インタビュー動画とは?
最近よく、インタビューが中心の動画を見るけど、うちの会社でも取り入れるべき?
そんな疑問を持つ企業担当者の方は少なくありません。実際、採用やブランディング、商品紹介まで、インタビュー形式の動画はさまざまな場面で活用されています。
そこで今回の記事では
今回の記事でわかること
- 具体的にどんな種類があるのか
- どう作ればいいのか
- 何に注意すべきなのか
- 具体的な活用方法
- 作り方と注意点まで、
について、わかりやすく解説します。
導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。
1. インタビュー動画とは?まずは基本を押さえよう
インタビュー動画は、企業活動やサービス紹介に欠かせない存在になりつつあります。
でも、「単なるインタビューの映像でしょ?」と思う方も多いはず。
この章では、インタビュー動画の定義から、企業がなぜ活用するのか?他の動画との違い、そして活用シーンを解説します。
① インタビュー動画とは?
インタビュー動画とは、ある人に対して行う「質問と回答」を映像で記録したコンテンツです。
企業や組織では、社長、社員、顧客、ビジネスパートナーなどを対象に撮影されることが一般的です。
目的は主に「信頼の獲得」と「人となりの可視化」です。
文章では伝わりにくいニュアンスや雰囲気も、動画なら一目で伝わります。これは大きな強みです。
視聴者に「この人、信頼できそう」「リアルな声が聞けて安心」と思わせる力があります。
② 企業がインタビュー動画を活用する理由

企業がインタビュー動画を使う最大の理由は「リアルな声が最も説得力を持つ」からです。
たとえば、採用活動においては、実際に働いている社員の声を届けることで、求職者にリアリティを持って働くイメージを伝えることができます。
また、顧客の体験談を使った動画は、商品やサービスの価値を客観的に証明してくれます。文字だけのレビューよりもはるかに影響力があります。
さらに、動画はSEO対策としても効果的です。Googleは動画コンテンツを評価します。ユーザーの滞在時間が伸びやすく、結果的に検索順位にも好影響を与えるのです。
ただし、安易に作ると「よくある動画」で終わってしまいます。
③ 従来の動画とどう違う?特徴を比較

従来のプロモーション動画は、ナレーションと映像で演出する形式が主流でした。
つまり、企業側が伝えたいメッセージを脚本化し、一方的に伝える形です。一方、インタビュー動画は「語り手が自分の言葉で話す」ことが中心になります。演出よりも「リアルさ」や「誠実さ」を重視する点が大きな違いです。
以下に、従来型とインタビュー動画の特徴を比較した表をまとめました。
項目 | 従来型動画 | インタビュー動画 |
---|---|---|
メッセージ | 企業主導 | 話し手主導(本人の言葉) |
印象 | 作り込まれている | 自然でリアル |
目的 | イメージの統一 | 信頼感・共感の獲得 |
制作スタイル | 台本重視 | 質問形式で進行 |
適している場面 | ブランド訴求 | 採用、口コミ、社内紹介など |
どちらにも良さはありますが、「信頼を得たい」ならインタビュー動画が最適です。過度な演出は逆効果になることもあります。
④ どんなシーンで使われているのか?事例で紹介

インタビュー動画は、実に多彩な場面で活用されています。
代表的なのは「採用サイト」や「企業紹介ページ」です。社員の本音や職場の雰囲気を伝えることで、応募者に安心感を与えます。
また「顧客インタビュー」は、商品やサービスの信頼性を高めるために重要な武器です。たとえば医療機関や不動産業界など、高額かつ信頼が重視される業種では特に効果的です。
さらに、「社内教育」や「事例紹介資料」としても利用されています。マニュアルよりも親しみがあり、理解が深まりやすいのが特徴です。
2. どんな種類がある?インタビュー動画のタイプ別ガイド
一口にインタビュー動画と言っても、実はそのタイプはさまざまです。
話す人、話す内容、目的によって、まったく違った印象を与えます。
どんな種類があるのかを理解しておけば、自社に合った動画の方向性が見えてきます。この章では、代表的なインタビュー動画のタイプを詳しく紹介します。
① 顧客インタビュー:信頼感アップの王道

顧客インタビューは、「商品やサービスの良さ」をユーザーの声で伝える動画です。
第三者の声は、企業自身の宣伝よりはるかに信頼されます。特に高単価商品や無形サービスなど、購入に慎重になる商材では強い効果を発揮します。
例えば、コンサルティングや歯科医院などでは、利用者のリアルな体験談が不安を取り除く材料になります。営業がどれだけ説明しても伝わらなかった価値が、一発で理解されることもあります。
注意点:実際の顧客に出演をお願いするためには、信頼関係が前提です。顔出しに抵抗を持つ人も多いため、事前の確認や配慮が必要です。また、ただ「よかった」と言ってもらうだけでは効果が薄く、ストーリー性を持たせる構成が欠かせません。
② 社員インタビュー:採用やブランディングに活用
社員インタビューは、主に採用シーンや社内ブランディングに活用されます。
入社理由や働くやりがい、職場の雰囲気などを語ってもらうことで、会社のリアルな姿を届けられます。
特に若手社員の声は、新卒や20代求職者への影響が大きいです。就活中の学生は「自分と似た立場の人がどう感じているか」に強く共感するからです。
③ 経営者インタビュー:ビジョンや姿勢を伝える
経営者インタビューは、企業の価値観や未来への展望を語る動画として活用されます。
特に中小企業やスタートアップでは、「この人が率いているなら安心」と思わせることで、信頼の土台が築けます。
採用だけでなく、営業や資金調達の場面でも力を発揮します。投資家や取引先にとっては、数字以上に「誰がどんな想いでやっているのか」が大きな判断材料になります。
ただし、経営者の話が長すぎたり、抽象的すぎると、視聴者は離れてしまいます。具体的なエピソードや苦労話を交えたほうが、ぐっと共感を得やすくなります。
④ 座談会・密着型など変化球も効果的
近年では、複数人で語る座談会形式や、1日に密着したドキュメント風のインタビューも人気です。
単調になりがちな1対1のインタビューとは違い、より動きがあり、視聴者を引き込む力があります。
たとえば、部署ごとの座談会では、日常のリアルな会話が垣間見え、「この会社、雰囲気よさそう」と感じてもらえます。また、密着型では、働く姿と語りを組み合わせることで、説得力が格段に増します。
3. インタビュー動画の作り方:初心者でもわかる3ステップ
インタビュー動画を作ってみたい。でも、何から始めていいかわからない。
そんな方は少なくありません。
そこで、この章では、企画から編集までの3ステップを、初心者でも実行できるように丁寧に解説します。また、外注と内製の違いについても、メリット・デメリットを正直にお伝えします。
① 企画フェーズ:目的設定と質問作成がカギ
すべての動画は、企画から始まります。
ここでの最大のポイントは「何のために、誰に向けて作るのか」を明確にすることです。目的がぼやけたまま進めてしまうと、結果的に「何が言いたいのかわからない」動画になってしまいます。
たとえば、「採用向け」ならば、求職者が気になる点を拾った質問が必要です。また「顧客紹介」ならば、購入前の不安や解決された悩みを引き出す質問を準備すべきです。
そのため、質問リストは事前にしっかり作っておきましょう。
② 撮影フェーズ:機材、話し方、カメラワークの基本
撮影では「画質と音質」が命です。
画質はスマホでも最近の機種であれば十分です。が、音声がクリアでなければ視聴者は離れます。最低でもピンマイクの使用をおすすめします。
話し方も重要です。緊張して表情が固くなってしまうのはよくあることですが、事前に「リラックスできるような雑談」を入れるだけでも大きく違います。カメラはできるだけ目線の高さに設置し、相手の目を見るように話してもらうと自然な印象になります。
撮影のチェックポイント
- 背景が散らかっていないように
- 照明が暗くないかをチェック
- 間延びしないように要点をつかんでテンポよく
③ 編集フェーズ:伝わる動画に仕上げるコツ
編集では、「わかりやすさ」と「テンポ」が鍵です。
まず、不要な沈黙や言い直し部分をカットするだけでも、見やすさが一気に向上します。そのうえで、テロップや字幕を入れておくと、視聴者の理解が深まります。スマホ視聴が主流の今、音を出せない環境でも伝わることが大事です。
BGMや効果音は、過剰にならない程度に。話の邪魔にならないよう、雰囲気を補完する程度に抑えるのがポイントです。
また、動画の冒頭数秒で視聴者を引き込む構成にするのも重要です。
④ 外注と内製、どちらを選ぶべき?
動画制作には「自社で作る」か「外注する」かの2つの選択肢があります。どちらにもメリット・デメリットがあります。
項目 | 内製 | 外注 |
---|---|---|
コスト | 安価(人件費内で収まる) | 高額(10万~50万円程度) |
クオリティ | 機材や技術に依存 | 安定して高い |
スピード | 自社のペースで進められる | 依頼~納品に時間がかかる |
柔軟性 | 撮り直しがしやすい | 修正回数に制限あり |
初心者の場合、まずはスマホと無料編集ソフトで「内製」してみるのが現実的です。
社内にノウハウがない、あるいは短期間で高品質を求めるなら「外注」がベストです。どちらにせよ、目的とリソースに応じて最適な方法を選ぶことが成功への第一歩です。
4. どこで活用する?インタビュー動画の使い道
インタビュー動画を作ったら、それをどう活用するかが成功のカギになります。
どんなに良い内容でも、見られなければ意味がありません。そして、使い道によって構成や演出の方針も変わってきます。
この章では、企業がインタビュー動画を実際にどう活用しているのか、主なパターンとその特徴を紹介します。
① 採用ページ・会社紹介動画として
最もよく使われているのが「採用サイト」です。
社員インタビューを掲載することで、社風や働き方をリアルに伝えることができます。特に若年層の求職者は、文章よりも動画からの情報を信頼する傾向があります。
また、会社紹介の動画としても効果的です。経営者のインタビューを冒頭に配置し、社員の声や働く様子を盛り込む構成は、企業理解を深めるうえで非常に有効です。文字だけでは伝わらない“空気感”を届けられるのが動画の強みです。
ただし、演出が過剰になると「やらせ感」が出てしまい、逆に信頼を損なう危険があります。あくまで「自然体」であることが、採用動画における最大のポイントです。
② 商品・サービスの信頼性を高めるために
顧客インタビューは、商品・サービスの価値を証明する最も効果的な手段です。
自社がどれだけメリットを説明しても、やはり実際の利用者の言葉のほうが強く響きます。
特に高単価やBtoB商材の場合、導入事例としてのインタビュー動画は営業ツールとしても機能します。商談の際に「この動画をご覧ください」と見せるだけで、信頼度が一気に高まることも少なくありません。
とはいえ、出演してもらえる顧客を見つけるのは簡単ではありません。契約上の制約や、企業イメージとの整合性など、事前の調整が必要になります。そのため、最初から“広報協力の可能性がある顧客”を選んで育てていくことも重要な戦略です。
③ 社内広報・研修にも効果的
外部向けだけがインタビュー動画の用途ではありません。
最近は社内広報や研修ツールとしても活用が広がっています。たとえば、新入社員向けに先輩のインタビューを見せることで、入社後のイメージ形成をサポートできます。
また、経営陣からのビジョン共有や、新しい制度の導入背景を語ってもらうなど、内部コミュニケーションにも有効です。文字の社内報よりも伝わりやすく、反応率も上がりやすいです。
ただし、社内向けの場合でも“おざなりな動画”では逆効果です。社員は演出を見抜く力を持っています。真剣な想いと内容が伝わるインタビューこそが、社内の共感を得る鍵となります。
④ SNSやYouTubeでの配信事例
YouTubeやInstagramなど、SNSでの動画配信も一般的になってきました。
インタビュー動画は、短く編集してSNSに適した形にすることで、多くの人に届けることができます。
たとえば、イベント登壇者のコメントをショート動画にしたり、社員の一言をリールにしたりと、工夫次第で活用の幅は広がります。検索流入だけに頼らず、フォロワーとのエンゲージメントを高める手段としても有効です。
ただし、SNS用動画は「テンポのよさ」と「視覚のインパクト」が求められます。テレビのCMに近い感覚で、最初の数秒で引き込めなければスキップされてしまいます。インタビューだからといって冗長な編集は禁物です。
5. インタビュー動画のメリットと注意点
インタビュー動画には、他の手法にはない強みがあります。
しかし、良い点ばかりを並べても現実的ではありません。どんなに優れたツールでも、運用を間違えれば逆効果になることもあります。
この章では、インタビュー動画の代表的なメリットと、意外と見落とされがちな注意点について、実際の現場でよくあるケースも踏まえてお伝えします。
① メリット:信頼性、説得力、SEO効果
インタビュー動画の最大のメリットは「信頼性の高さ」です。
企業がどれだけ良いことを言っても、やはり当事者のリアルな声にはかないません。第三者の声は、もっとも説得力のある証言です。
また、視聴者にとっても「顔が見える」安心感があります。特に経営者や社員の表情、声のトーン、しぐさなど、文字では伝えきれない情報が動画には詰まっています。
さらに、SEO効果も見逃せません。Googleは動画コンテンツを評価対象としています。検索結果に動画が表示されるだけでなく、サイトの滞在時間が伸びることで、検索順位にも良い影響があります。
つまり、信頼+共感+検索対策。この3つを同時に狙えるのが、インタビュー動画の大きな強みと言えます。
② 注意点:撮影・編集にかかる手間とコスト
一方で、インタビュー動画には確実に「手間とコスト」がかかります。
撮影準備から編集まで、時間も労力も必要です。たとえば、10分のインタビュー動画を作るだけでも、企画・撮影・編集を含めて数日〜1週間は平気でかかります。
さらに、プロに依頼すれば10万円以上の費用が発生するのが一般的です。クオリティにこだわるほど、必要な機材や編集技術も高くなります。
また、撮影環境が整っていないと、せっかくの内容が伝わらないこともあります。たとえば、音が反響して聞き取りづらかったり、照明が暗くて顔が見えなかったり。小さなミスが、動画の印象を大きく損なうことにつながります。
つまり、気軽に始めるにはハードルがあるというのも、正直なところです。
③ 失敗しないためのチェックポイント
失敗を避けるためには、事前の準備がすべてです。
インタビューの前に、話してほしい内容の「軸」を明確にしておくこと。そして、撮影当日は必ず音声や映像のテストを行うこと。これを怠ると、取り直しが効かず、後悔することになります。
編集では、長すぎる素材を無理に詰め込まないことも重要です。むしろ、要点に絞った5分以内の動画のほうが、見られやすく、印象にも残りやすい傾向があります。
あとは、「伝わったかどうか」を第三者に確認してもらうこと。作った本人だけで判断すると、思い込みが入りやすくなります。視聴者目線を取り入れることで、完成度が一段上がります。
④ 成功するインタビューの共通点とは?
成功しているインタビュー動画には、いくつかの共通点があります。
まず、「話している人が本音で話している」こと。これは映像を見ればすぐに伝わります。つくられた言葉ではなく、自分の言葉で語っているかどうかが大きな違いを生みます。
次に、「話す内容が具体的である」こと。抽象的な表現では印象に残りません。実体験やエピソードを交えることで、共感が生まれ、信頼も高まります。
そして、「編集がシンプルで無駄がない」こと。テロップやBGMも最低限に抑え、話の邪魔をしない。映像の主役はあくまで“話している人”であることを忘れてはいけません。
インタビュー動画の良し悪しは、技術やお金よりも「伝える意志と構成の工夫」にかかっています。本気で伝えたい想いがあれば、たとえ機材が簡素でも、心を打つ動画になります。
6. インタビュー動画とは?まとめ
インタビュー動画は、ただ話している様子を撮るだけのコンテンツではありません。
その人の言葉や想い、表情までが「企業の価値」となり、見る人の信頼や共感を呼び起こす力があります。
もちろん、制作には手間もコストもかかります。しかし、その分だけ得られる効果も大きいのが、インタビュー動画の特徴です。目的を明確にし、相手の魅力を引き出す企画・編集さえできれば、誰でも“伝わる動画”を作ることは可能です。
まずは社内のインタビューからでもOK。小さく始めて、少しずつ社外にも展開していけば、自然と動画活用の幅も広がっていくはずです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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