採用動画で応募が変わる|Z世代に刺さる動画戦略と成功事例

採用動画で応募が変わる|Z世代に刺さる動画戦略と成功事例

採用動画を作ったのに、応募が増えない…。そんな悩みはありませんか?

もし、応募者が集まらない。若手が定着しない。という状況なら、その理由は、伝え方のズレかもしれません。

そんな折、今、注目されている『採用動画”』は、Z世代を中心に有効活用されています。なぜなら、会社の雰囲気や社員の本音。さらに、職場の空気を伝える手段として、動画は圧倒的な力を持っているから、です。

そこで、今回の記事では

今回の記事でわかること

  • 採用動画の効果
  • 採用動画の種類
  • 採用動画の制作ポイント
  • 成功事例

を解説します。

これから動画を導入しようとしている企業にも、すでに運用している企業にも役立つ内容です。

ワイラボ編集長
ワイラボ編集長

執筆者

この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。

目次

1. 採用動画とは?今なぜ注目されているのか

企業の採用活動において、動画の重要性は、さらに高まっています。

なぜ、ここまで動画が重視されるようになったのか、従来の採用手法との違いは何か。そして、どんな企業がこの手法を取り入れているのか。

本章では、こうした背景と現状をひも解いていきます。

① なぜ、採用動画が注目されるのか?

なぜ、採用動画が注目されるのか?

採用動画が注目されている一番の理由。それは、情報の伝達力です。

なぜなら動画は、多くの情報を、短時間で、直感的に伝えることができるから、です。それは、特に、Z世代には顕著な傾向です。

もはや、動画を使った「読む」より「見る」が一般的です。

さらに、オンライン採用の拡大も拍車をかけました。

コロナ禍以降、対面の説明会や面接が制限される中で、動画を通じた企業紹介が広まりました。今では対面に戻った企業でも、補足資料として動画を活用するケースが定着しつつあります。

それだけ、動画には“企業の空気感”を届ける力があります。

もちろん、準備や編集に手間がかかります。が、それ以上に、今の採用市場では「動画を使っていない企業」が見劣りしてしまうことも多いです。

② 他の手法との違い(求人票・会社説明会などとの比較)

採用動画|他の手法との違い

動画の強みは「伝えられる情報の質と量」です。

求人票は、待遇や業務内容といった定型的な情報は伝えられます。が、職場の雰囲気や社員のリアルな姿までは見せられません。会社説明会もあるものの、参加できる人数や時間に限りがあります。

求人票だけでは、職場の雰囲気や社員のリアルな姿までは見せられない

採用動画は、これらの欠点を一気にカバーできます。

手法伝達力(テキスト)伝達力(雰囲気)コスト拡張性
求人票
会社説明会中〜高
採用動画中〜高

たとえば、現場社員のインタビューや職場の様子を映した映像は、見る人にリアルな想像を促します。数分の動画で、企業のビジョン・価値観・人間関係・仕事のやりがいなど、さまざまな側面を体感的に伝えることができるのです。

このように、動画は「求職者が知りたいこと」に答える手段として、非常に合理的な手法です。

③ 採用動画を導入している企業の傾向

採用動画を積極的に活用しているのは、大企業だけではありません。

もちろん、大手企業は予算や制作体制が整っているため、高品質な動画を打ち出しています。

が、実は中小企業でも導入が進んでいます。むしろ「知名度が低い企業ほど、動画で雰囲気や働きがいを伝える必要性が高い」という声も多いです。

特に新卒採用に力を入れている企業では、採用動画の活用率が高い傾向があります。

動画を公開している主なチャネルは、コーポレートサイト、採用特設ページ、YouTube、Wantedly、SNSなどです。

これらを組み合わせて発信することで、複数の接点を持つことができます。

情報発信力の格差が、そのまま採用力の格差になる時代です。

2. 採用動画の効果とメリット

採用動画を導入することで、本当に応募が増えるのか?採用の質は上がるのか?

こうした疑問を抱く企業は多いでしょう。実際、動画は「ただ作ればいい」というものではありません。が、正しく活用すれば確実にメリットがあります。

ここでは、採用動画がもたらす具体的な効果と、企業・求職者の双方にとっての利点を深掘りします。

① 採用動画の目的|応募者の意欲が高めるため

採用動画で候補者の応募意欲が高める

応募者に、採用動画を見てもらったあと、どう行動して欲しいか?

できれば、「この会社で働きたい!」と思って欲しいですよね。

では、そのために必要な動画の要素はなにか?というと、それは

「職場の空気感」や「社員の表情」です。

つまり、文章では伝わりにくいこの2つの要素を、動画は効果的に伝えることができます。

採用動画で伝えたい要素と効果

なぜなら、社員の自然な様子や笑顔。オフィスの雰囲気を映す。そのことで、「自分もここで働けそうだな!」と感じてもらうことができるから、です。

逆に言えば、文章や画像では安心材料が足りず、不安から応募を見送るケースもあります。

また、理念やビジョンを口頭で伝えるよりも、映像として見せた方が、感情に訴える力が強くなります。

② Z世代・若手人材に刺さる要素とは

Z世代・若手人材に刺さる要素とは

採用動画は、特に、Z世代と呼ばれる若年層に、高い効果を発揮します。

この世代は、生まれたときからスマートフォンのある世代です。そのため、情報収集の際にもテキストではなく動画を自然に選びます。

Z世代が重視するのは「リアルさ」と「等身大」です。

きれいに編集されたイメージ動画よりも、現場社員の声や実際の業務風景を映した映像の方が信頼されます。つまり、“盛らないこと”が大事です。求職者は見抜きますし、過剰な演出はむしろ逆効果になります。

また、この世代は「自己実現」や「社会貢献」への意識が高いです。そのため、企業理念や働く目的をしっかり伝えることも重要です。

採用動画は、こうしたメッセージをストレートに届けられる手段として非常に有効です。

③ 自社の雰囲気やカルチャーをリアルに伝えられる

自社の雰囲気やカルチャーをリアルに伝えられる

採用活動における最大の課題の一つが、企業の“文化”や“雰囲気”をどう伝えるかです。

企業理念をテキストにしても、働く空気感や人間関係は、言葉で表現ができません。

その点、採用動画なら、言葉では伝えきれない社内の空気を、映像としてそのまま見せることができます。

たとえば、

動画で伝える社内の映像例

  • オフィスの風景
  • 会議の様子
  • 昼休みの雑談
  • イベントの風景

など、何気ないシーンこそが「この会社、いいな」と思わせる要素になります。いわば“透明性”の提供です。リアルな姿は、応募者の不安を減らし、自分との相性を判断する材料になるから、です。

その結果、応募後のギャップも減り、ミスマッチによる離職のリスクも抑えられます。

3. 採用動画の種類と構成パターン

「採用動画を作る」と言っても、目的やターゲットによって最適な構成はまったく異なります。

ブランドの打ち出し?働き方?それとも社員の声?

意図によって表現すべき内容も、伝え方も変わってきます。

ここでは、よく使われる採用動画のパターンと、それぞれの特徴を紹介しながら、自社に合ったスタイルを見極めるヒントを探ります。

① 企業紹介型(理念・規模・ビジョンを伝える)

このタイプは、会社の全体像や将来像を伝えるための動画です。

創業ストーリー、代表メッセージ、経営理念、事業内容、成長戦略などをまとめて紹介する構成が一般的です。特に、認知度が低い企業にとっては、まず「どんな会社なのか」を知ってもらうための入り口として有効です。

ただし、単なる会社紹介に終始すると、ありきたりで印象に残りにくくなります。重要なのは、企業が「何を大事にしているのか」「どんな未来を描いているのか」を明確に語ることです。社員の働き方や具体的な取り組みもバランスよく取り入れると、説得力が増します。

理念と現場のリアルがかみ合っていれば、視聴者の共感も得やすくなります。

② 社員インタビュー型(現場の声を見せる)

もっとも身近で、もっとも刺さるのがこのタイプ。

実際に働いている社員の声は、求職者にとって最大の関心事です。仕事内容だけでなく

  • なぜこの会社を選んだか?
  • どんなやりがいがあるか?

などを語ってもらうことで、応募者に安心感を与えます。

社員インタビューは、リアルであることが最大の武器です。少し言葉につまったり、飾らない言い方で話したりする方が、かえって信頼されます。逆に、用意された台本を読んでいるような演出は、白々しく映ってしまうので要注意です。

年次や部署のバリエーションを持たせると、多くの求職者に“自分ごと”として響きやすい。
また、新卒・中途・管理職など、視点を変えて構成すると効果的。

③ ドキュメンタリー型(1日密着など)

働く様子をそのまま見せる「1日密着型」も、リアルを求める世代に伝わりやすいスタイル。

勤務中の様子、会議の雰囲気、同僚とのやりとり、オフタイムの表情などが、その企業の“素の顔”を映し出します。

このスタイルは演出が少ない分、企業のありのままが見えます。そのため、ミスマッチを減らす効果があります。一方で、見せ方に工夫が必要です。だらだらと業務を映しても、ただの作業動画になってしまうから、です。撮影や編集のセンスがでます。

特に、営業職やエンジニア職など、業務内容が見えづらい職種ほど、有効な手法です。

④ ブランドストーリー型(情緒に訴える)

こちらは、感情に訴えかける演出で一定の人気があります。

  • CMのような美しい映像やBGM
  • 企業の世界観やビジョンを印象的に描く

ことで、共感や憧れを生む構成です。

特にクリエイティブ系企業やベンチャー企業でよく採用されています。

ただし、映像はきれいでも、実態が見えにくい、です。なので、社員の声や職場映像などと組み合わせるのが理想です。

また、カッコよさやおしゃれ感が出過ぎてもNG。なぜなら、「素敵だけど、なんか自分には合わないかも」と感じさせてしまうから、です。

⑤ 社内イベント紹介型(福利厚生や楽しさを伝える)

社内イベント紹介型(福利厚生や楽しさを伝える)

社内イベントを紹介する動画も、エントリーの決め手になります。

社内イベントの例

  • 社内交流の様子
  • 社員旅行
  • 部活動
  • 入社式

などは、「人間関係が良さそう」「雰囲気が柔らかい」といった印象を持たれやすいです。そのため、リアルさを求める世代にも有効です。

特に、職場の人間関係を重視する層には刺さります。また、入社後の働き方だけでなく“暮らし方”や“人とのつながり”を大事にしたいと考える若年層に対しては、こうした情報の提供が有効です。

ただし、イベントだけを強調するのではなく、職場の魅力を総合的に伝える構成が理想です。

4. 採用動画の作り方と設計のポイント

採用動画を効果的に活用するには、単に映像を作るだけでは不十分です。

大切なのは「誰に」「何を」「どう伝えるか」を明確にし、その目的に沿って設計することです。

この章では、成果につながる採用動画をつくるためのステップを、本音で解説していきます。

① 動画制作の前に決めるべき「目的」と「ターゲット」

最初にやるべきことは、「なぜ動画を作るのか」をはっきりさせることです。

採用活動のどのフェーズに効かせたいのか、ターゲットは新卒か中途か、理系か文系か。これを曖昧なまま制作に入ると、軸がぶれて「結局、何を伝えたい動画なのか分からない」仕上がりになります。

また、ターゲットが変われば伝えるべき内容も変わります。学生なら「働くイメージ」「社風」、中途なら「キャリアアップ」「給与や制度」など、関心のある情報が異なるためです。この段階を曖昧にすると、万人受けを狙ったぼんやりした動画になりがちです。

目的が明確になると、長さや構成、出演者の選定、どこに掲載するかまでが自然に決まってきます。逆に、この設計が甘いと、完成後に「これ、どこで使えばいいの?」といった無駄な動画になりかねません。

② ストーリーボードとシナリオの作り方

設計の次に重要なのが、ストーリーボードとシナリオです。

これは、動画の設計図ともいえる部分で、構成がしっかりしていれば撮影や編集もスムーズになります。ありがちなのが、「現場をざっくり撮って、後でうまくまとめよう」とするケースですが、これはほぼ失敗します。

ポイントは、「起承転結」を意識して情報を整理することです。最初に企業の概要や世界観を見せて、次に社員の働きぶり、最後に視聴者へのメッセージで締める、などの構成が基本です。

また、台本を作る際には、あえてセリフを用意しすぎないことも大切です。社員が台本通りに話すと、どうしても“やらされ感”が出てしまいます。伝えたいポイントだけを共有し、自然な受け答えを引き出す工夫が求められます。

③ リアルさをどう担保するか(社員のリアルな声を使う)

採用動画で最も信頼されるのは「リアルな声」です。

飾った演出やキレイすぎる映像は、かえって求職者に不信感を抱かせることがあります。逆に、照れながらも本音を語る社員の姿は、驚くほど人の心に刺さります。

たとえば、「実は入社前は不安もありました」「忙しい時もありますが…」といった正直な言葉の方が、「毎日やりがいにあふれていて最高です」よりも信頼されるのです。良いことばかりではなく、実情を見せることで、ギャップをなくし、結果的にミスマッチを防ぐことにもつながります。

また、あえて“未編集感”を残した素材も効果的です。スマホでの撮影や現場の音声をそのまま使うことで、「作られた感」のない動画になります。高価な機材やスタジオがなくても、こうしたリアルな素材を活かすだけで、信頼感のあるコンテンツに仕上がります。

④ 応募につなげるCTA設計のコツ

動画の中身が良くても、「次にどうすればいいか」が示されていなければ、応募にはつながりません。

つまり、動画には必ずCTA(Call To Action:行動喚起)を組み込む必要があります。

よくある失敗は、動画の最後がフェードアウトして終わるだけ、というパターンです。これでは、視聴者が何をすればいいのか分からず、せっかくの関心が空中分解してしまいます。

CTAの設計は、動画の目的に応じて変えるべきです。たとえば、説明会への予約を促したい場合は「〇〇日開催の説明会はこちら」、応募を増やしたい場合は「エントリーはこのページから」など、具体的に明示することが大切です。

さらに、スマホでの視聴を前提に、リンクボタンやQRコードを組み込んでおくと、コンバージョン率も上がります。

⑤ 自社制作と外注、どちらがベスト?

動画制作を自社で行うか、外注するかは、予算やリソース、目的によって判断が分かれます。

自社制作のメリットは、低コストでリアルな素材が使えること。社員の顔が出ることで親近感も出やすく、等身大の企業像を伝えられます。

ただし、撮影・編集・構成のスキルが社内にないと、手間の割にクオリティが上がらないというリスクもあります。動画に慣れていない人が無理に作ると、かえってブランドイメージを損なう可能性もあるため注意が必要です。

一方、外注のメリットは、プロの手で見やすく、印象的に仕上げてもらえることです。ヒアリングから構成・撮影・編集まで任せられるので、制作に慣れていない企業でも安心です。ただし、制作会社によって得意・不得意があるため、実績や過去の事例を必ず確認しましょう。

予算や体制に応じて、まずは「短いインタビュー動画だけ社内で作る」など、ハイブリッドな進め方も選択肢になります。

5. 採用動画の費用感と外注の検討ポイント

採用動画を検討する際、多くの企業が最初に気にするのが「いくらかかるのか」という点です。

動画制作は予算次第でいくらでも豪華にできますが、大切なのは「目的に対して適切なコストかどうか」です。

この章では、費用の相場からコストを抑えるコツ、さらに外注の判断基準まで、実際に導入を検討するうえで役立つ情報を整理していきます。

① 採用動画の制作費用の相場とは?

採用動画の費用は、内容や撮影日数、編集の複雑さによって大きく変わります。

以下は、一般的な相場感です。

スクロールできます
動画タイプ概算費用内容の特徴
シンプルなインタビュー動画10〜30万円社員1〜2名のインタビュー+簡易編集
ストーリー性のある紹介動画30〜80万円ナレーション、構成演出あり、BGMやテロップも充実
ブランドムービー(プロ制作)100万円以上撮影日数複数、ドローンや特殊効果など、本格的な映像制作
(費用はすべて税込表示)

このように、動画の内容によって費用は大きく異なります。

注意すべきは、「高いから良い動画」「安いからダメな動画」ではなく、「目的とターゲットに合っているか」がポイントです。

また、制作会社によっても価格帯にばらつきがあるため、必ず複数社から見積もりを取って比較検討することが重要です。

② 費用を抑えつつ効果を出す方法

コストを抑えながら効果を出す方法はいくつかあります。

まず、すべてを外注せず、社内で一部を対応する「ハイブリッド型」が効果的です。たとえば、社員インタビューの撮影は社内で行い、編集だけプロに任せるだけでも、費用は大幅に削減できます。

また、動画の本数を増やすよりも、1本を複数用途に使いまわす工夫も有効です。たとえば、会社説明会用の動画を短く編集し直せば、SNSや求人サイトにも展開可能です。このように、1回の投資で複数の効果を狙える「再利用設計」は非常に重要です。

さらに、初めて動画を導入する場合は、「お試し制作」を受け付けている制作会社を利用するのも手です。価格を抑えたパッケージプランを提供している会社もあるため、初期投資としては現実的です。

③ 外注先を選ぶポイントと注意点

外注先を選ぶ際に重要なのは、「採用動画の実績があるかどうか」です。

どれだけ映像技術が高くても、企業の採用ニーズを理解していなければ、求職者に響く動画にはなりません。実績のある会社なら、構成提案やターゲット分析もサポートしてくれるケースが多く、安心して任せることができます。

また、過去の制作事例は必ずチェックしましょう。自社と似た業界・規模の企業があるかどうかも重要な判断基準です。クオリティの高い動画でも、あまりにスタイリッシュすぎて「うちには合わない」と感じるようであれば、再検討した方がいいでしょう。

注意点として、契約前に「著作権の扱い」や「修正回数の上限」なども必ず確認してください。あとから追加費用が発生することもあるため、見積書と仕様書の内容をよく読むことがトラブル防止につながります。

④ 自社制作でやる場合に必要なツールと人材

社内で動画を作る場合、最低限必要なのは

  • 撮影機材(スマートフォンでも可)
  • 簡単な編集ソフト(たとえばCanvaやCapCutなど)
  • 構成力を持つスタッフ

です。機材については高価なカメラは、必要ありません。明るい場所なら、スマホで十分です。

ただし、編集や構成を社内でまかなう場合、ある程度のクリエイティブスキルが求められます。ナレーション、テロップ、BGMの挿入など、視聴者を飽きさせない工夫ができる人材がいれば、十分に自作も可能です。

最近では、AIで自動編集できるクラウドツールや、テンプレート付きの採用動画作成サービスも増えており、コストを抑えつつ見栄えのする動画を作るハードルは格段に下がっています。

自社制作は「手軽さとスピード」が魅力ですが、採用の“顔”になるコンテンツであることを忘れず、一定のクオリティは保つよう心がけましょう。

6. 成功している企業の採用動画事例

採用動画で、気になるのは「実際に成果を出している企業はどうしているのか?」という点ではないでしょうか。

なぜなら、成功事例には多くのヒントが詰まっているから、です。

この章では、話題になった企業の採用動画から中小企業の効果的な事例を分析します。

① 大手企業の採用動画事例(例:博報堂、JINSなど)

大手企業の中には、ブランディングと採用を両立させた動画で注目を集めている例が多くあります。

たとえば、博報堂の新卒採用動画は、ドキュメンタリー風の映像に、社員の本音の声を織り交ぜる構成が特徴です。「広告会社の派手さ」だけでなく、地道な仕事や悩みもしっかり描かれており、Z世代からの共感を得ました。

また、JINSの採用動画は、社員の働く姿をカット割りでテンポ良く見せることで、スピード感と成長環境を表現しています。若手社員の“リアル”を前面に出したことで、「自分にもできそう」と思わせる構成になっているのが成功の鍵です。

これらの企業に共通しているのは、演出の派手さよりも“共感”を重視している点です。映像が美しくても、それだけでは求職者の心は動かない。それをよく理解した設計になっています。

② 中小企業でも成功した事例

採用動画は、決して大企業だけの武器ではありません。

むしろ、中小企業こそ「知られていない」ハンデを補う手段として、動画の効果は絶大です。

たとえば、地方のIT企業が制作した社員インタビュー中心の採用動画は、ナレーションも演出もなく、淡々と社員が話すだけの構成でした。にもかかわらず、「こんなに落ち着いた雰囲気の職場だと思わなかった」との声が多く、応募者が倍増したと言います。

別の事例では、町工場が社長の素朴なメッセージを中心に構成した動画が、SNSで話題に。派手な演出は一切なく、工場の音や機械の動く様子、社員の働く後ろ姿だけを映した2分間の動画でした。ところが、「誠実さが伝わってくる」としてエンゲージメントが高まり、求人への問い合わせが急増したのです。

このように、中小企業は“作り込みすぎないこと”がむしろ強みになります。飾らず、等身大の企業像を見せることが、最大の差別化につながるのです。

③ 成功事例に見る「差がつく」ポイント

成功した企業の採用動画には、いくつかの共通点があります。

第一に、「誰に向けて作っているか」が明確であること。ぼんやりとしたターゲットではなく、「20代の理系学生」「Uターン希望者」など、具体的な層を想定した設計になっていることが多いです。

次に、「本音」が出ているかどうか。カッコつけた内容より、むしろ“弱み”や“課題”をオープンにしている動画の方が信頼されやすいのです。これは、誤魔化しのない企業姿勢そのものが、求職者にとって重要な評価軸になっている証拠です。

そして、「最後のひと押し」になるCTAの設計が丁寧であること。せっかく興味を持ってくれた視聴者に対して、説明会参加やエントリーに導く導線が明確に設計されています。感情を動かした後、すぐに行動に移れるかどうかで、成果は大きく変わります。

動画そのもののクオリティよりも、「何を伝えたいかがブレていないこと」「ターゲットに向けた適切な表現をしていること」こそが、成功の鍵なのです。

④ 失敗しやすい例とその回避策

一方で、採用動画でよくある失敗も紹介しておきます。

まず多いのが、“おしゃれすぎて何を伝えたいか分からない”というケース。ブランドムービー風に仕上げたものの、求職者が「で、何の会社?」と感じてしまうと逆効果です。

また、“社員の声”がすべて台本通りで、リアリティが欠けている動画も不信感を生みます。作り手が意図したメッセージが強すぎると、かえって視聴者との距離を感じさせてしまいます。

さらに、“長すぎる”のも失敗ポイントの一つです。採用動画は5分以内、できれば2〜3分が理想です。長くなる場合は、セクションを分けるなど、視聴のハードルを下げる工夫が必要です。

こうした失敗を防ぐには、「目的から逆算して構成する」「第三者の意見を入れてチェックする」「動画が完成する前に方向性をすり合わせる」といった基本的なプロセスを丁寧にこなすことが何より重要です。

7. 採用動画の活用と運用のコツ

採用動画は「作って終わり」では意味がありません。

むしろ、制作後の活用と運用こそが成果を左右します。いくら良い動画を作っても、届くべき人に届かなければ採用効果にはつながりません。

この章では、作成した動画をどう活かし、どう継続的に運用すべきかを実践目線で解説します。

① SNSやWebサイトでの拡散方法

まず、採用動画の効果を最大化するには「どこで誰に届けるか」が鍵です。

YouTubeにアップするだけでは不十分で、採用サイトやコーポレートサイト、求人媒体、SNSなど多くのチャネルで露出することが重要です。

特にZ世代をターゲットにするなら、InstagramX(旧Twitter)TikTokなど動画中心のSNSは外せません。YouTubeにフルバージョンをアップし、そのダイジェストを30秒〜1分に編集してSNSで展開するなど、プラットフォームごとの最適化が必要です。

ポイントは「ただ載せる」だけではなく、「投稿文にも工夫する」こと。動画の内容を簡潔に説明したり、動画内の印象的なセリフを引用したりすることで、視聴への導線が生まれます。

また、SEO効果を狙うなら、採用ページに動画とテキスト情報を組み合わせるのも有効です。検索経由での流入とSNS流入を両立させれば、接点は何倍にも増えていきます。

② 求人媒体との連動活用

採用動画は、求人情報との連動で初めて効果を発揮します。

求人票だけでは伝わりにくい“社内の雰囲気”を、動画が補う形で活用できるからです。

たとえば、Wantedlyやマイナビなどの求人媒体に、動画を直接埋め込める機能がある場合は、必ず活用しましょう。視覚的なインパクトが加わることで、閲覧者の記憶に残りやすくなります。

また、応募前の「不安」を解消するツールとして動画は非常に有効です。応募率が低い職種や地域に関しても、動画で“人柄”や“空気感”を伝えることで、応募のハードルを下げることができます。

さらに、説明会や面接時に動画を活用することで、言葉では伝えにくい情報を視覚的に補完できます。面接の最中に動画を見せることで、共通認識が生まれ、深い対話につながるケースもあります。

③ 効果測定と改善サイクルの作り方

動画は一度作って終わりではありません。

「どれくらい再生されたか」「最後まで見られているか」「視聴後の応募行動はどうか」といった効果測定を必ず行い、改善を重ねることが大切です。

YouTubeやSNSには、無料で使える分析ツールがあります。再生回数だけでなく、視聴維持率(どこで離脱されているか)をチェックすることで、「伝え方が適切か」「動画の長さは適正か」といった見直しができます。

さらに、応募者に対して「動画を見てどう思ったか」をアンケートで聞いてみるのも有効です。想定と違う印象を与えていた場合、構成やトーンの調整が必要かもしれません。

改善のポイントは、「動画そのものを作り直す」よりも、「見せ方を変える」「別バージョンを作る」といった柔軟なアプローチです。ときには2本目・3本目の制作が、新しい層の開拓につながることもあります。

④ 一度作って終わりにしない「更新」の重要性

採用動画には“鮮度”があります。

数年前の動画をそのまま使っていると、社員の顔ぶれが変わっていたり、オフィスが移転していたりして、現実とのギャップが生まれます。それを見た求職者が「今もこの雰囲気なのか?」と不安を抱くこともあります。

だからこそ、動画の更新は必要です。毎年撮り直す必要はありませんが、最低でも2〜3年に一度は内容を見直すべきです。また、特定の社員に依存した動画構成は避け、複数人に出演してもらうことで、退職リスクにも備えられます。

さらに、最新の取り組みや社内イベントなどを追加素材として発信することで、企業の“今”を伝え続けることができます。これにより、「常に変化・成長している会社」という印象も与えることができるのです。

採用活動は“情報戦”です。動画はその最前線にある武器であり、同時に“信頼づくり”のためのコンテンツでもあります。作って満足せず、運用まで含めて設計できれば、採用の成果は着実に変わってきます。

採用動画で応募が変わる|まとめ

採用動画は、単なる「おしゃれな紹介映像」ではありません。

企業の本質を“視覚と言葉”で伝える、採用戦略の中核になり得るツールです。大切なのは、目的を明確にし、ターゲットに合わせてリアルな情報を届けること。そして作った後の運用まで見据えることです。

この記事を通して、自社にとって最適な採用動画の形が少しでも明確になったのなら幸いです。

時代は変わりました。

紙と写真だけでは届かない“本当の魅力”を、動画でしっかり伝えていきましょう。

>> 企業紹介動画とは?効果・種類・作り方・費用を徹底解説!

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

動画映像制作|企業動画|Youtube動画制作運用代行|ドキュメンタリー動画の情報を公開中!

採用動画で応募が変わる|Z世代に刺さる動画戦略と成功事例

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次