VSEOとは?
今や、情報収集は「読む」から「観る」時代へと移り変わっています。そんな中で注目されているのが、動画を検索上位に表示させるための技術です。(VSEO=Video Search Engine Optimization)
そこで今回の記事では、
今回の記事で分かること
- VSEOとは?
- SEOとはどう違うの?
- 具体的に何をすればいいの?
を解説します。
動画を活用したい企業、個人クリエイター、マーケターに、役立つ情報をお届けします。

執筆者
この記事は、動画制作・デザインを手がける「ワイラボ」の代表が執筆しています。普段は企画やディレクションの立場から、現場チームと連携して映像制作に関わっており、その経験から得た視点でお話ししています。
1. VSEOとは?基本を3分で理解

VSEOという言葉を初めて聞く方も多いかもしれません。
動画を検索エンジンで上位に表示させたい人にとって、VSEOは欠かせない概念です。しかし一方で、「聞いたことはあるけど、実際にどういうものかよく分からない」という声も少なくありません。
そこでこの章では、VSEOの意味から、SEOとの違いや注目される理由。さらに、どのようなプラットフォームが対象になるのか?を、短時間で全体像をつかめるように解説します。
VSEOとは?① 意味と定義

VSEOとは「Video Search Engine Optimization」の略です。(ビデオ サーチエンジン オプティマイゼーション)。
直訳すると「動画の検索エンジン最適化」です。つまり、YouTubeやGoogleなどの検索エンジンで、自分の動画を上位に表示させるための施策です。
通常のSEOは、テキストやウェブページが対象です。それに対して、VSEOは動画コンテンツが主役。
どんなに良い動画を作っても、視聴されなければ意味がありません。VSEOは、視聴者に動画を見つけてもらいやすくするのが目的です。
そのためには、タイトルや説明文の工夫、関連キーワードの選定、さらには動画そのものの構成にも配慮が必要です。
VSEOとは?② SEOとの違い

SEOとVSEOは似て非なるものです。
たしかに、どちらも検索エンジンに対しての最適化を目的としています。が、対象とするコンテンツと評価される要素が大きく異なります。
項目 | SEO(検索エンジン最適化) | VSEO(動画検索エンジン最適化) |
---|---|---|
対象コンテンツ | ウェブページ、ブログ、テキスト主体の情報 | 動画コンテンツ(YouTubeなど) |
主な評価基準 | HTML構造、内部リンク、ページスピード、キーワードなど | タイトル、説明文、サムネイル、視聴維持率、クリック率などのユーザー体験 |
重視する側面 | 技術的・構造的な最適化 | 視聴者の行動・反応に基づく最適化 |
主な目的 | 検索上位にページを表示し、アクセスを増やす | 検索上位に動画を表示し、再生数やエンゲージメントを高める |
VSEOとは?③ SEOとは違う視点で設計されるもの

ここで注意したい点があります。
それは、VSEOがSEOの延長線ではなく、まったく別の視点で設計されるべきという点です。よく「SEOが得意だからVSEOも同じようにできる」と思い込む人がいますが、それは落とし穴です。
動画は「観てもらう」ことが前提なので、クリック率や再生数、平均視聴時間など、より“人間的な反応”が強く評価されます。
下の表で違いを整理してみましょう。
比較項目 | SEO(検索エンジン最適化) | VSEO(動画検索エンジン最適化) |
---|---|---|
対象 | ウェブページ、ブログ | 動画(YouTube、Vimeoなど) |
重視する指標 | キーワード、構造化データ、被リンク | タイトル、説明文、視聴維持率、サムネイル |
主な成果物 | 記事、ウェブページ | 動画コンテンツ |
表示される場所 | 検索結果ページ(SERPs) | YouTube検索、Google動画タブ |
このように、施策対象も成果の出し方も異なるため、VSEOは独自に学ぶ必要があります。
VSEOとは?④ 注目される背景と理由

VSEOが注目されるようになった背景には、明確な理由があります。
それは、ユーザーの情報収集手段が「文字」から「動画」へとシフトしているからです。
今や多くの人が「○○のやり方」や「商品レビュー」を、Google検索よりYouTubeで探すようになりました。実際、Z世代やミレニアル世代を中心に、検索の第一選択肢が動画になっているという調査もあります。これは、「動画なら具体的で分かりやすい」「文字より記憶に残る」という心理的な効果が関係しています。
また、YouTube自体が世界第2位の検索エンジンであるという事実も、VSEOの重要性を後押ししています。動画の検索結果に自社コンテンツを表示させることができれば、見込み顧客との接点を増やす大きなチャンスになります。
加えて、動画広告の単価が上昇している現在、オーガニックで動画を見てもらえる手段として、VSEOは非常にコスト効率が良い手法とも言えます。
つまり、テキスト中心だった情報流通が動画に置き換わりつつあります。その流れで、VSEOを無視するのはマーケティング上のリスクでしかありません。
VSEOとは?⑤ 対象となる動画プラットフォーム

VSEOが有効なプラットフォームは、主にYouTubeですが、それだけにとどまりません。
TikTokやInstagram Reels。Facebook Watch。さらにはVimeo。
などなど、動画がコンテンツの中心にあるサービスにVSEOの考え方は応用可能です。
ただし、それぞれのプラットフォームには独自の検索アルゴリズムや評価基準があります。
たとえば、
- YouTubeではタイトルや説明文、サムネイル、視聴維持率が重視
- TikTokでは「完視聴率」や「エンゲージメント率」がより強く影響
- Instagramではハッシュタグの活用
このように、VSEOは一枚岩ではなく、プラットフォームごとに最適化の方法を変える必要があります。
しかし逆に言えば、ひとつのノウハウを持っていれば、他のプラットフォームにも応用できる柔軟な戦略を立てやすいとも言えます。
要するに、VSEOはYouTube専用のテクニックではなく、「あらゆる動画コンテンツに使える基礎知識」として捉えることが大切です。
2. VSEOとは?なぜ今、必要なのか?

「動画を検索上位に表示させることが、なぜそれほど重要なのか?」そう思っている方も多いでしょう。
しかし、結論から言えば、今は「VSEOをやらない方が機会損失になる時代」です。
単に検索で見つけやすくするだけでなく、動画という媒体そのものがビジネスにもたらす影響力が変化しているからです。
この章では、VSEOの必要性が高まっている背景を、4つの視点から深掘りしていきます。
① 動画マーケティングの市場成長

動画マーケティングは、今やデジタルマーケティングの主役になりつつあります。
理由はシンプルで、動画の消費量が爆発的に伸びているからです。2020年以降、在宅時間の増加やスマートフォンの普及で、動画視聴が日常になりました。YouTubeだけでなく、InstagramやTikTokといったSNSでも、動画がメインコンテンツとして使われています。
企業側もこの流れに敏感です。今や8割以上のマーケターが「動画は投資すべきコンテンツ」と認識しています。しかも、動画コンテンツはテキストよりも情報伝達が早く、感情的なつながりを作りやすいため、CV(コンバージョン)にも直結しやすいというメリットがあります。
それにもかかわらず、動画のSEO対策、つまりVSEOはまだ十分に浸透していません。
だからこそ今、VSEOを実践すれば、他社よりも一歩先を行くことができます。
② Google・YouTubeの検索アルゴリズムの変化
検索エンジンの世界も、日々進化しています。
特に注目すべきなのが、Googleが「動画コンテンツを検索結果に積極的に表示するようになった」ことです。かつては文字コンテンツ中心だった検索結果も、今では動画や画像が目立つようになりました。
さらに、YouTubeはGoogle傘下にあります。そのため、YouTube動画がGoogleの検索結果に表示される確率が非常に高いのです。これにより、YouTubeに投稿した動画が、自社サイト以上に検索上位に来ることも珍しくありません。
アルゴリズムの視点で見ても、検索エンジンは「ユーザーの満足度」を最優先しています。
つまり、動画という形式が「早くてわかりやすい」情報提供手段だと判断されているからこそ、優先的に表示されているのです。
③ テキストだけでは届かない時代に

現代のユーザーは忙しく、情報を素早く消費したいと思っています。
その中で、テキストだけの情報は「読むのが面倒」と感じられやすくなっています。一方、動画であれば、目と耳で同時に情報が入り、体験として記憶に残りやすいという特性があります。
たとえば「エアコンの掃除方法」を知りたい場合、1,000文字のブログ記事より、3分の実演動画の方が圧倒的に理解しやすいでしょう。
これが「動画での情報取得」が支持される最大の理由です。
そして、こうした需要に対して、的確に動画を届けるためには、検索エンジンに最適化されたVSEOが必要不可欠なのです。
④ 競合との差をつける新たな戦略
まだ多くの企業が、VSEOを本格的に実施していないのが現状です。
これは裏を返せば、今始めれば大きな先行者利益を得られるということです。
特に中小企業や個人事業主にとって、広告に大きな予算を割けない場合。それでも、VSEOならコストを抑えつつ検索結果で目立つことができます。また、大手企業の中でも動画マーケティング部門が独立していないケースも多く、担当者のリテラシー差によって大きな機会損失が生じている現場も見受けられます。
このような中で、適切なVSEOを実践できれば、それだけで「競合より見つけられやすい」「認知度が先行する」といった成果を出すことができます。
3. VSEOとは?そのメリットと得られる効果

「動画を上位表示させても、本当に効果があるのか?」そう疑問に感じる方もいるかもしれません。
確かに、手間もかかるし結果がすぐに出るものでもないVSEOには、慎重になるのも当然です。
しかし結論から言えば、VSEOには“やらない理由が見当たらない”ほど多くのメリットがあります。
この章では、VSEOを導入することで具体的にどんな成果が得られるのかを解説します。動画マーケティングの効果を最大化したいなら、ここを飛ばすのはもったいないです。
① 視聴数・認知度の拡大
VSEOの最大の成果は、やはり視聴数の増加です。
YouTubeやGoogleの検索結果で上位に表示されれば、自然と動画にアクセスが集まります。これにより、これまでリーチできていなかった層にアプローチでき、視聴数が倍増するケースも少なくありません。
しかも、検索から流入した視聴者は「能動的に情報を探している」人たちです。つまり、ただ再生されるだけでなく、しっかりと動画を見てもらえる確率が高いのです。結果的に、視聴維持率やエンゲージメントも上昇し、さらにアルゴリズムによる評価も向上する、という好循環が生まれます。
これは、広告を打って一時的に再生回数を稼ぐ方法とは根本的に異なります。
② 費用対効果の高い集客
VSEOは、お金をかけずに見込み顧客と出会える「低コスト高効果」な施策です。
広告のように出稿費がかかるわけではなく、主に時間とノウハウが必要になるだけなので、予算に制約のある企業や個人にとって非常にありがたい手法です。
特に、Web広告のCPC(クリック単価)が年々上昇している今、オーガニックでの流入経路はますます価値を増しています。しかも、動画検索で上位に入ると、長期間にわたって流入が継続する“資産型の集客”が可能になります。これは一過性のバズではなく、積み上げ型のマーケティングに非常に適しています。
短期的な効果よりも、中長期で成果を伸ばしていきたい企業にとって、VSEOはコスパ面で非常に優秀です。
③ 拡散・共有による波及効果

VSEOによって視聴数が増えると、自然と“シェア”や“埋め込み”といった波及効果も生まれてきます。
視聴者が動画に価値を感じれば、SNSで拡散されたり、他のサイトに紹介されたりする機会が増えます。これにより、さらに認知が広がり、再生回数が増える…という“勝手に伸びる状態”に入るのです。
また、企業にとっては、「自社製品のレビュー動画」や「ハウツー動画」が第三者のブログやSNSでシェアされることにより、広告では得られない“信頼性”が構築されるというメリットもあります。
これは広告では実現しにくい、オーガニックならではの強みです。
視聴者が自然に広めてくれる環境を整えるという意味でも、VSEOの効果は見逃せません。
④ 検索上位表示による信頼感の向上
検索結果で動画が上位に表示されている。すると、それだけで「この動画(企業)は信頼できそう」と感じる人が多いのも事実です。
これは「上位表示=人気・有益」というユーザー心理によるものです。
特に、商品やサービスを検討している段階のユーザーにとっては、検索結果で見つけた動画が企業選定の決定打になることもあります。
動画が検索1ページ目に出てくるかどうかは、単なる視聴数の差にとどまらず、「企業イメージ」「成約率」にも影響を与えるのです。
また、検索結果に自社動画が表示されることで、競合の動画を押しのけて露出を確保できるという戦略的な意味もあります。
4. 今すぐできる!効果的なVSEO対策8選

VSEOの重要性は理解した。
でも「結局、何から始めればいいのか分からない」――このような声は非常に多いです。
この章では、すぐに実践できる8つの具体的な対策をご紹介します。
① キーワードリサーチと使い方
VSEOの第一歩は「キーワードの選定」です。
検索される可能性が高い言葉を狙わなければ、いくら良い動画を作っても見つけてもらえません。これはSEOとまったく同じ考え方です。では、どんなキーワードを選ぶべきか?
基本は「ユーザーが何を知りたいか」「どういう言葉で検索するか」を想像することです。たとえば、エアコン掃除の動画なら「エアコン 掃除 方法」「エアコン 掃除 自分で」などが狙い目です。さらに、YouTubeの検索窓にキーワードを打ち込んだときに表示されるサジェストワード(予測変換)も非常に参考になります。
ただし、競合が強いキーワードばかりを狙っても上位表示は難しいです。
そのため、検索ボリュームがやや少なめでも、競合が少ない「ロングテールキーワード」を狙う戦略が効果的です。
② タイトル・説明文・タグの最適化
動画を投稿する際にもっとも重要なのが、タイトルと説明文、そしてタグです。
特にタイトルは、検索結果に表示されたときに最初に目に入る要素なので、クリックされるかどうかを大きく左右します。
キーワードはなるべくタイトルの冒頭に入れましょう。「【プロ直伝】エアコン掃除のやり方|自分で簡単にできる方法」のように、情報性と魅力を両立させる工夫が必要です。
説明文には、検索に引っかかるようにキーワードを盛り込みつつ、視聴者が動画を見たくなるような誘導文を含めるのが理想です。さらに、関連するタグを設定することで、YouTube側に「この動画はこういうテーマです」と正しく伝えることができ、関連動画にも表示されやすくなります。
タイトルや説明文の工夫だけで、再生回数が倍増するケースもあるため、絶対に手を抜かないでください。
③ 魅力的なサムネイルと再生リスト活用
VSEOでは「見たくなるかどうか」が最初の関門です。そのとき視聴者が判断材料にするのがサムネイルです。どんなに中身が良くても、サムネイルが地味だとスルーされてしまいます。
サムネイルには、視覚的に目立つ色を使い、簡潔なテキストを加えると効果的です。「文字が読みにくい」「何の動画か分かりにくい」といったサムネイルは即改善しましょう。
また、再生リストの活用も重要です。再生リストを作っておくことで、関連動画が自動で再生され、視聴時間が伸びやすくなります。視聴維持率が高くなれば、YouTubeからの評価も高まり、検索上位表示の可能性が上がります。
「サムネイルで惹きつけ、再生リストで滞在時間を延ばす」――このセット運用が非常に効果的です。
④ 字幕・翻訳・タイムスタンプで視聴体験を最適化
ユーザーが動画を途中で離脱する最大の原因は「分かりづらい」ことです。
そこで有効なのが字幕とタイムスタンプです。
字幕を入れることで、音が出せない環境でも視聴が可能になり、離脱率の低下に繋がります。さらに、検索エンジンが字幕を読み取って内容を理解するため、SEO的にもプラスに働きます。また、タイムスタンプを設定すれば、動画内の特定の部分に直接ジャンプできるようになります。これにより、視聴者は自分に必要な情報にすぐたどり着け、満足度が向上します。
さらに、多言語対応の翻訳を追加することで、海外ユーザーへのアプローチも可能になります。
特にグローバルな展開を視野に入れている企業にとっては、字幕・翻訳の導入は必須です。
⑤ CTA設計でエンゲージメントを高める
動画を見終わった視聴者に「いいね」や「コメント」「チャンネル登録」をしてもらう。
そのためには、明確な行動喚起(CTA:Call To Action)が欠かせません。特にVSEOでは、このエンゲージメント指標がアルゴリズムに強く影響するため、重要な施策のひとつです。
「この動画が参考になった方は、ぜひ高評価とチャンネル登録をお願いします!」というように、自然な形で誘導することで、行動率が高まります。とはいえ、あまりにも押しつけがましい表現は逆効果です。そのため、動画の内容やトーンに合わせて調整が必要です。
また、コメント欄を活性化させる質問形式の締めくくりも効果的です。
たとえば「あなたはどんな方法でエアコン掃除していますか?コメントで教えてください!」といった一言があるだけで、反応が変わってきます。
⑥ 動画内コンテンツの質と構成
動画そのものの質が低ければ、どんなに外側を最適化しても意味がありません。
VSEOの成果を最大化するには、動画内容自体の「視聴維持率」を高める必要があります。
視聴維持率とは、動画のどこまで見られているか?を示す指標で、YouTubeの検索アルゴリズムでも重要視されています。
ポイントは「結論を早めに出す」「テンポよく進める」「視覚効果やBGMで飽きさせない」といった工夫です。また、冒頭で「この動画では○○が分かります」と伝えることで、視聴者の期待値をコントロールできます。中だるみや無駄な話が多いと、すぐに離脱されてしまうので注意が必要です。
要するに、動画は“内容で勝負”という基本を忘れないことが、VSEOの最強の土台になります。
⑦ SNS連携と外部リンク対策
動画をアップしただけでは拡散しません。
YouTubeなどのプラットフォーム外からも視聴を促すことが、結果的にVSEOにも好影響を与えます。特にSNSとの連携は重要です。
X(旧Twitter)やInstagram、Facebookで動画を紹介することで、再生回数が初速で伸びやすくなります。これは視聴アルゴリズムにとって「この動画は人気がある」と判断され、推薦されやすくなるトリガーにもなります。
また、自社サイトやブログへの埋め込み、メールマガジンでの紹介、外部メディアへの掲載なども有効です。
特に外部リンクが多い動画は、「外からも評価されている」と認識されるため、検索順位の向上にもつながる可能性があります。
VSEOは「動画の外側」も巻き込んで強化するものです。視聴経路を広げるほど、検索上位も現実的になります。
⑧ YouTubeアナリティクスでPDCAを回す
最後のポイントは「分析と改善」です。
VSEOは“やりっぱなし”では成果につながりません。そこで、YouTube Studioのアナリティクスを使います。
- 再生回数
- 平均視聴時間
- 離脱ポイント
- クリック率
などを定期的に確認しましょう。
たとえば、冒頭10秒で離脱率が高ければ、導入部分の改善が必要です。逆に、ある特定のシーンで視聴が伸びていれば、その要素を次回以降の動画に活かせます。クリック率が低ければ、サムネイルやタイトルの見直しが急務です。
このように、数字をもとにPDCAサイクルを回すことが、VSEO成功の鍵。直感ではなく「視聴者の反応データ」に基づいた改善が、長期的な成果につながる近道です。
>> YouTube 運用ガイド|YouTube アナリティクスのデータを確認する
5. VSEOとは?よくある失敗とその対策
VSEOに取り組んでいるのに再生回数が伸びない、検索結果に表示されない…。
そんな悩みを抱える方は意外と多いです。実は、VSEOには「やってしまいがちな失敗」がいくつか存在し、それを知らずに進めていると、どれだけ良い動画を作っても結果が出ません。
この章では、特に多く見られる失敗パターンとその回避法について解説します。
① キーワードを無視した動画タイトル
動画のタイトルに「狙ったキーワード」が入っていない。
これは初心者に最も多い失敗です。「おしゃれなタイトルをつけたい」「目立つ言葉を使いたい」という気持ちは分かりますが、検索対策としてはマイナスです。
検索エンジンはタイトルの文言を重要視しているため、視聴者が実際に検索するであろうキーワードを入れることが必須です。たとえば、「人生を変えた掃除のコツ」というタイトルでは、何の動画かが曖昧で、検索にも引っかかりにくいです。これを「エアコン掃除のやり方|誰でもできる簡単な手順」に変えるだけで、検索流入が大きく変わる可能性があります。
“おしゃれさ”ではなく“見つけられやすさ”が、VSEOの世界では優先されるべきです。
② 概要欄が空欄 or 使い方が雑
意外と見落とされがちなのが、動画の説明欄(概要欄)です。
ここを空欄にしている。あるいは適当に1~2行だけ書いて済ませている人が非常に多いです。これは本当にもったいない。
説明欄には、タイトルでは補えない情報やキーワードを追加しましょう。そうすることで、検索エンジンには「この動画はこんな内容です」と伝えられます。また、外部リンクやタイムスタンプ、関連動画への導線を載せることで、視聴者の満足度や滞在時間も伸ばすことができます。
最低でも200〜300文字は入れましょう。ここでは、視聴者が知りたいことを先回りして書くのが基本です。説明欄は「ただの補足」ではありません。「第2の検索対策」として捉えることが重要です。
③ 視聴者のニーズを無視したコンテンツ
動画内容が「自分が伝えたいこと」中心になっていないでしょうか?視聴者が本当に求めている情報を無視すると、どれだけ丁寧に作っても視聴維持率は伸びません。
たとえば、エアコン掃除の方法を探している人は、手順や道具、注意点を手早く知りたいのです。なのに、「この掃除道具はどこで買ったか」や「昔こんな失敗をした話」などを長々と話されると、離脱されてしまいます。
重要なのは、「相手が知りたいこと」に対して、どう効率的に答えを提示できるか。その視点を忘れると、VSEO以前の問題になってしまいます。
④ サムネイルが視認性に欠けている
「どこかで見たようなサムネイル」「文字が小さくて読めない」「そもそも何の動画か伝わらない」。
こうしたサムネイルでは、視聴者の目に止まりません。
特にスマートフォンで見るユーザーが多い今、サムネイルの視認性は非常に重要です。文字は大きく、色はコントラストをはっきりさせ、内容を一目で伝えるようにする必要があります。たとえば、「Before→After」で画像比較を入れるだけでも、視覚的に強く訴求できます。
テンプレートの使いまわしも注意です。どの動画も同じような構図になっているサムネイルは、印象に残りません。結果、スルーされてしまいます。
動画の中身と同じくらい、サムネイルは“顔”として重要な要素です。
6. 他の施策と組み合わせると効果倍増
VSEO単体でも効果はあります。
が、他のマーケティング施策と組み合わせることで、その効果はさらに飛躍的に高まります。動画単体で完結する時代は終わり、今は「連携」が成功の鍵です。
この章では、SNSやWebサイト、広告など、VSEOと相性の良い施策との組み合わせ方について解説します。
すでにマーケティングを意識している人にとっては、今すぐ実践できる内容です。
① SNSと連動して拡散を狙う
まず真っ先に取り入れるべきなのが、SNSとの連携です。
YouTubeで動画を公開した後、X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、TikTokなどのSNSで紹介することで、初速の視聴数を稼ぐことができます。これはアルゴリズム上も非常に効果的です。
YouTubeの初動が好調だと、YouTube側が「この動画は人気がある」と判断し、推薦枠(関連動画やトップページ)に載せやすくなります。つまり、SNSからのトラフィックは、VSEOそのものの強化にも直結するのです。
また、ハッシュタグを活用すると、動画の発見性も高まります。そして、思わぬ形でシェアが広がることもあります。
② ウェブサイト・ブログへの埋め込み活用
動画をYouTubeにアップしただけで終わらせるのはもったいないです。
自社のウェブサイトやブログに動画を埋め込むことで、ユーザーの滞在時間が伸び、ページの価値も高まります。
たとえば、商品紹介ページに解説動画を添える。それだけで、CVR(コンバージョン率)が上がることも珍しくありません。なぜなら、文章だけでは伝わりにくい情報を、動画が補完する形になるからです。
さらに、YouTube側から見れば「外部サイトから埋め込まれている=評価されている」と認識されています。そのため、これも検索順位向上の一因となります。
サイトと動画の“相互補完関係”を構築できるのが、埋め込み施策の最大の強みです。
③ YouTube広告とVSEOの違いと使い分け
VSEOとYouTube広告は、目的もアプローチも異なります。
が、うまく使い分けることで非常に高い相乗効果が得られます。
VSEOは、いわば“検索されるコンテンツ”としての戦略です。広告費はかからず、時間をかけてじわじわ成果が出る「資産型」の手法。一方、YouTube広告は短期間で露出を増やす「即効型」の施策です。たとえば新商品やキャンペーンなど、時間的に限定された施策には広告が有効です。
特に、VSEOで作った動画を広告にも活用すれば、コンテンツの再利用効率も高まり、一石二鳥の効果が期待できます。
7. VSEO対策を外注するときに、依頼先を選ぶポイント
VSEOの重要性は理解できた。
けれど、実際にやってみると「思ったより大変」「結果が出ない」と感じる方も多いでしょう。
実際、VSEOは単なる動画編集やSEO対策とは異なります。ユーザー視点と技術的な最適化を両立させる必要があるからです。そのため、プロに外注することも十分に選択肢としてアリです。
ここでは、VSEOを外注する際に“失敗しない”ための依頼先の見極め方をお伝えします。
① 動画×SEOの知見が両方あるか?
VSEOは、単なるSEOの延長でも、動画制作の延長でもありません。
SEOだけに強い会社では動画のUXを軽視しがちですし、動画制作だけを得意とする会社では検索エンジン最適化の知見が不足しがちです。
両方の専門知識を持ち、動画の見せ方・再生維持率・クリック率といった指標を、SEO的観点で評価・改善できるかがカギとなります。
② 数字で語れる実績や分析ノウハウがあるか?
「とりあえず動画を作る」「編集してアップする」だけで終わる業者もいます。
しかし、本当に効果のあるVSEOは、数字に基づく運用ができるパートナーでないと継続的な改善ができません。
YouTubeアナリティクスなどを活用し、視聴データをもとに提案してくれる会社を選びましょう。再生数・視聴維持率・CTRなどの指標を元にした改善サイクルを重視しているかがポイントです。
③ 費用だけで判断せず、提案内容を確認する
「動画制作費用が安い」という理由だけで業者を決めるのは危険です。
安価であっても、結果に繋がらなければ意味がありません。逆に高額でも、“ただかっこいい動画を作るだけ”の業者であれば、費用対効果は期待できません。重要なのは、「どうやって再生されるか」「どうやって検索されるか」に対する具体的な戦略があるかどうかです。
見積もり時には、納品物だけでなく、「成果に対するコミットの有無」も確認しましょう。
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8. VSEOとは?まとめ
VSEOとは、今後ますます重要性を増していく動画時代のマーケティングにおける基礎スキルです。
少しの工夫と知識を加えるだけで、動画の視聴数や信頼性、さらには売上や集客にも大きな差が出る時代になっています。
本記事で紹介した内容を一つひとつ実践していけば、あなたの動画も確実に“見つけられる動画”へと変わっていくはずです。
今こそ、VSEOを味方につけて、動画コンテンツを資産に変えていきましょう。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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