モーショングラフィックって、名前は聞くけど実際どんなもの?作れるようになったら、どんな場面で役立つの?
そんな疑問を抱えている方はいませんか?
というわけで、今回の記事は
今回の記事でわかること
- モーショングラフィックとは何か?
- 実際の活用シーン
- 制作に必要なソフト
- モーショングラフィックの学習法
などをご紹介します。
これからスキルを身につけたい方、仕事に活かしたい方、あるいは趣味で始めてみたい方まで、幅広く参考になる内容にです。
読わる頃には、「自分にもできそう!」と感じてもらえるはずです。

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。
1. モーショングラフィックとは?基礎知識と魅力を解説
最近、SNSやYouTubeでよく見かける“動くグラフィック”に注目が集まっています。
これがいわゆる「モーショングラフィック」です。単なる映像でもなく、イラストや文字を動かして視覚的に訴えかけるこの技法は、広告や教育、プレゼン資料など幅広く活用されています。
ただ、モーショングラフィックと聞いても、「アニメーションとの違いは?」「どこで使われてるの?」と疑問に思う方も多いはず。そこで本章では、そもそもモーショングラフィックとは何か、その特徴や活用シーン、なぜ今注目されているのかを深掘りしていきます。
①モーショングラフィックとは?

モーショングラフィックとは、文字や図形、イラストなどのグラフィック要素に動きを加えて、情報や感情を視覚的に伝える表現方法です。アニメーションの一種ではありますが、キャラクターの演技などを中心としたアニメとは違い、もっと情報的・グラフィック寄りな目的で使われるのが特徴です。
具体的には、企業のロゴがシュッと出てきたり、プレゼン資料のグラフがスルッと動いたりするあの感じです。静止画に動きが加わるだけで、伝わる情報量がグッと増えますし、見る人の印象にも残りやすくなります。
ただし、いいことばかりではありません。やりすぎると「うるさい」「くどい」と感じられることもありますし、センスが問われる部分でもあります。だからこそ、必要な情報を必要なタイミングで、的確に動かす技術が求められます。
②モーショングラフィックと実写動画の違い

モーショングラフィックは、静止画でもなく、実写動画とも違います。あくまで「グラフィック要素に動きをつける」点が最大の違いです。
静止画は一目で情報を伝えるのに適していますが、複雑な内容やストーリーを伝えるには不向きです。一方、動画は時間軸があるのでストーリーを伝えるのに強いですが、尺が長いと離脱されやすいデメリットがあります。
モーショングラフィックは、その中間の存在です。静止画のような分かりやすさと、動画のような動きの魅力を兼ね備えています。しかも、ナレーションや実写を使わなくても、視覚情報だけで完結するケースも多く、手軽に印象を残せるのが大きな利点です。
ただし、扱い方を間違えると「ただ動いてるだけの無意味な映像」になってしまうこともあるため、目的や設計が大事です。
③モーショングラフィック|使われる場面(広告・SNS・教育など)
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モーショングラフィックが使われる場面は、意外と多岐にわたります。特に目立つのは広告業界で、15秒のWebCMやSNS動画の中で、文字やイラストが動くだけで目を引くので非常に重宝されています。
また、教育や研修動画でも活躍しています。例えば、難しいビジネス用語を文字+動きで説明すれば、理解しやすくなりますし、記憶にも残りやすくなります。最近では、YouTubeの解説系チャンネルでもよく見かけますよね。
下の表に、主な活用シーンとその目的を整理しました。
活用シーン | 目的や効果 |
---|---|
Web広告・SNS | アイキャッチ効果、短時間で訴求力UP |
教育コンテンツ | 情報の視覚化で理解度・記憶力向上 |
プレゼン資料 | 伝えたいポイントの強調、興味を惹く |
UI/UXアニメーション | 操作誘導、ユーザー体験の向上 |
つまり、モーショングラフィックは「分かりやすく、伝わりやすくする」ための便利なツールなんです。ただし、やりすぎは逆効果になることも。あくまで“補足的に動く”のが理想です。
④モーショングラフィック|現在のトレンド

今、モーショングラフィックが注目されている最大の理由は、「視聴者の集中力が下がっているから」です。SNSや動画コンテンツがあふれる中で、パッと見て「おっ!」と思わせる表現が求められています。
その点、モーショングラフィックは非常に効率が良いんです。短い時間で情報を届けられるうえ、視覚的にインパクトがあるからです。特にTikTokやInstagramのリール動画では、冒頭2秒で勝負が決まるとも言われており、その“掴み”として活用されるケースが増えています。
また、制作環境が進化してきたことも大きな理由です。昔は専門スキルが必要だったアニメーション制作も、今はテンプレートや簡単なソフトで誰でも触れる時代になりました。だからこそ、デザイナーだけでなく、広報担当や個人クリエイターも積極的に使い始めています。
ただし、流行っているからと言って誰でも簡単に「うまく見せられる」わけではありません。動きの緩急、タイミング、デザインセンス…総合力が求められる世界です。だからこそ、今後も需要は伸び続けますが、“量産型”の表現との差別化がカギになります。
2. どこで使われている?モーショングラフィックの活用事例
「モーショングラフィックって、どんな仕事や場面で使われているの?」という疑問は多いと思います。結論から言うと、使われていない業界を探す方が難しいくらい、幅広いシーンで活用されています。
そしてその理由は、「短時間で伝える力」が非常に強いからです。複雑な内容でも、グラフィックに動きを加えることで、スッと理解させたり、グッと印象を残すことができるんですね。だから、広告や教育、営業、UIデザインなど、場面に応じて形を変えながら活用されているのです。
とはいえ、現場のリアルな使われ方を知らないと、想像がつきづらいのも事実。ここからは、実際にモーショングラフィックがよく使われている代表的な場面について、具体的にご紹介していきます。
モーショングラフィック例 ①企業のブランディングやPR動画
企業のロゴがアニメーションと共に表示されたり、製品紹介の映像にグラフィックが浮かび上がる演出。これらはすべて、モーショングラフィックが使われている例です。
ブランディングにおいては、静止画だけでは伝えきれない“企業の世界観”や“勢い”を演出するために、動きが加えられることが増えています。特にスタートアップ企業やIT系サービスでは、「最先端感」や「スマートさ」を出すために積極的に採用されています。
とはいえ、やたら動かせばいいわけではありません。動きがチープだったり、情報過多だったりすると逆効果になることもあるので、質とセンスが求められる分野でもあります。
モーショングラフィック例 ②WebサイトやアプリのUI演出
モーショングラフィックは、WebやアプリのUI/UXにも欠かせない存在になりつつあります。ページをスクロールした時に文字が浮かんだり、ボタンを押すとアイコンが軽く跳ねたりするあの演出。あれも実はモーショングラフィックの一種です。
こういった細かい動きは、操作性を高めたり、ユーザーの行動を自然に誘導したりする効果があります。しかも、ただ便利というだけでなく、ブランドの個性や遊び心を表現する場としても活用されています。
ただ、演出が過剰になると読み込みが遅くなったり、操作が煩雑に感じられるデメリットもあるため、「体感として心地よい範囲で」というバランス感覚が非常に重要です。
モーショングラフィック例 ③教育・Eラーニング用コンテンツ
教育現場でも、モーショングラフィックの力は絶大です。
実際、金融や医療、不動産など、専門性の高い業界では「テキストだけだと伝わらない」「実写はコストが高い」という理由から、モーショングラフィックによる動画教材が重宝されています。
もちろん、すべてをアニメーションにするのは手間もコストもかかります。ただ、一度作れば何度でも使える「資産」として残せるため、教育系コンテンツと相性が良いのは間違いありません。
モーショングラフィック例 ④プレゼン資料や社内研修映像
地味ですが、モーショングラフィックの“裏の主戦場”がここです。社内向けのプレゼン資料や研修動画、営業資料など、説得力を持たせたい資料での活用が増えています。
たとえば、売上グラフをただ見せるのではなく、数字がアニメーションで立ち上がっていく構成にすれば、インパクトも違います。退屈になりがちな社内説明も、動きを入れることでグッと視聴率が上がるという声も多いです。
ただ、「やりすぎて気が散った」というケースもあるので、あくまで目的は“伝えること”。自己満足で終わらない設計が大事ですね。
3. モーショングラフィックの作り方と制作ステップ
モーショングラフィックを見て「かっこいい!自分も作ってみたい!」と思ったことがある方も多いと思います。でも、何から始めればいいのか分からない…。ってことはありませんか?
でも安心してください。
モーショングラフィックスは一見複雑に見えますが、ちゃんと段階を踏んでいけば、初心者でも着実に作れるようになります。
①企画・目的の明確化
最初にやるべきことは、「何のために作るのか」をはっきりさせることです。ここがブレると、作業が迷走しますし、見せたいポイントもぼやけてしまいます。
例えば、企業紹介動画なのか、商品の説明なのか、あるいはYouTubeでバズらせたいのか。目的によって構成も演出も大きく変わります。ターゲット層や尺の長さもここで決めておくべきです。
正直、ここをサボってしまう人は多いです。でも、プロはこの段階で一番時間をかけます。それぐらい大事なステップなんです。作りながら考えるスタイルでは、いいものはまずできません。
②構成・ストーリーボードの作成
目的が決まったら、次にやるのは“構成”です。ここでは動画全体の流れを決めます。冒頭のつかみ、中盤の説明、最後の締め——この三部構成を意識すると、伝わりやすい動画になります。
そして、ストーリーボード(絵コンテ)を描いて、どのシーンにどんな動きを入れるかをイメージします。絵が苦手でも大丈夫。ざっくりでもいいので、構成を「見える化」することが大切です。
ここも「面倒だからスキップしちゃおう」となりがちですが、これを省くと後で必ず手戻りが発生します。逆に言えば、ここがしっかりしていれば、制作が驚くほどスムーズになります。
③デザインとアセットの準備
構成ができたら、次は素材づくりです。ここで言う「アセット」とは、文字、図形、アイコン、写真、イラストなど、動画内で動かすすべての要素のことを指します。
PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールを使ってオリジナル素材を作る場合もあれば、フリー素材を活用するケースもあります。ただ、フリー素材は便利ですが、他と被る可能性が高いので、オリジナリティを出したい場合は要注意です。
また、デザインは「動かすこと」を前提に考える必要があります。静止画としては美しくても、動かすとゴチャゴチャして見えるデザインも多いです。余白や色数、サイズ感などを意識しましょう。
④アニメーション編集・書き出し
素材がそろったら、いよいよ動かす作業に入ります。多くの場合、Adobe After EffectsやAviUtlなどの動画編集ソフトを使います。
ここでは「イージング」や「モーショントラッキング」など、アニメーション特有のテクニックを使って、動きに緩急をつけたり、タイミングを調整したりします。細かいところまでこだわればこだわるほど、完成度が上がります。
でも正直、この段階は「沼」にハマりやすいです。理想を追いすぎて、終わらない…なんてこともよくあります。最初のうちは「80点でもOK」と割り切って進めることが、続けるコツでもあります。
最後に、動画の書き出し設定をして完成です。書き出し時の解像度やファイル形式も、使用目的(SNS投稿か、プレゼン用かなど)によって最適なものを選びましょう。
4. モーショングラフィック|おすすめソフトと素材サイト
モーショングラフィックを作るうえで、避けて通れないのが「ソフト選び」と「素材探し」です。
そこでこの章では、現場でよく使われているソフトと、フリー素材について、解説します。
カテゴリ | 名称 | 特徴・用途 | 向いている人 | 備考 |
---|---|---|---|---|
プロ向けソフト | After Effects | 高機能・プロ御用達。表現力・拡張性が圧倒的 | 本格的に学びたい人・仕事にしたい人 | 有料(サブスク)・操作に慣れが必要 |
無料ソフト | AviUtl | 軽量で日本語対応。プラグインが豊富 | 無料で始めたい人・PCスペックが低めの人 | 初期設定や拡張が少し複雑 |
Blender | 3DCGソフトだが、2Dモーショングラフィックも可能 | 3Dにも興味がある人 | UIがやや難解。習得に時間が必要 | |
フリー素材サイト | MotionElements | テンプレ・動画・音楽が豊富 | 時短したい人・商用利用者 | 有料素材も多いが高品質 |
Mixkit | 海外サイト。完全無料で使える素材が多い | コストをかけたくない初心者 | 商用利用可能(要条件確認) | |
動画AC | 日本語対応。イラストや動画素材が充実 | 日本人向けデザインが欲しい人 | 無料プランはDL数に制限あり |
それぞれを一つずつ見ていきましょう。
①Adobe After Effectsの特徴とメリット
プロの現場で最も使われているのが「Adobe After Effects(AE)」です。とにかく表現力が高く、テレビCMからYouTube動画まで、あらゆるモーショングラフィックがこれ一つで作れます。
最大の魅力は、自由度と拡張性。レイヤーを重ねて複雑な演出ができるし、プラグインを使えば表現の幅が無限に広がります。PhotoshopやIllustratorとの連携も抜群で、グラフィックデザイナーとの相性も良好です。
ただし、正直言って習得はカンタンではありません。操作画面は機能が多すぎて最初は戸惑うし、快適に動かすにはある程度スペックの高いPCも必要です。初心者が最初に触るにはややハードルが高めですが、真剣に学ぶならこのソフトが最も頼りになります。
②無料ソフト(Blender・AviUtlなど)の比較
「お金をかけたくない」「まずはお試しで始めたい」人には、無料ソフトという選択肢もあります。代表的なのが「AviUtl」と「Blender」です。
AviUtlは日本発の動画編集ソフトで、軽量かつシンプル。少し設定が難しい部分もありますが、慣れればAfter Effectsに似た演出も可能です。プラグインも豊富で、コミュニティも活発なので、わからないことは調べれば大体解決します。
Blenderは本来3DCGソフトですが、2Dアニメーション機能も強化されており、最近ではモーショングラフィック用途でも注目されています。ただし、操作は直感的とは言い難く、3Dの知識が少しでもないと混乱するかもしれません。
両者とも無料ですが、「時間」をコストとして払う必要があります。それでも、工夫次第でかなり本格的な作品が作れるのは間違いありません。
③便利なフリー素材・テンプレートサイト
モーショングラフィックを効率よく、かつクオリティ高く仕上げるには、「使える素材」が欠かせません。特に初心者のうちは、一から全部作ろうとせず、既存のテンプレートをうまく使うのが正解です。
おすすめサイトとしては「MotionElements」「Mixkit」「動画AC」などが有名です。これらは商用利用OKな素材も多く、動画テンプレート・音楽・効果音などが豊富にそろっています。
ただし、注意点もあります。人気素材は他の人も使っているので、「あ、あのテンプレね」とバレてしまうことも…。そのまま使うよりも、自分なりにアレンジを加えるのが差別化のコツです。
また、「テンプレに頼りすぎるとスキルが身につかない」という声もあります。あくまで最初の“補助輪”として活用し、徐々に自作できるようになるのが理想です。
5. 向いている人の特徴とは?スキル適性診断
「モーショングラフィックスって、やってみたいけど自分に向いてるのかな?」
これは、多くの人が抱く不安です。実際、デザイン、アニメーション、ソフトの操作など、幅広いスキルが求められるため、ハードルが高く感じるのも無理はありません。
でも、向き・不向きというのは“経験値”ではなく“思考パターン”や“性格”によるところが大きいんです。絵がうまいとか、機械に強いとか、それ以前に「どう考えるのが得意か」「何に喜びを感じるか」が向き不向きを分けます。
この章では、現役クリエイターたちの声も踏まえつつ、どんな人がモーショングラフィックに向いているのか、逆に苦手になりやすいのはどんなタイプかをぶっちゃけてお話しします。
①クリエイティブ思考がある人
「普通の見せ方じゃつまらない」と感じる人は、かなり向いています。モーショングラフィックは“伝えたい内容”に対して“どう見せるか”を考える仕事。つまり、正解がない世界なんですね。
だからこそ、自分なりの表現を考えるのが好きな人、思いついたアイデアをすぐ形にしたい人は、どんどん成長します。逆に、与えられたマニュアルどおりに進めたいタイプには少ししんどいかもしれません。
②デザインや動画編集が好きな人
これ、ぶっちゃけ一番大事です。「好きじゃないと続かない」んです。モーショングラフィックは地味な作業の積み重ね。動きのタイミングを1フレームずつ調整するような、細かくて地道な作業も多いです。
でも、「動かしてみたらうまくハマった!」「思ったよりいい感じになった!」という小さな成功体験がめちゃくちゃ楽しいんですよね。この楽しさを感じられる人は、確実に向いています。
③構成力・集中力がある人
動画って、順番や流れが命です。伝えたいことがあっても、構成がめちゃくちゃだと全然伝わりません。モーショングラフィックでは「この順番で」「ここで文字を出して」「ここで消す」といった細かい設計が必要になります。
だから、情報を整理したり、構造を組み立てるのが得意な人はかなり有利です。逆に「なんとなくノリで作る」のがクセになってると、ちょっと苦労します。あと、PCの前でじっくり集中して作業できるかどうかも大きな分かれ目になります。
④コツコツ学ぶのが得意な人
モーショングラフィックは、華やかそうに見えて、実は“反復の世界”です。最初はAfter Effectsの操作すら意味不明。でも、チュートリアルを見ながら一つずつ学んでいくことで、確実にできるようになります。
ここで大切なのは、派手な表現よりも「継続力」。毎日30分でも触り続けられる人が、結局はスキルを自分のものにしていきます。だから、「完璧主義じゃなく、まずはやってみる」ができる人は強いです。
6. 独学 or スクール?学習方法を比較しよう
モーショングラフィックを学びたいと思ったとき、必ずぶつかるのが「独学でいけるのか、それともスクールに通うべきか?」という問題です。
正直なところ、どちらにもメリット・デメリットがあって、一概に「こっちが正解!」とは言えません。
そこで、この章では、それぞれの学び方について、リアルな視点で深掘りしていきます。
比較項目 | 独学 | スクール・講座 |
---|---|---|
費用 | 無料〜1万円以内(PC・ソフト代のみ) | 数万円〜数十万円(受講料+教材費) |
学習の自由度 | 自分のペースで進められる | カリキュラムに沿って学ぶ必要がある |
サポート体制 | 基本的に自力。質問はネット検索 | 質問・添削・就職支援あり(講師が対応) |
習得スピード | 遠回りになりがち。調べる力が重要 | 体系的に学べるので効率的 |
モチベーション維持 | 一人だと挫折しやすい | 仲間・講師がいるので継続しやすい |
向いている人 | 自分で調べるのが得意・マイペース派 | 目的が明確・短期間で習得したい人 |
デメリット | つまずいた時に誰も教えてくれない | 費用がかかる。時間的な拘束もある |
①独学のメリット・おすすめ学習法
独学の最大の魅力は、コストがほぼゼロで始められることです。今はYouTubeやブログ、SNSに無料で学べる情報があふれているので、お金をかけずに十分スキルアップが可能です。
さらに、自分のペースで学べるという点も大きなメリットです。「今日は30分だけ」「週末にがっつり」といった柔軟な学習スタイルが取れます。仕事や育児など、時間の制約がある人には特にありがたい選択肢です。
ただし、独学には“孤独”がつきものです。わからないところでつまずいても、誰も助けてくれませんし、間違ったやり方をしていても気づけないまま進んでしまうリスクもあります。だからこそ、調べる力や、粘り強く試行錯誤する姿勢が不可欠です。
②無料で学べるYouTubeやWebサイト
YouTubeは、独学派の強い味方です。実際、多くのモーショングラフィック制作者が、最初の基礎はYouTubeで学んでいます。
「After Effects 基礎」や「初心者 AE チュートリアル」などで検索すると、無料とは思えないほど丁寧な解説動画がたくさん見つかります。また、海外のチュートリアル動画も質が高く、特に動きのセンスを学ぶのに役立ちます。
Webサイトでは「モーションエレメンツのチュートリアル」や「Adobe公式ヘルプ」も非常に使えます。ただし、動画と違って自分で読んで理解しなければならないため、ちょっとハードルが高く感じるかもしれません。
こうした無料コンテンツを活かすには、「まずは真似る」「一つの動画を何度も繰り返す」ことがコツです。最初は何も考えずにトレースして、徐々に応用にチャレンジすると自然と力がついてきます。
③スクール・オンライン講座の選び方
一方で、スクールに通う最大のメリットは「プロの手で、最短距離で導いてもらえる」点です。自分では気づけなかった弱点やクセも、講師が指摘してくれるため、効率よく上達できます。
特におすすめなのが、オンラインスクールです。動画教材+質問サポートのある形式で、自宅にいながらプロの指導を受けられるのは、忙しい社会人にもピッタリです。
スクールを選ぶ際のポイントは、「作品添削があるか」「現役クリエイターが教えているか」「ポートフォリオ作成支援があるか」の3点です。カリキュラムだけ見て選んでしまうと、「知識はついたけど、実践力が足りない…」ということになりがちです。
もちろん、スクールは安くありません。数万円〜数十万円の投資になります。「本気で仕事にしたいのか?趣味でやりたいのか?」を見極めて選ぶことが大切です。
7. 現役クリエイターの体験談と制作のコツ
どんな世界にも、リアルな現場の声ほど信頼できる情報はありません。モーショングラフィックの制作においても、それは同じです。
SNSやポートフォリオではキラキラした成果ばかりが目に入りがちですが、実際の制作現場では「時間が足りない」「クライアントの要望が曖昧」「納得いかないのに納品…」なんて話もザラです。
この章では、現役で活躍しているクリエイターたちのリアルな声をもとに、「どんな壁にぶつかるのか?」「どうやって乗り越えているのか?」そして「今から始める人がやっておくと良いこと」など、現場目線のアドバイスをお届けします。
①モーショングラフィックを仕事にするには?
実は、「モーショングラフィックだけで食べていく」のは簡単なことではありません。でも、需要が高まっているのも事実です。特に動画マーケティングが普及している今、クライアントから「動きのある表現が欲しい」と求められる場面が増えています。
副業やフリーランスとして受注する場合、まずはポートフォリオが命。SNSで発信しながら、クラウドソーシングなどで実績を積んでいくのが王道パターンです。
ただし、納期と予算に追われる案件も多いので、「ただ作るだけ」では通用しません。要件を聞いて、構成から提案できるような“設計力”が求められる場面も多いです。
②失敗談から学ぶポイント
あるクリエイターは、最初の案件で「納品後に大量の修正依頼が来て心が折れた」と言います。その原因は、事前の構成共有が曖昧だったこと。モーショングラフィックは“完成したもの”で初めて動きが伝わるので、初期段階でのすり合わせが不十分だと、完成後に「イメージと違う」と言われやすいんです。
また、別の人は「演出にこだわりすぎて納期に間に合わなかった」と話します。クオリティを追求するのは素晴らしいですが、クライアントが求めているのは“目的を果たす動画”であって、“作品”ではありません。
こういったリアルな失敗談から学べることは、「自己満足と目的達成のバランスを取る力」が非常に大切だということです。
③構図・色使い・動きのコツ
「どう動かすか」ばかりに意識が向きがちですが、実は“動かす前”の準備が全体の完成度を決めます。特に大事なのが、構図と色使いです。
プロは、まず「何を伝えるか」を明確にし、視線の流れを意識したレイアウトを作ります。そのうえで、動きは“補助的に”使うのが基本。文字が飛び出すのも、グラフが動くのも、「視線を導く」「注目させる」ための演出であって、動くこと自体が目的ではありません。
また、色は多用せずに「主役の色」と「背景の色」をしっかり分けることで、視認性が格段に上がります。よくある失敗は、「カラフルにしすぎてごちゃごちゃする」パターン。少ない色数でまとめた方が、映像としても洗練されて見えます。
動きについても、「イージング(緩急)」を入れるだけで一気にプロっぽくなります。ガクガクした動きは“素人っぽさ”が出るので注意が必要です。
④成長するために必要な姿勢
多くのクリエイターが口を揃えて言うのは、「とにかく続けること」です。最初はダサくて当然。むしろ「恥ずかしい動画」を何本も作ることで、ようやく“かっこよさ”が見えてくる世界です。
そして、「人の作品を見ること」も非常に大切です。YouTubeやVimeoなどで上手い人の作品を観察し、「なんでこの動き?」「どういう構成?」と考える習慣が、成長を加速させます。
また、「自分が楽しめるテーマで作る」ことも忘れないでください。仕事として受けると、どうしても“やらされ感”が出てきます。でも、自分の好きな音楽、趣味、キャラクターなどをテーマにすると、自然と熱量が作品に乗ります。
8. モーショングラフィック|まとめ
モーショングラフィックは、ただ“動かす”だけではありません。伝える力、魅せる力、そして驚かせる力を持った、現代の表現ツールです。
最初は難しく感じても、一つずつステップを踏んでいけば、誰でもスキルとして身につけることができます。大切なのは「やってみる」こと、そして「続ける」こと。
あなたの頭の中にあるイメージやアイデアを、ぜひ動くグラフィックとして形にしてみてください。今日がその一歩目になりますように。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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