも大きく変わります。
ここでは、プロの現場で実際に行われているシーケンスの使い方を、具体的な事例を交えて紹介します。
① CM・YouTube・映画制作などでの使い分け
プロの現場では、作るコンテンツによってシーケンスの使い方がまったく違います。
たとえば、テレビCMなら15秒や30秒が基本。秒数が厳密に決まっているので、「尺合わせ」が超重要です。この場合、1秒単位でシーケンスを分けて、構成を視覚化します。
一方で、YouTube動画はもっと自由です。でも、そのぶん視聴者の離脱を防ぐ工夫が必要です。たとえば、「導入」「本編」「まとめ」の3パートに分けて、各シーケンスごとにテンポ感を変えたりします。こうすることで、飽きさせない編集が可能になります。
映画制作では、さらに大規模になります。1本の長編に対して、数十本のシーケンスを使い分けます。シーンごとにシーケンスを分けておき、最終的にすべてを統合。編集のミスを減らし、管理をしやすくするためです。
このように、目的に応じて「どのようにシーケンスを設計するか」が、プロの現場では重要なスキルとなります。
② タイムラインを活用した効率的な編集フロー
プロは、タイムラインの構造を「設計図」として活用します。
まず、メインのシーケンスとは別に、各セクションや素材ごとのシーケンスを用意します。これによって、不要な部分の整理や、変更の差し替えがラクになります。
たとえば、オープニングだけ何度も修正が入るような案件では、「オープニング専用シーケンス」を作っておきます。そして、完成したものをネストしてマスターシーケンスに挿入します。変更があっても、元シーケンスだけ修正すれば全体に反映されるため、工数が最小限で済みます。
こうした「部分編集→統合」のフローは、時間をかけずに品質を保つためのテクニックです。とくにクライアントワークでは、修正が多いため必須の手法です。
③ テンプレートやマスタープロジェクトとしての応用
プロは、シーケンスを“使い捨て”にしません。
一度作ったシーケンスは、テンプレートやマスタープロジェクトとして保存しておきます。
たとえば、YouTubeチャンネルを運営しているクリエイターなら、イントロやエンディングのシーケンスを固定しておきます。それを毎回コピーして使えば、編集の手間が一気に減ります。
さらに、文字スタイルやトランジション、音量バランスもシーケンスに含めて保存できます。これにより、動画の“統一感”が生まれ、ブランドイメージも確立されます。
クライアント案件でも、過去のプロジェクトをマスターとして再利用すれば、新規案件でもゼロから作る必要がなくなります。納期に追われる現場では、この再利用性が大きな武器になります。
つまり、シーケンスを“資産”として扱う。この意識があるかどうかで、プロとアマの差が生まれます。
5. よくある疑問Q&Aで不安を解消
ここまでシーケンスの基礎から実践までを解説してきました。
でも、実際に編集を始めると「これってどうなの?」「こういうときどうするの?」という疑問が出てきますよね。
この章では、Premiere Proのシーケンスに関してよくある疑問を3つに絞って、わかりやすく本音でお答えします。
シーケンスを間違えて作ったら修正できる?
たとえば、解像度やフレームレートなどの基本設定は、あとから変更することが可能です。「シーケンス」→「シーケンス設定」でメニューを開けばOKです。ただし、変更内容によっては、映像のサイズが崩れたり、トランジションがズレたりします。
特に、ピクセル比やフレームレートの変更は要注意です。編集途中に変えると、動きのタイミングや映像の見た目が大きく変わることがあります。
編集途中で設定変更しても問題ない?
ケースバイケースです。
短い動画やシンプルな編集なら、大きな影響は出にくいです。でも、すでにたくさんの素材を並べていたり、エフェクトやモーショングラフィックスを使っていたりする場合は、影響が大きくなります。
たとえば、フレームレートを変更すると、モーションの滑らかさが変わり、キーフレームの位置がズレることがあります。こうなると、すべての調整をやり直す羽目になります。
複数人でプロジェクトを共有するときの注意点は?
チームで編集を行うときは、シーケンスの運用に特に注意が必要です。
まず、各メンバーがバラバラのシーケンス設定を使っていると、統合のときに不具合が出やすくなります。解像度が違えば映像のサイズが合いませんし、フレームレートが違えば音ズレの原因にもなります。
次に、フォルダ構成や命名ルールも重要です。「main_v01」「B_roll_cut2」など、ルールを決めておかないと、どのシーケンスが何を指しているのか分からなくなります。
プロの現場では、あらかじめ「共通シーケンス設定ファイル」を作っておき、それを全員で使い回すこともあります。これにより、編集の整合性が保たれ、トラブルも減ります。
6. 動画のシーケンス設計:4つの感情ブロックで動画をつくる
Premiere Proでの「シーケンス」は、編集空間としての機能を持っています。
一方で、動画全体の構成にも「シーケンス」が存在します。それが“ストーリーの流れ”です。
ここでは、動画を「4つの感情ブロック=4つのシーケンス」で考える方法をご紹介します。
① オープニング(導入部):視聴者の心を一瞬でつかむ
動画の冒頭で一番大事なのは、「この先も見たい」と思わせることです。
文章で言えば、最初の一行。ここが弱いと、視聴者はすぐに離脱してしまいます。
- これは何だろう?
- 誰?この人、気になる!
そんなふうに、疑問や期待を持たせる演出が効果的です。
たとえば、クローズアップの映像や、正体不明の俯瞰カットから始めて、徐々にシーンの全貌を見せていく。これは映画でも定番の手法です。
日常から切り離して、物語に集中してもらう。その“スイッチ”を入れるのが、オープニングの役割です。
② ビルトアップ(解説):テンポとリズムでストーリーを前進させる
導入で引き込んだ後は、「なぜその映像を見せたのか?」の答えを、少しずつ提示していきます。
ここは動画でいう“本編”にあたります。情報を整理し、物語を前に進めていくパートです。
ただし、ここで陥りやすいのが「説明しすぎてしまうこと」です。解説が続くだけでは飽きられます。視聴者は「ただの解説動画」には興味を失ってしまいます。
そこで必要なのが、テンポと抑揚です。
たとえば、
- あえて情報を少し引っ張ってみる。
- 途中で視聴者に不安や疑問を感じさせておいて、次のシーンでそれを解消する。
この“間”が、感情の高低差を生みます。
ここを丁寧に作ることで、後のクライマックスが何倍も強くなります。
③ クライマックス(共感・感動):感情のピークをつくる
動画の中で、最も感情を揺さぶる場面です。
ここでは“説明”を最小限に抑え、映像と音の力で訴える編集がカギです。
視聴者の感覚に働きかける代表的な演出要素は?
- BGM(音楽):感情の高まりや静けさを強調できる
- 映像の切り替えスピード:テンポで心拍数をコントロール
- 視点の変化:クローズアップ→引きの映像などで視点移動を演出
これらを組み合わせて、「言葉ではなく、感じさせる編集」を行います。
さらに、この場面では『答え合わせ”の演出』も重要です。中盤(ビルトアップ)で伏線として匂わせていた要素を、ここで一気に回収しましょう。
- あえて見せなかった情報を明かす
- 視聴者の「?」を「なるほど!」に変える
- 伏線の回収で、感情的な納得を得る
この「謎解きの快感」があることで、動画全体にストーリーとしての完成度が生まれます。
④ エンディング(余韻):余白と静けさで心に残す
感動の後にすべきことは、“しっかり締めること”です。ただし、だらだらと続けてはいけません。
ここでは、あえて「静かに終わる」ことが効果的です。たとえば、
- 美しいロングショットを使って、視聴者に“余韻”を感じてもらう
- 徐々に音楽をフェードアウトさせ、感情の高まりを鎮めていく
そんな静かな終わり方が、印象に残る動画になります。
視点を引きで見せることで、視聴者を「動画の世界」から「現実世界」にやさしく戻すことができます。
この4つのシーケンス構成を意識すれば、あなたの動画は「構成にブレがない」「感情を動かす」作品になります。
そして動画編集では、これら4パートをそれぞれ別シーケンスとして編集し、最後に統合するのが効率的です。
動画編集の「シーケンス」とは?まとめ
シーケンスは、動画編集の中核を担うとても重要な機能です。
Premiere Proなどの動画編集は、シーケンスの理解なしには、作品の質も編集効率も上がりません。
この記事では、基本的な概念から始まり、実務での使い方、そして“感情を動かす構成”という視点まで幅広くご紹介しました。操作だけでなく、視聴者の心を動かす「設計力」もまた、シーケンスによって支えられています。
これから動画を本格的に編集したい方にとって、この記事が「編集の考え方」を整理するきっかけになれば嬉しいです。
>> YouTube動画作成|機材選びや魅力的な動画を作る5つのポイント
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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