提案書デザインで大切なのは、見た目を派手にすることではありません。
相手の課題、提案内容、導入メリット、費用、スケジュールを整理し、読み手が判断しやすい形に整えることです。
この記事では、提案書デザインの基本と、伝わる資料にするための構成・見せ方・改善ポイントを解説します。
1. 提案書デザインは、見た目より「判断しやすさ」を優先する
提案書デザインというと、配色やレイアウト、写真、アイコンなどの見た目を思い浮かべますよね?
もちろん、見やすいデザインは必須です。
ただ、提案書の本来の目的は、きれいに見せることではありません。相手が提案内容を理解し、必要性を感じて、さらに社内で検討しやすくなるのが、本来の目的です。
- 提案書=商談後に相手社内で読まれる資料
- 見た目がきれいなだけでは受注できない
- 情報を読み手が判断しやすい順番に並べる
①提案書=商談後に相手社内で読まれる資料
提案書って、プレゼン時に担当者に向けて作る資料だと思われがち、です。
でも、そうではありません。提案書は、商談後に担当者が上司や関係部署へ共有して、社内検討するためにも使われます。
✖️担当者だけをターゲットにしている
○商談後、担当者+上司の社内検討用に作る
そのため、営業担当者の説明がなければ伝わらない提案書は、社内共有の段階でアピール度が弱い、です。商談の場では理解されても、資料だけになったとき、提案の意図が伝わらないから、です。
なので、提案書をデザインするときは、目の前の担当者だけでなく、その先にいる決裁者や関係者も読むことを想定しましょう。
②見た目がきれいなだけでは受注できない
見た目がきれいな提案書デザインは、第一印象が良いです。
もちろん、見た目が悪いより、良い方がいいに決まっています。なので、それはOKです。
でも、提案書デザインが、きれいなというだけで、受注につながることは、ありません。
なぜなら、配色や装飾が整っていても、相手の課題とその解決方法が明確でなければ、提案の意味がないから、です。また、提案内容の効果や費用に加えて、進め方が分かりにくいと、社内で判断が出来づらいです。
大切なのは、デザインだけではありません。
③情報を読み手が判断しやすい順番に並べる
さらに提案書では、情報を伝える順番も重要です。
自社の説明から始める提案書は多いです。が、まずは相手の課題や背景を整理します。そうすることで、読み手は内容を自分ごととして受け取りやすくなります。
NGな提案書
✖️自社の説明から始める
OKの提案書
○相手の課題や背景から始める
そのうえで、課題に対する解決策、提案内容、期待できる効果、費用、スケジュールを順番に示します。
この流れのメリットは、読み手が「なぜこの提案が必要なのか?」「導入すると何が変わるのか?」を理解しやすくなること、です。
2. 提案書デザイン|伝わる構成とは?
さて、伝わる提案書を作るためには、デザインより前に、構成の整理をしましょう。
なぜなら、構成が弱いままで、見た目だけを整えても、提案の魅力は伝わらないから、です。
そこで、
- 誰に向けた資料なのか?
- 相手にどのような課題があるのか?
- それに対して何を提案するのか?
を分かりやすく示す必要があります。
一つずつ見ていきましょう。
提案書デザインのポイント① 表紙で「誰に何を提案する資料か」を明確にする
まず、提案書の表紙は、誰に何を提案する資料なのか?を明確にします。
そのために、表紙には下記の要素を明確にしておきます。
提案書の表紙で『誰に何を提案するのか?』を明確に!
- タイトル
- 提案先名
- 提案内容
- 提出日
- 会社名
上記の要素が整理されると、すぐに資料の目的が伝わりますよね?逆に、タイトルが曖昧だと、読み手は最初の段階で内容を把握しにくくなります。
悪い例(何の提案か?わからない)
✖️サービスご提案資料
良い例(提案の目的が具体的)
○採用サイト改善に関するご提案
たとえば、「サービスご提案資料」だけでは、何の提案なのかが分かりにくい場合があります。「採用サイト改善に関するご提案」「営業資料リニューアルのご提案」のように、目的を具体的に示す方が伝わりやすくなります。
提案書デザインのポイント② 相手の課題を先に示す
誰に向けた提案書か?が、クリアになったら、いよいよ本丸。提案書の内容です。
ここでも、いきなり自社のサービス説明に入るのはNG。もうわかりますよね?先に示すのは、相手の課題です。
なぜなら、読み手は「この提案が自社に関係あるのか?」が重要だから、です。そのため、課題や背景が整理されていることで、読み手が、提案内容を自分ごととして受け取りやすくなります。
たとえば、
悪いアピール例
✖️営業資料を新しく作ります
✖️自社でできることは○○です
良いアピール例
○現在の資料では、御社のサービスの強みが伝わりにくく、商談後の社内共有で判断材料が不足する
「営業資料を新しく作ります」と説明する前に、「現在の資料ではサービスの強みが伝わりにくく、商談後の社内共有で判断材料が不足している」と整理します。そのうえで提案内容を示すと、必要性が伝わりやすくなります。
提案書デザインのポイント③ 解決策と提案内容を具体的に伝える
課題を示した後は、その課題への解決策を伝えます。
ここで大切なのは、できるだけ具体的であること、です。「分かりやすい資料にします」「デザインを改善します」だけでは、何をしてくれるのかが伝わりません。
さらに、「サービスの特徴を3つに整理する」「導入前後の変化を図解する」など、具体的な対応内容を示すと、読み手は提案後のイメージを持ちやすくなります。
ポイントは?
NG=「分かりやすい資料にします」「デザインを改善します」
OK=「サービスの特徴を3つに整理する」「導入前後の変化を図解する」
提案内容は、相手が導入後の姿を想像できるように書くことが重要です。
提案書デザインのポイント④ 効果・費用・スケジュールを判断材料として見せる
そして、提案書には、効果、費用、スケジュールも必要です。
どれだけ魅力的な提案も、実行可能か?が胆だから、です。費用感や進行スケジュールが分からないと、相手は社内で検討ができません。
効果は、売上や問い合わせ数などの数値だけとは限りません。営業説明がしやすくなる、サービス理解が深まるといった効果もあります。
効果・費用・スケジュールのポイント
- 効果=売上、問合せなどの定数(数値)+「営業説明がしやすくなる」「サービス理解が深まる」定性でも可。
- 費用・スケジュール=期待できる効果をはっきりと数値や期間で示す
費用やスケジュールは、検討に必要な判断材料です。また、期待できる効果が曖昧だと、導入する理由も弱くなります。
3. 提案書デザイン|伝えるための4つの基本
提案書の構成が整理できたら、次に見せ方を整えます。
読み手が内容を理解しやすくするために、色や装飾を増やすよりも、情報を整理します。
重要な部分が自然に目に入るようにするポイントをお伝えします。
- 情報は1ページで1メッセージに
- 余白と整列で読みやすさを演出する
- 色やフォントを使いすぎない
- 図解・表・写真は目的を決めて使う
一つずつ、見ていきましょう。
① 情報は1ページで1メッセージに
提案書では、1ページに多くの情報を詰め込みすぎないことが大切です。
1ページの中に複数のメッセージがあると、読み手はどこを見ればよいのか分かりにくくなります。結果として、重要な情報が埋もれてしまいます。
そのため、基本は、1ページ1メッセージに絞ります。
例えば
- 課題を説明するページでは課題に絞る
- 提案内容を説明するページでは、解決策に絞る
- 費用は、料金と範囲を分かりやすく見せる
です。
② 余白と整列で読みやすさを演出する
提案書を見やすくするうえで、余白と整列はとても重要です。
余白が少ない資料は、情報量が多く見え、読む前に負担を感じさせます。一方で、適度な余白があると、内容に目を通しやすくなります。
また、文字や図、写真の位置がそろっていないと、資料全体が雑に見えてしまいます。見出し、本文、図表、注釈の位置をそろえるだけでも、印象は大きく変わります。
③ 色やフォントを使いすぎない
前述の余白と整列とともに、色やフォントを使いすぎないことも提案書デザインには重要。
よく言われることですが、多くの色を使うと、どこが重要なのか分からなくなります。また、フォントがページごとに変わると、資料全体の統一感がなくなります。
なので、事前に内容に合わせた
- メインカラー
- サブカラー
- 強調色
を決めておくとよいでしょう。
さらに、フォントも、見出しと本文でルールを決めておくと、読みやすくなります。
④ 図解・表・写真は目的を決めて使う
さらに、図解や表、写真は、提案書を分かりやすくします。
ただし、何となく入れるだけでは逆効果になるので、要注意です。
下記、ポイントです。
図解・表・写真のポイント
- 流れを説明する=図解
- 比較を見せたい=表
- 実績/完成イメージ=写真
が有効です。
一方で、内容と関係の薄い写真やアイコンを入れすぎると、重要な情報が目立たなくなります。
4. 提案書|やりがちな失敗4選
提案書では、良かれと思った工夫が、かえって分かりにくさにつながることがあります。
- 情報が多くて認知コストが高い
- 装飾が多く、重要な情報が目立たない
- ページごとにデザインがバラバラ
- 自社の説明ばかりで、相手の課題が見えない
ここでは、提案書でよくある失敗を整理します。
①情報が多くて認知コストが高い
提案書でよくある失敗は、文字量が多すぎることです。
文字量が多いと負担を感じる=認知コストが高い
提案内容を丁寧に説明しようとすると、どうしても文章が増えます。が、1ページに文字が詰まっていると、読み手は読む前に負担を感じます。
特に商談後に社内共有される資料では、短時間で要点をつかめることが重要です。
すべてを文章で説明するのではなく、見出し、箇条書き、図解、表を使い分ける必要があります。
②装飾が多く、重要な情報が目立たない
提案書を目立たせようとして、装飾を増やしすぎるケースもあります。
NG例
- 背景に模様を入れる
- アイコンを多用する
- 強調色を何色も使う
このようなデザインは、一見にぎやかです。が、重要な情報が分かりません。
③ページごとにデザインがバラバラ
ページごとにデザインがバラバラな提案書は、読み手に不安を与えることがあります。
NG例
- 見出しの位置が毎ページ違う
- 文字サイズが統一されていない
- 色の使い方がページごとに変わる
このような資料は、内容が良くても雑な印象を与えます。
なので、事前に提案書レイアウトのルールを決めましょう。見出し、本文、図表、注釈、ページ番号などの位置をそろえるだけでも、資料全体の完成度は上がります。
④自社の説明ばかりで、相手の課題が見えない
こちらは、前章までで述べてきた内容の繰り返しです。
なぜ、繰り返すのか?というと、とても大切なのに、やりがちな失敗だから、です。
もちろん、自社の実績や強みを伝えることも大切です。しかし、自社の説明が多すぎると、相手の課題が見えにくくなることがあります。
読み手が知りたいのは、「この会社がすごいか」だけではありません。自社の課題に対して、どのように役立つのかです。
5. 提案書デザイン|受注につなげる改善ポイント
提案書を受注につなげるには、見た目を整えるだけでなく、読み手の判断を助ける情報を入れることが大切です。
特にBtoBでは、担当者だけで決定するとは限りません。上司、役員、関係部署など、複数の人が資料を見ます。
そのため、提案書は、社内で共有されても内容が伝わるように設計する必要があります。
- 提案先の担当者が社内説明しやすいか?
- 競合比較で選ばれる理由を明確か?
- 提案後の流れを具体的に示しているか?
ここでは、受注につながる提案書にするための改善ポイントを解説します。
①提案先の担当者が社内説明しやすいか?
提案書は、提案先の担当者が社内説明するための資料でもあります。
担当者が前向きに感じていても、上司や関係部署に説明しにくい資料では、検討が進みにくくなります。
担当者が社内説明をしやすくするためには?
- なぜ必要なのか?
- 何を依頼するのか?
- 費用はいくらか?
- どのような効果があるのか?
が整理されていることが重要。
そのため、提案書を作るときは、担当者がそのまま社内で説明できるかを確認しましょう。
②競合比較で選ばれる理由を明確か?
提案書では、競合と比較されたときに選ばれる理由を明確にする必要があります。
多くの場合、提案先は複数社を比較しています。そのため、単にサービス内容を説明するだけでは、競合他社との違いが伝わりにくいです。
たとえば、自社の強みが「安い」「早い」「実績がある」だと弱いです。なので、相手の課題に対して何が有効なのか?を伝えましょう。
他社との違いを明確にする例
- 営業資料と動画を一貫して設計できる
- 企画からデザインまで対応できる
- BtoBの説明資料に強い
など、相手が比較しやすい言葉にすることが大切です。
選ばれる理由が明確なら、提案書の説得力が高まるから、です。
③提案後の流れを具体的に示しているか?
さらに、提案後の流れも具体的に示しましょう。
つまり、次の行動を示しておくこと、です。WEBでいうCTA(コール・トゥ・アクション)ですね。
提案後の流れの例
- どのタイミングで発注するのか?
- どのように打ち合わせをするのか?
- いつ納品されるのか?
など、です。
特に、初めて依頼する会社だと、進め方が分からないと不安につながります。
そのため、提案後の流れ、必要な準備物、確認のタイミング、納品までの期間を整理しておくことが重要です。
6. 提案書を外注する時のチェックポイント
この章では、提案書デザインを外注する場合について、お話ししておきましょう。
外注するなら、ここまでで述べたことを再現できる相手を選ぶこと、です。
なぜなら、提案書は、相手に何を伝え、どのような判断をしてもらうのか?を伝える大切な資料だから、です。ここでは、外注時のチェックポイントをご紹介します。
- 見た目だけでなく構成から相談できるか?
- 営業資料や会社案内との一貫性を整えられるか?
- 修正しやすいデータ形式で納品してもらえるか?
①見た目だけでなく構成から相談できるか?
提案書デザインを外注する場合は、構成から相談できるかを確認しましょう。
すでに原稿やページ構成が固まっている場合は、デザインだけの依頼でも問題ありません。しかし、内容の整理に不安がある場合は、構成から相談できる制作会社の方が向いています。
- すでに原稿内容が固まっている→デザインの依頼だけでOK
- 内容も含めて外注依頼したい→制作会社に依頼がオススメ
外注先を選ぶときは、見た目だけでなく、情報設計や営業視点まで見てもらえるかを確認することが大切です。
②営業資料や会社案内との一貫性を整えられるか?
提案書は、単独で使われることもありますが、営業資料や会社案内と一緒に使われることもあります。
そのため、資料ごとにデザインやメッセージが大きく違うと、会社としての印象がぶれてしまうことがあります。
一貫性が乏しい提案書の例
- 会社案内では落ち着いた印象なのに、提案書だけが派手すぎる
- 営業資料では強みを整理しているのに、提案書では違う言葉を使っている
外注する場合は、営業資料、会社案内、Webサイトなどとのつながりも考えられるか?も確認しましょう。
③修正しやすいデータ形式で納品してもらえるか?
提案書は、納品後に社内で修正することも多い資料です。
提案先ごとに社名を変える、費用やスケジュールを調整する、事例を差し替える。このような更新が必要になる場合があります。
納品形式もチェック
- どの形式で納品してもらえるか?
- PowerPointで編集できるか?
- PDFのみか?
- デザインデータも受け取れるか?
提案書も少しずつ改善したり、使い回しもします。なので、社内で修正しやすいことも大切です。
7. 提案書デザイン|まとめ
提案書は、営業活動を支える重要な資料です。
商談の場で説明を補い、商談後には相手社内で共有され、比較検討の材料になります。
そのため、営業担当者の話術だけに頼るのではなく、資料自体が提案内容を伝えられる状態にしておく必要があります。
提案書の見せ方に課題を感じている場合は、まずは現在の資料を見直し、どこが伝わりにくくなっているのかを整理することから始めてみてください。
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今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!






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