企業紹介動画は、今や「あると便利」ではなく「ないと損」な時代に突入しています。
採用活動、営業、ブランディング、社内共有など、あらゆるシーンで活用できる一方で、「どんな動画を作ればいいのか」「費用は?」「自社に本当に必要なのか」と悩む方も少なくありません。
そこで今回の記事では
今回の記事でわかること
- 企業紹介動画の目的
- メリット
- 種類
- 制作手順から事例
- 活用方法
- 制作費用のリアル
を解説します。
これから動画制作を検討するすべての企業担当者にとって、役立つ“本音”の情報をお届けします。

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。
1.企業紹介動画を作る前に押さえるべきポイント
企業紹介動画を「とりあえず作ってみよう」と始めてしまうと、後悔する可能性が高いです。
なぜなら、目的やターゲットが曖昧なままでは、誰の心にも届かない“自己満足動画”になるからです。制作の前に押さえるべきことは、主に4つあります。
ここでは、動画制作前に考えておくべきポイントを順に整理していきます。
①企業紹介動画|ターゲットの明確化

まずは「なぜ動画を作るのか」を明確にしましょう。
目的がはっきりしない動画は、メッセージがぼやけます。たとえば、採用が目的なのか、営業支援なのか、ブランディングなのか。それによって訴求内容も構成も全く異なります。
また、ターゲットの明確化も非常に重要です。20代の求職者に向けるのか、50代の経営者向けなのかで、使う言葉やテンポ、映像の雰囲気は大きく変わります。誰に見せたいのか、そしてその人にどう思ってもらいたいのか。そこを徹底的に詰めることで、ブレない構成が作れます。
②企業紹介動画|自社の魅力をどう伝えるか?

「うちの会社、何を魅力として出せばいいのか分からない」──多くの中小企業がこの壁にぶつかります。
ですが、派手な要素や有名な実績がなくても構いません。重要なのは、「他社にはない、自社らしさ」です。
そのためには、自社の強みや雰囲気を言語化することから始めましょう。創業ストーリー、社員の人柄、働く空気感、誠実な姿勢など。お客様や取引先から言われた「うちっぽいね」をヒントにしても良いでしょう。
そして、それをどう映像に落とし込むか。構成やナレーションに「らしさ」がにじみ出るよう工夫することで、見た人に印象が残ります。どんなに綺麗な映像でも、伝えたい本質がぼやけていては意味がありません。
③企業紹介動画|外注か内製か?判断基準

動画制作は、外注と内製のどちらにも一長一短があります。
どちらを選ぶかは、社内のリソースや目的によって判断すべきです。
観点 | 外注 | 内製 |
---|---|---|
クオリティ | 高い(プロの編集・撮影) | 工夫次第で可 |
コスト | 高め(10万~100万以上) | 安く済む(撮影機材や編集ソフト次第) |
制作スピード | スケジュール調整が必要 | スピード感あり |
社内ノウハウ | 蓄積しにくい | 学習・蓄積できる |
目的が「企業のブランディング」や「採用の顔になる動画」であれば、プロに頼むべきです。
逆に、社内報的な動画やSNS用の短尺動画であれば、内製の方が機動力があります。
ただし、よくある落とし穴は「内製で何とかしよう」と無理をして、結果的に手間も時間もかかり、中途半端な動画になるケースです。
④企業紹介動画|動画設計の方向性

成功している企業紹介動画には、いくつかの共通点があります。
それは、「目的が明確」「見たあとに印象が残る」「リアルな共感がある」という3点です。
たとえば、あるIT企業の採用動画では、社員一人ひとりが自分の言葉で仕事のやりがいを語っています。演出はシンプルですが、視聴者には“この会社、いいかも”という感情が残ります。逆に、派手なCGやBGMでごまかしている動画は、一見して印象に残りません。
つまり、動画の設計段階で「どんな印象を残したいか」を逆算しておく必要があります。そのうえで、「誰を主役にするか」「どう見せるか」「どの順番で伝えるか」といった構成を組み立てていきます。
2.企業紹介動画のメリットと効果
いまは、企業紹介動画が「あるといい」ではなく「ないと損」になりつつある時代です。
企業の姿勢や強みを“動画で伝える”ことで、紙やWebでは届かなかった相手の心を動かせるからです。
ここでは、企業紹介動画の主なメリットと、実際にどう効果が出ているのかについて深掘りしていきます。
①採用活動での活用

人手不足が深刻な中、動画は企業の“空気”を伝える最強の手段です。
採用ページに社員の声やオフィスの様子を載せても、やはり写真と文章だけでは限界があります。一方で、動画を通じてリアルな働く姿を見せると、ミスマッチを防ぎながら「共感」で応募してもらえる可能性が高まります。
実際に、採用動画を導入した企業の中には、応募数が2倍以上に増えたという事例もあります。特に若年層においては、テキストより動画で判断する傾向が強く、雰囲気や価値観を感じ取れる動画は圧倒的な武器になります。
ただし、格好良さだけを追い求めた動画は逆効果になることもあります。実態とギャップがあれば、入社後の定着率が下がるリスクがあるため、ありのままの姿を映す勇気も必要です。
②ブランディング・イメージ向上

企業紹介動画は、企業の“印象”をコントロールする手段でもあります。
初対面の相手に「どんな会社ですか?」と聞かれたとき、動画1本で答えられる状態を作れるのは大きな強みです。特にスタートアップや中小企業など、まだ知名度がない段階では、信頼感を補う意味でも有効です。
動画は、文章よりも“感情”に訴えることができます。たとえば、理念を語る社長の表情や社員同士のやり取りから、言葉では伝えきれない温度感が伝わります。これにより、「この会社は誠実そう」「親しみがある」など、ポジティブな印象を作ることができます。
もちろん、動画を作っただけではブランディングになりません。YouTubeや自社サイト、展示会、営業ツールなど、どこでどう使うかが重要です。見せ方次第で、ブランド価値は大きく左右されます。
③営業・展示会でのプレゼンツール

営業や展示会の現場でも、企業紹介動画は“静かな営業マン”として機能します。
短時間で自社の概要や強みを伝える必要がある場面では、動画の分かりやすさとインパクトが効果を発揮します。
特に展示会では、ブースに立ち寄った人に動画を見せることで、話しかける前に興味を引くことができます。営業資料としても活用でき、訪問先で動画を流すことで、第一印象を良くし、対話の入り口を作る手助けになります。
ただし、長すぎる動画や内容が抽象的すぎる動画は逆効果です。営業ツールとして使う場合は「1~2分で完結し、ポイントが明確な構成」にする必要があります。
④会社の理念や文化を伝えるツール

意外と見落とされがちなのが、社内向け活用です。
企業紹介動画は、社員に対して会社の方向性や価値観を伝えるためにも有効です。特に新入社員や中途採用者に対しては、理念や文化をスムーズに伝えるツールとして機能します。
たとえば、代表メッセージや企業理念、社内イベントなどを動画で伝えることで、「会社として何を大切にしているか」が伝わりやすくなります。これにより、社員の一体感や共通認識の醸成にもつながります。
動画の力は、社外だけでなく社内にも影響します。むしろ、社内で使いこなせている企業ほど、外に向けた発信にも説得力があるのです。
3.企業紹介動画にはどんな種類があるか?
一口に、企業紹介動画と言っても、実はさまざまな種類があります。
「企業の魅力を伝える」と言っても、その表現方法や構成によって、伝わり方も受け止められ方も大きく異なります。
ここでは、代表的な企業紹介動画のタイプと、それぞれの特徴・活用シーンについて具体的に解説していきます。
①事業紹介型:サービスや商品をアピール

事業紹介型は、企業がどんな商品やサービスを展開しているかを分かりやすく伝える動画です。
特に営業活動や展示会など、短時間で企業の全体像を伝えたい場面で効果を発揮します。
たとえば、IT企業であれば「開発しているプロダクトの特徴」、製造業であれば「製品のこだわりや品質管理体制」といった要素を中心に構成します。このタイプは、視覚情報が豊富に使えるため、Webサイトの説明よりも理解が早くなります。
注意すべき点は、「説明しすぎないこと」です。情報量が多すぎると、かえって印象が薄くなります。あくまで導入としての位置付けに留め、興味を持たせて次のアクションにつなげることが大切です。
②コンセプト・理念紹介型:企業文化を伝える

このタイプの動画は、企業の価値観や考え方、社会に対するスタンスを伝えるのが目的です。
そのため、おもにブランディングや採用活動の場面で活用されます。
たとえば、創業の思いやミッションを、ナレーションとイメージ映像で丁寧に表現する構成が多く見られます。また、社員のインタビューや職場の雰囲気などを通して「この会社で働く意味」や「社内のリアルな空気感」を感じ取れる作りが特徴です。
ただし、映像表現に頼りすぎて“ふわっとした”内容になると、逆に何も伝わらなくなります。
③インタビュー:リアルな声で信頼感を

経営者や社員、あるいは取引先の声を通じて企業を紹介するタイプです。
このタイプは、演出よりも“リアルさ”を重視し、信頼感や親しみやすさを伝えることができます。
たとえば、社員が自分の言葉で仕事のやりがいを語ったり、社長が今後のビジョンを率直に話したりする構成が一般的です。つまり、台本よりも本人の言葉で語らせることで、視聴者に響きやすくなります。
さらに、インタビュー型の良さは、“つくりもの感”が薄い点にあります。逆に言えば、話す内容が薄っぺらいとすぐに見抜かれてしまうため、発言の中身や構成に工夫が求められます。
④ドキュメンタリー:日常のリアルを映す

最近増えているのが、企業の日常にカメラを入れて、そのままの姿を切り取るドキュメンタリー型です。
演出は最小限にとどめ、業務風景や会議の様子、現場で働く社員の姿を中心に構成されます。
このタイプは「映像で会社見学している」ような感覚を視聴者に与えるため、採用活動や新規取引先への紹介で効果を発揮します。特に若い世代には、リアルで透明性のある動画が好まれます。
一方で、ドキュメンタリー型は構成や演出がほぼないため、企業の素の姿がそのまま映ります。魅力の見せ方が弱いと、逆効果になる可能性もあります。だからこそ、「どこにカメラを向けるか」「どう編集するか」が成否を分けます。
4.成功する企業紹介動画の作り方
企業紹介動画の質は、そのまま会社の印象につながります。
「とりあえず作った」では、逆に信頼を失うリスクもあるのが正直なところです。
ここでは、初めてでも失敗しないための基本的な流れと、押さえるべき重要項目について具体的にご紹介します。
①誰に何を伝えるかを明確にする
最も重要なのは「この動画は、誰に向けて、何を伝えたいのか」を最初に決めることです。
これが曖昧だと、どれだけ映像が綺麗でも、印象に残らない動画になります。
たとえば、採用が目的ならば「求職者に“この会社で働きたい”と思ってもらう」ことがゴールになります。営業支援ならば「取引先に、信頼できる企業だと伝える」が目的になります。ターゲットが明確であれば、構成・演出・ナレーションなど、すべての要素がブレずに設計できます。
よくある失敗は「うちの強みを全部盛り込もう」とすることです。結果、情報過多になり、何が言いたいのか分からなくなります。あえて絞って、印象的なメッセージに集中する勇気が大切です。
②ストーリー構成と映像表現のポイント
動画には、ストーリーがあります。
起承転結を意識して、視聴者の興味を引きながら、自然な流れでメッセージを伝える構成が重要です。
たとえば、「冒頭で共感」「中盤で価値の提示」「最後に未来を見せる」構成は定番です。この順番を守るだけで、視聴者は自然と引き込まれていきます。また、映像の演出面では、BGM、テロップ、カット割りなどを使いながら、テンポよく見せる工夫も必要です。
ただし、派手すぎる演出は禁物です。映像はあくまでメッセージを補完する手段であり、演出が主役になってしまうと、伝えたいことが霞んでしまいます。必要な部分に絞って、表現を“引き算”する視点も持ちましょう。
③撮影・編集の具体的な流れ
撮影・編集の段階になると、実務的な準備が重要になります。ここでは基本的な流れをご紹介します。
工程 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
①企画・構成 | 台本作成、シーン設計 | 誰に何をどう伝えるかを明確に |
②ロケハン・準備 | 撮影場所や人選の決定 | 社員の表情・空気感も演出対象 |
③撮影 | 機材・カメラマン・照明などの手配 | 動画の7割は「撮影」で決まる |
④編集 | テロップ、BGM、ナレーション追加 | 冗長にならないテンポ設計がカギ |
⑤チェック・修正 | 社内確認・改善指示 | 主観だけでなく、第三者視点も活用 |
この工程は外注の場合でも基本的には同じです。ただし、企業によって「どこまで任せるか」の線引きが異なるため、制作会社と密にすり合わせることが求められます。
④ナレーション・音楽・字幕の重要性
動画の印象は、実は“音”によって大きく左右されます。
ナレーションのトーンひとつで、会社の印象はガラッと変わります。誠実で落ち着いた雰囲気を出したいなら、落ち着いた声質と抑えたBGM。元気さを出したいなら、明るいナレーションと軽快な音楽がマッチします。
また、字幕は視聴者の理解を助けるだけでなく、「無音で視聴される」環境にも対応できます。最近ではスマホでの視聴が多いため、字幕の有無は視聴率に直結すると言っていいでしょう。
つまり、音と文字は“補助”ではなく、メインの要素として設計すべきです。映像がいくら綺麗でも、ナレーションが合っていなかったり、字幕がなかったりすると、伝わる力が半減してしまいます。
5.企業紹介動画の事例と参考例
企業紹介動画を制作する際、他社の成功事例を参考にすることは非常に有効です。
実際の事例から学ぶことで、自社に適した表現方法や構成のヒントを得ることができます。
ここでは、業種別や目的別に分けた企業紹介動画の成功事例をご紹介します。
①業種別:IT、製造、飲食などの具体例
ここでは、業種別の具体例の一例をまとめてみました。
動画タイトル:株式会社ヌーラボ
動画概要:ヌーラボのブランドメッセージ「“このチームで一緒に仕事ができて良かった”を世界中に生み出していく」を掲げ、提供するサービスを紹介しています。アニメーションを活用し、企業の思いやミッションを感情面でも訴求する構成となっています。
動画タイトル:株式会社東京チェンソーズ
動画概要:林業を中心とした事業を展開する同社の魅力を伝えるため、ドローンを活用して山全体を撮影し、事業スケールの大きさを演出。インタビューを通じて会社の事業を紹介する構成で、リアルな現場の魅力を伝えています。
動画タイトル:フジランド株式会社
動画概要:「接客こそ、エンタメだ。」というキャッチーなコピーとともに、企業で働くスタッフの仕事への価値観をワンワードで紹介している採用動画です。1分という短い尺の動画でも、カラーや見応えのあるカット数によって、多種多様なサービスの中で多様な人材が活躍できる企業であることを表現しています。
②目的別:採用用、営業用、ブランディング用
ここでは、動画の目的別に事例をまとめてみました。
用途 | 企業名 | 特徴 | 補足説明 |
---|---|---|---|
採用 | 株式会社タカラトミー | インタビュー形式 | 複数職種の社員が仕事のやりがいや魅力を語ることで、会社全体の理解が深まる構成 |
営業 | 株式会社ワールドコーポレーション | インフォグラフィックス | 業界課題に対して自社がどう貢献するかを明確に伝えており、ビジュアル面でもわかりやすい |
ブランディング | 株式会社リクルート | コンセプトムービー「PLAY」 | 社員一人ひとりの働き方をテンポよく描写し、企業文化と価値観を自然に伝えている |
③印象的な表現手法を用いた動画事例
アニメーション活用事例
動画タイトル:株式会社パルシス 様
動画概要:IT企業らしく、社員のネットリテラシーの高さから、出演者が集まらず、アニメーションでの会社紹介をしました。が、逆に、わかりやすく、社長のメッセージなども効果的に打ち出されて、視聴者に強い印象を与えてします。
ドキュメンタリー活用事例
動画タイトル:立教大学体育会クロニクル
動画概要:IT企業らしく、社員のネットリテラシーの高さから、出演者が集まらず、アニメーションでの会社紹介をしました。が、逆に、わかりやすく、社長のメッセージなども効果的に打ち出されて、視聴者に強い印象を与えてします。
モーショングラフィック活用事例
動画タイトル:おしどり宅配食
動画概要:塩分制限や糖質制限の宅配弁当を訴求する動画です。実写では重たくなるテーマをモーショングラフィックを使って表現しています。可愛いキャラクターを使った商品紹介が印象的な動画に仕上がっています。
6.費用と制作依頼のポイント
企業紹介動画を制作する際に、多くの人が最初に気になるのが「いくらかかるのか?」という点です。
実際のところ、動画の費用はケースバイケースで幅があります。また、どの制作会社に頼むか、自社で作るべきか、といった判断も迷いどころです。
ここでは、費用相場の目安から、依頼先の選び方、コストを抑える方法まで、現場のリアルをもとに解説します。
①企業紹介動画の価格相場とは?
動画制作の費用は、企画・撮影・編集・ナレーションなどの作業量によって大きく変わります。
相場感をざっくり言えば、以下のようになります。
動画のタイプ | 価格帯(目安) | 特徴 |
---|---|---|
シンプル構成(写真+テキスト) | 10~30万円 | 撮影なし、編集のみ。短納期。 |
スタンダード(1日撮影+編集) | 30~80万円 | 一般的な企業紹介動画の中心価格帯。 |
ハイクオリティ(複数日撮影+演出) | 80~150万円以上 | シナリオ・演出・機材など高水準。 |
価格だけを見ると高く感じるかもしれませんが、「社外の第一印象を決める名刺」だと考えると、むしろ安い投資です。採用ミスマッチを防げたり、営業成果に直結するなら、数十万円はすぐ回収できるケースもあります。
ただし、予算に応じた“できる範囲”を見極めることが重要です。全部盛りにしようとすると、コストも工数も膨らみます。
②制作会社の選び方と依頼の流れ
制作会社を選ぶ際に見るべきポイントは、以下の3つです。
- 実績があるか(業種・目的が近いか)
→自社と似た業界の動画を作った経験があると安心です。 - 得意なスタイルが明確か
→ナチュラル系が得意なのか、インフォグラフィックが得意なのか。相性があります。 - コミュニケーションが丁寧か
→質問に対してレスが早いか、説明が分かりやすいか。信頼感は制作の質に直結します。
依頼の流れは一般的に以下のようなステップです。
- ヒアリング・要望の確認
- 概算見積もり・スケジュール案
- 構成案(絵コンテ)の提出
- 撮影・編集
- 初稿確認・修正対応
- 納品(形式・サイズなど要確認)
この流れを事前に把握しておくと、初めてでもスムーズに進行できます。
③自社で作る vs 外注するメリット・デメリット
「動画って自分たちでも作れそうだけど、どうなんだろう?」という声は多いです。実際、社内リソースで動画を作る企業も増えています。そこで、内製と外注の違いを正直に整理してみましょう。
項目 | 外注 | 内製 |
---|---|---|
費用 | 高い(10~100万円) | 安い(機材・人件費のみ) |
クオリティ | 安定して高い | 社内のスキル次第 |
スピード感 | 制作会社に依存 | 柔軟に対応しやすい |
ノウハウ蓄積 | 難しい | スキルが社内に残る |
自社で企画力・編集スキル・機材が揃っていれば、内製化のメリットは大きいです。一方で、動画の完成度が企業の信用に関わるようなケースでは、プロに任せた方が失敗は少なくなります。
重要なのは、「コスト重視」か「成果重視」か。どちらを優先するかで、判断軸は大きく変わります。
④費用を抑えるための工夫ポイント
限られた予算の中で、より良い動画を作る工夫もあります。
- ナレーションを社内で対応する
- 撮影日数を1日に絞る
- 複数の動画を同時に制作(ボリュームディスカウント)
- 編集だけ依頼し、素材は自社で撮影
また、企画がしっかりしていれば、演出に頼らずとも伝わる動画が作れます。むしろ、見せ方よりも「中身」の方が重要なのは言うまでもありません。
7.企業紹介動画の活用方法と効果測定
せっかく作った企業紹介動画も、使い方を間違えると“ただの自己満足”で終わってしまいます。実際、「動画を作ったけど再生回数が伸びない」「思ったより反応が薄い」という声もよく聞きます。動画は“作って終わり”ではなく、“どう使い、どう改善するか”が重要です。この章では、企業紹介動画の効果的な活用方法と、成果をきちんと測定・改善していくための考え方を解説します。
①どこで使う?動画の具体的な活用チャネル
企業紹介動画は、あらゆる場面で活用できます。
代表的なチャネルとしては、以下のようなものがあります。
- 自社サイト(トップページや採用ページ)
→第一印象を形成する場面で効果的。文字だけでは伝わらない魅力を補完します。 - YouTubeチャンネル
→潜在層にも広がりやすく、SEOにも好影響があります。 - 展示会・営業プレゼン
→短時間での会社説明が求められる場で、動画は“無言の営業マン”として活躍します。 - SNS(Instagram、X、TikTokなど)
→短尺編集して流すことで、企業の“親しみやすさ”や“今っぽさ”を印象付けることができます。 - 社内利用(新入社員研修や理念浸透)
→動画を使って企業文化を共有することで、共通認識や一体感を醸成できます。
活用シーンに合わせて動画の尺や構成を最適化することが重要です。たとえば、営業用は1~2分、採用用なら3~5分、社内向けなら多少長くてもOKといった具合です。
②動画の効果を測る指標と方法
動画は“視聴されて終わり”ではなく、“どんな行動につながったか”が本当の評価軸です。そのためには、効果を測定するための指標を持つことが欠かせません。代表的な指標には以下があります。
指標 | 内容 | 活用例 |
---|---|---|
再生回数 | 何人が見たか | YouTubeやSNS分析に有効 |
視聴維持率 | 最後まで見た人の割合 | コンテンツの改善指標 |
CV数(応募・問い合わせ) | 動画経由での行動数 | 採用・営業成果の測定に活用 |
滞在時間 | サイト内の滞在時間 | サイト改善とセットで見る |
特に「視聴維持率」は重要なポイントです。再生回数が多くても、途中で離脱されていれば、内容が刺さっていない可能性が高いです。逆に最後まで見てもらえる動画は、信頼を築けていると考えて良いでしょう。
データを見て「良し悪し」を判断するだけでなく、次回の動画制作に活かすという意識を持つことが、動画のROI(費用対効果)を高める鍵になります。
③継続的な改善・活用のコツ
企業紹介動画は“一発勝負”ではありません。作ったあとにどう改善し、どう広げていくかで効果は大きく変わります。たとえば、1本の動画をもとに、以下のような形で派生活用することができます。
- 長尺動画を短尺に切り出してSNSで展開
- テキストに書き起こしてブログ記事に活用
- スクリーンショットを使って会社パンフに転用
また、年に1回は動画を見直すことをおすすめします。会社の方向性や雰囲気は、1年経つと意外と変わっているものです。常に“今の自社”を正しく伝えることが、ブランディングにもつながります。
最も重要なのは、「動画をどう見せるか」を考える社内文化をつくることです。動画が“資産”として社内に根付けば、企業の伝える力は格段に上がります。
企業紹介動画とは?まとめ
企業紹介動画は、ただ作れば成果が出る時代ではありません。
大切なのは、「誰に何をどう伝えるか」を徹底的に考え抜き、目的に合った活用方法を選ぶことです。
そして、動画は作って終わりではなく、使い続け、改善し続けることで初めて“資産”になります。
ぜひ、御社ならではの魅力がしっかり伝わる動画づくりに挑戦してみてください。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
コメント